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臨床工学技士と臨床検査技師の違いは?なり方や仕事内容を解説

「医療系国家資格に興味があるけれど、違いがわからない」
「臨床工学技士と臨床検査技師の違いって何?」
このような疑問を持つ方に向けて、臨床工学技士と臨床検査技師について解説します。
似たような名前の医療系国家資格ですが、2つの資格には明確な違いがあります。

今回解説するのは、両資格の仕事内容や働く場所、なり方、年収などの違いです。
現在医療系国家資格に興味があり、進路先を決めるために職業研究を行っている学生さんは、参考にご一読ください。

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臨床工学技士と臨床検査技師の仕事内容の違い

臨床工学技士と臨床検査技師の仕事内容の違い

臨床工学技士と臨床検査技師は別々の国家資格であり、仕事内容も異なります。
まずは臨床工学技士と臨床検査技師の仕事内容を、それぞれ説明していきます。

臨床工学技士の仕事内容

臨床工学技士の仕事内容は多岐に渡り、主な業務は以下のとおりです。

  • 医療機器の管理
  • 心血管カテーテル治療
  • 手術室業務
  • 血液浄化業務
  • 高気圧酸素療法

臨床工学技士は医療機器を管理または使用する職業であり、常に機械に触れる仕事です。
上記で挙げた業務も、すべて医療機器を使用する業務です。

現在の医療では、患者さんの治療や検査の多くを医療機器を用いて行うため、臨床工学技士の業務内容が幅広くなっています。

医師や看護師と協力して検査や治療を行うほか、医療機器の管理では、院内の医療機器の故障対応や定期点検を行います。

臨床工学技士の年収に関しては、こちらの記事をチェックしてください。

臨床検査技師の仕事内容

臨床検査技師の仕事内容は、大きく2つに分けられます。

  • 検体検査
  • 生理機能検査

検体検査は、医師からの依頼で患者さんの血液や尿、便などから細菌やウイルスの有無を調べ、病原体を特定します。
臨床検査技師には、これまで検査目的の採血のみ許されていましたが、2015年からは鼻腔拭い液や咽頭拭い液、口腔の粘膜などからも検体を採取できるようになりました。

生理学的検査は、定期健診で受ける心電図検査や聴力検査をイメージするとわかりやすいでしょう。
検査器具を体表面に取り付け、体内の機能が正常に動いているかチェックを行います。

臨床工学技士と臨床検査技師の働く場所の違い

臨床工学技士と臨床検査技師が働く場所を紹介します。
仕事内容は違いますが、働く場所は同じ場合もありますので順番に見ていきましょう。

臨床工学技士が働く場所

臨床工学技士は総合病院や透析クリニックで働くケースが多いです。
わずかですが、臨床工学技士養成校や医療機器メーカーで働く方もいます。
総合病院では医療機器を活用する各部門に所属し、先に紹介した仕事内容を分担して行います。

多くの透析クリニックでは、月曜から土曜まで透析を行うので、休みは日曜日と他1日になる場合が多いです。
多ければ1日で午前、午後、夜間と3クールの透析を行うため、勤務も早出や夜勤などさまざまです。

医療機器メーカーでは、医療機器の使用方法や機械の特徴を医療従事者に説明する、アプリケーションスペシャリストとして働きます。

臨床検査技師が働く場所

臨床検査技師が働く場所は、以下のとおりです。

  • 病院・クリニック
  • 検査センター
  • 健診センター
  • 保健所
  • 医療機器メーカー

臨床検査技師は働く場所が多く、さまざまな場所で活躍しています。
順番に説明していきます。

病院・クリニック

病院では検体検査・生理学的検査のどちらも経験できるため、就職先として病院を選ぶ臨床検査技師も多いです。
業務量が多い病院では複数の臨床検査技師が働いており、医師や看護師などのスタッフと連携しながら業務を行います。

