
調理師をめざす方のなかには「給料が安いのではないか」と心配する方もいるでしょう。
本記事では、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査に基づき、調理師の平均給料を紹介します。
男女別、規模別、年齢別など、さまざまな切り口から解説していくので、現役の調理師や、これから調理師をめざす方は参考にしてください。
目次
調理師の給料の相場はどのくらい?
調理師の平均年収は、約333万円です。
ここでは、以下の切り口ごとに、調理師の収入について解説します。
- 男女別
- 規模別
- 年齢別
- 経験年数別
- 手取り
- 高卒・見習い
【男女別】平均年収・月収・賞与
調理師における男性の平均年収は約376万円、女性が約274万円でした。
調理師の平均年収・月収・賞与、平均年齢を、男女別に比較すると以下のようになります。
性別 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 | 平均年齢 |
男女計 | 333万円 | 25万円 | 30万円 | 44歳 |
男性 | 376万円 | 29万円 | 31万円 | 44歳 |
女性 | 274万円 | 20万円 | 29万円 | 45歳 |
男性のほうが女性よりも平均月収が高く、年収では約100万円の違いとなっています。
【規模別】平均年収・月収・賞与
企業規模別の調理師の平均年収・月収・賞与は、次のとおりです。
規模 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
10~99人 | 324万円 | 25万円 | 24万円 |
100~999人 | 325万円 | 24万円 | 32万円 |
1,000人以上 | 351万円 | 26万円 | 36万円 |
規模別の年収を比較すると、1,000人以上の企業の平均年収が高くなっています。
平均月収は企業規模の影響をそれほど受けない一方、賞与に関しては企業規模と比例する形です。
【年齢別】平均年収・月収・賞与
年齢別の調理師の平均年収・月収・賞与は、次のとおりです。
年齢別 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
~19歳 | 225万円 | 19万円 | 3万円 |
20歳~24歳 | 266万円 | 21万円 | 16万円 |
25歳~29歳 | 307万円 | 23万円 | 26万円 |
30歳~34歳 | 331万円 | 25万円 | 30万円 |
35歳~39歳 | 359万円 | 27万円 | 35万円 |
40歳~44歳 | 375万円 | 28万円 | 36万円 |
45歳〜49歳 | 381万円 | 29万円 | 38万円 |
50歳〜54歳 | 361万円 | 27万円 | 37万円 |
調理師の平均年収は年齢が上がるほど高くなり、45~49歳がピークとなっています。
【経験年数別】平均年収・月収・賞与
経験年数別の調理師の平均年収・月収・賞与は、次のとおりです。
経験年数 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
0年 | 227万円 | 19万円 | 3万円 |
1~4年 | 272万円 | 21万円 | 22万円 |
5~9年 | 297万円 | 22万円 | 29万円 |
10~14年 | 320万円 | 24万円 | 34万円 |
15年以上 | 363万円 | 27万円 | 40万円 |
経験年数が増えるにしたがって、平均年収が増えていることがわかります。
【手取り】税引き後の給料
調理師の平均給料から、社会保険料や源泉徴収税を差し引くと次のとおりです。
手取り給料 | |
手取り月収 | 209,325円 |
手取り賞与 | 245,676円 |
手取り年収 | 約276万円(209,325円×12+245,810円) |
※ここから住民税が差し引かれます。
給料や差引額の内訳は次のとおりです。
- 年収:約333万円
- 月収:252,400円
- 賞与:299,800円
- 年齢:30代
- 配偶者:独身 一人暮らし
- 年金:厚生年金
- 健康保険:全国健康保険協会
差引額内訳 | ||
月収 | 厚生年金保険料 | 23,790円 |
健康保険料 | 12,753円 | |
雇用保険料 | 1,262円 | |
源泉徴収税 | 5,270円 | |
手取り月収 | 209,325円 | |
賞与 | 厚生年金保険料 | 27,450円 |
健康保険料 | 14,715円 | |
雇用保険料 | 1,499円 | |
源泉徴収税 | 10,460円 | |
手取り賞与 | 245,676円 |
出典:令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|全国健康保険協会
出典:令和4年度雇用保険料率のご案内|厚生労働省
出典:令和4年分源泉徴収税額表|国税庁
【高卒・見習い】平均年収・月収・賞与
高校を卒業して、すぐに調理師となった場合の平均年収・月収・賞与は、次のとおりです。
※年齢19歳以下、調理師経験0年目を高卒・見習い調理師と仮定する
経験年数 | 平均年収 | 平均月収 | 平均賞与 |
〜19歳・0年目 | 210万円 | 17万円 | 1万円 |
調理師の給料の上げ方に関しては、次の章で触れていきます。
調理師の給料を上げる方法
ここでは、調理師が給料を上げるためにできることとして、次の5つの方法を紹介します。
- スキルや経験に応じて昇給や昇格を狙う
- 待遇の良いホワイト企業に転職する
- 給料を上げてもらえないか交渉する
- 資格手当を狙う
- 独立して自分の店を持つ
スキルや経験を積む
経験を積み、調理スキルを高めることで、給料アップを狙えます。
スキルアップのためには、一つのジャンルを突き詰めても良いですし、多様なジャンルを経験する方法も有効です。
自分がなりたい調理師のイメージに近づける方法で、スキルアップを図りましょう。
待遇の良いホワイト企業に転職する
待遇の良い職場に転職することで、収入を上げる方法もあります。
飲食業界でも職場によって待遇の差があり、有名店や規模の大きいホテルであれば、高収入を狙いやすい傾向にあります。
もちろん、待遇の良い職場に就職するためには、それに見合ったスキルが必要です。
給料を上げてもらえないか交渉する
経験やスキル、職場への貢献度を根拠に交渉することで、給料を上げてもらえる可能性もあります。
売上に貢献する新メニューを考案したなど、交渉の場でアピールしやすい実績を作っておくと良いでしょう。
資格手当を狙う
職場によっては、調理に関係する資格を取得することで、資格手当をもらえることがあります。
調理に関係する資格には、調理師免許、管理栄養士、食品衛生管理者などがあります。
独立して自分の店を持つ
独立して自分の店を持ち、成功した場合、大幅な収入アップが期待できるでしょう。
ただし、この方法は失敗したときのリスクも大きいです。
調理スキルだけでなく経営スキルも身につけ、万全の準備のもと挑戦しましょう。
調理師の給料は条件により異なるがアップさせることは可能
調理師は、経験を重ねて調理スキルを高めることにより、給料アップを狙えます。
スキルを磨くことで、現職で給与アップを狙う場合の交渉材料にできたり、より待遇の良い職場に転職できる可能性が高まるなど、収入を増やすための手段も増えてくるでしょう。