公認心理師になるには、実務経験が必要な場合があります。
この記事では、公認心理師の受験資格として、実務経験が必要なケースを紹介します。
経験を積める施設も一覧で紹介しているので、参考にしてください。
また、公認心理師と並んで心理職の資格として広く知られている臨床心理士については、以下の記事で解説しています。
目次
公認心理師の受験資格に実務経験が必要なケース
公認心理師の受験資格は7つの区分に分けられており、そのうち区分Bと区分Fに関しては実務経験が必要です。
ここでは、区分ごとに必要となる実務経験を解説します。
区分Bと区分Fは2年の実務経験が必要
公認心理師の受験資格を区分Bと区分Fの方法で取得しようとする場合は、2年間の実務経験が必要です。
区分 | 方法 |
区分B | 4年制大学で規則で決められた科目を履修 |
区分F | 平成29年9月15日よりも前に、4年制大学で規則で決められた科目を履修または履修中 |
これから大学に通って公認心理師の受験資格を得るケースで、大学院に進まない場合は区分Bの方法で取得することになります。
また、平成29年9月15日以前に4年生大学で指定された科目を履修し、大学院に進まない場合も、公認心理師試験を受けるためには2年以上実務経験が必要です。
区分Cも条件によっては実務経験が必要
区分Cは、外国の大学に進んでいる人などが対象となります。
具体的には、以下の6つに該当するケースが、区分Cの対象としてあげられます。
区分Cに該当する方法 | 実務経験の要否 |
日本の大学で心理系を履修して、外国の大学院に進学 | 不要 |
外国の大学で心理系を履修して、日本の大学院で必要な10科目を履修 | 不要 |
外国の大学で心理系を履修 | 必要 |
外国の大学で心理系を履修して、外国の大学院に進学 | 不要 |
外国の大学院を卒業して外国の心理職資格を取得 | 不要 |
新しい審査対象者 | 必要 |
上記のうち、外国の大学で心理系を履修したのみである場合は、認定プログラム施設で実務経験が必要です。
また「新しい審査対象者」は、公認心理師資格施行前に大学を卒業した場合で、カリキュラムの関係で受験資格取得として必要な科目が履修できなかった人が対象です。
以下3つの条件を満たしている場合は、特例処置として受験資格が認められます。
- 平成29年9月15日より前に4年制大学に入学し、指定される23科目を修めて卒業
- 令和4年3月31日までに大学院に入学し、公認心理師に必要な科目を修めて修了
- 申請日時点で心理的支援業務に1ヵ月以上従事している
上記のとおり、特定の科目履修などに加えて、1ヵ月以上の実務経験も求められます。
対象となる場合は実際に心理職として働いている事業所で、実務経験証明書を発行してもらうことが必要です。
5年以上の実務経験+講習で取れる区分Gの制度は終了
公認心理師の受験資格には、過去には5年以上の実務経験を積んだうえで講習を受けて取得できる区分Gが存在しました。
しかし、令和4年7月17日の第5回公認心理師試験を最後に、現在は終了しています。
今から公認心理師の受験資格を取得するには、少なくとも大学にて心理系の科目を履修することが必要です。
公認心理師の受験資格に必要な実務経験の認定施設一覧
公認心理師の受験資格に必要な実務経験は、指定のプログラム施設での勤務経験に限られます。
現時点では、以下9施設での勤務のみが、実務経験として認められます。
施設名 | 照会先 |
少年鑑別所及び刑事施設 | 法務省矯正局 |
一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院 | 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院 |
裁判所職員総合研修所及び家庭裁判所 | 最高裁判所事務総局家庭局 |
医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ | 医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ |
医療法人社団心劇会 さっぽろ駅前クリニック | 医療法人社団心劇会 さっぽろ駅前クリニック |
学校法人川崎学園 川崎医科大学附属病院 | 学校法人川崎学園 川崎医科大学附属病院 |
学校法人川崎学園 川崎医科大学総合医療センター | 学校法人川崎学園 川崎医科大学総合医療センター |
社会福祉法人風と虹 筑後いずみ園 | 社会福祉法人風と虹 筑後いずみ園 |
社会福祉法人楡の会 | 社会福祉法人楡の会 |
プログラムの内容や応募方法は照会先によって違うので、事前に確認が必要です。
公認心理師の受験資格は実務経験が必要なこともある
公認心理師は4年制大学で指定の科目を履修後、大学院まで進んだ場合は実務経験が不要で試験を受験できます。
しかし、大学院まで進まなかった場合や制度施行前の履修状況などによっては、受検資格として実務経験が求められることがあります。
これから公認心理師をめざす際には、自分がどの区分に該当するかを確認し、状況に合わせて必要な実務経験を積みましょう。