病院よりも規模が小さいクリニックでは一人で業務をこなす必要があり、複数の業務を効率良く処理する能力が問われます。

検査センター

検査センターは特殊な遺伝子検査や腫瘍マーカー検査など、病院やクリニックでは扱わない検体検査に特化した場所です。
病院やクリニックからの依頼を受けて検体検査を行い、結果を各病院・クリニックに返信します。

検体検査のスキルを上げたい方や、普段取り扱わないような病原体の検査をしたい方、検体検査だけを仕事としたい方におすすめです。

健診 センター

健診センターでは主に生理学的検査を行います。
健診センターで働く臨床検査技師は、職場の健康診断や定期健診で来た方に心電図検査や超音波検査を行います。

健診センターによっては、臨床検査技師が採血を担当する場合もあるので、採血が得意な臨床検査技師にはおすすめです。
また、腹部や乳腺エコーが可能な女性検査技師の需要が高い傾向もあります。
職場の特性上、6月や9月 は需要が増え、繁忙期になりやすいです。

保健所

保健所で働く臨床検査技師は、担当地域で発生した感染症や食中毒の原因を調べるための検査や聞き取り調査、指導を行います。
検査以外にも食品施設の衛生管理の確認や、水道施設の立ち入り検査なども行います。

保健所で働くには、公務員試験に合格することが必要です。
夜勤や残業、休日の呼び出しなどが少なく、安定して働けます。

医療機器メーカー

臨床検査技師が医療機器メーカーで働く場合、営業のサポートとして働きます。
営業のサポートとは、自社製品の使用方法や特徴を医療従事者に向けて説明することです。

臨床検査技師として取り扱った経験のある機器のメーカーであれば、使用時の注意点やコツなどを実体験を踏まえて説明できるため、説得力のあるプレゼンテーションが可能です。

検査はまったく行わず医療機器の機能や取り扱い方などの説明に徹するため、病院や検査センターなどとは大きく異なる働き方になります。

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臨床工学技士・臨床検査技師の年収の違い

臨床工学技士と臨床検査技師の年収を比較したものがこちらです。

年収
臨床工学技士 約423万円
臨床検査技師 約496万円
差額 約73万円

年収で比較すると、臨床検査技師のほうが臨床工学技士よりも約73万円多いです。
すべての職場で臨床工学技士の年収が臨床検査技師に劣るわけではありませんが、全国平均で見ると臨床工学技士の年収のほうが少なくなっています。

多くの臨床工学技士や臨床検査技師が働く病院・クリニックは、各施設でもらえる基本給や手当に違いがあり、働く場所を厳選すれば上記の年収額を超えられます。

年収を上げる方法は働く場所の選択以外にもあり、詳しくはこちらで紹介していますので、臨床工学技士と臨床検査技師の年収に関して知りたい方はご覧ください。

臨床工学技士・臨床検査技師になるための方法

臨床工学技士、臨床検査技師になるためには、養成校に通って国家試験に合格しなければなりません。
臨床工学技士、臨床検査技師ともに、3年制または4年制の養成校があります。
臨床工学技士の養成校に限って1年または2年で卒業できる専攻科もあり、入学できる条件は下表のとおりです。

入学条件
専攻科(夜間2年、昼間1年) ほかの医療系国家資格養成所や大学で2年以上学び、厚生労働大臣指定の科目を履修していること
専攻科(昼・夜2年) ほかの医療系国家資格養成所や大学で1年以上学び、厚生労働大臣指定の科目を履修していること

すでに医療系国家資格を所持している方であれば、最短では昼間1年で臨床工学技士の国家試験を受けられますが、専攻科を設置している養成校は全国に10校(2022年10月時点) しかありません。

これから臨床工学技士をめざす方は、こちらの記事もチェックしてみてください。

臨床工学技士・臨床検査技師など医療系の仕事を知り進路を考えよう

今回は、医療系国家資格の臨床工学技士と臨床検査技師の違いについて解説しました。

臨床工学技士と臨床検査技師は、仕事内容や働く場所、年収などに違いがあります。

国家試験を受験するためには各国家資格ごとの養成校に入学しなければいけません。
入学してから後悔しないように、事前にしっかりと違いを理解し、進路先を選択しましょう。

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