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保育士の休みはどれくらい?有給休暇やその他休みについても解説

「保育士の休みは1年間でどれくらいなの?」
「保育士の公休以外の休みはどのようなものがあるの?」
保育士の仕事は休みが少ないと聞いて、保育士をめざそうかためらっている方も多いのではないでしょうか。

今回は保育士の年間休日日数がどれくらいなのか、他の職業と比べて多いのか少ないのかを紹介します。
年間休日日数に含まれない休暇制度の紹介もしているので、保育士として働きたい方は応募先施設を選択する際の参考にしてください。

保育士の休みは多い?少ない?

保育士の休みは多い?少ない?

保育園は幼稚園とは違い、春休みや夏休みがないため、年間の休日日数が少なく長期休暇も取得しにくいといわれています。

実際、保育士の休みは少ないといえます。
保育士の年間休日日数は、年末年始と夏季休暇の休日を合わせ、100〜110日程度が一般的だからです。

完全週休2日制だとすれば、それだけで年間104日になり、祝日を合わせた休日の日数は110日を超える計算です。
保育士の場合、年末年始・夏季休暇を含めて110日程度の休日なので、保育士の世界では完全週休2日が実現していないことがわかります。

ただし、保育士が働く保育園は公立・私立・認可・認可外などさまざまな業態があります。
施設により預かる日数が異なるため、保育士の年間休日日数にもかなりのばらつきが出るでしょう。

保育士の休みはいつ?平日休みはあるか

多くの保育園が日曜日と祝日を休園日にしていますが、その場合、保育士も日曜日と祝日が休みになります。
日曜日・祝日にも園児を預かっている施設では、求人票を確認して、いつが休日なのか把握しておきましょう。

休日・休暇欄の表記 内容
週休2日制 1ヵ月の間に少なくとも1回は一週間に休みが2日ある
週休2日制(シフト) 1ヵ月の間に少なくとも1回は一週間に休みが2日あるが、曜日は固定されていない
週休2日制(日、祝、他) 日曜日と祝日は確定の休日で、1ヵ月の間に少なくとも1回は月曜~土曜日のいずれかが休日になる
完全週休2日制 毎週2日休みがある
〇週△休制 〇週間に△回休みがある

求人票の休日欄には上表の休日表現がされています。
それぞれ内容が異なるため、休日欄の表記を見て具体的な休日日数がどの程度あるのか、わかったうえで申し込む必要があります。

保育士の公休以外の休日は?

先に紹介した年間休日は「公休」の日数です。
公休とは就業規則上の休日のことです。

ほかにも、保育園ごとに特別に設けている各人の休日や、労働者の権利として取得できる休日があります。
具体的には、次のような休みです。

  • 有給休暇
  • 産休・育休
  • 介護休暇
  • 慶弔休暇
  • リフレッシュ休暇
  • バースデー休暇

上記の休暇のなかでも利用する頻度の高い、有給休暇と産休・育休について詳しく説明します。

有給休暇

公休以外の代表的な休みに有給休暇があります。
有給休暇は自己都合で休んでも給料・待遇に影響しない休暇です。
有給休暇は付与される条件がありますが、正社員として真面目に半年間働けば付与されます。

2020年度の独立行政法人福祉医療機構のアンケート調査によると、保育士の有給休暇平均消化率は以下の結果となりました。

平均消化率 割合
40%未満 18.8%
40%以上60%未満 34.0%
60%以上80%未満 25.5%
80%以上100%未満 18.0%
100%消化 3.6%

上表を見ると8割以上の保育士が、有給休暇を40%以上使用しているのがわかります。
年間で有給休暇を取得した日数は、全国保育協議会の実態調査報告書で以下のとおりとなっています。

平均取得日数 5~9日 10~15日 16~20日 21日以上
公営 57.5% 36.3% 4.0% 1.3%
民営(※) 37.7% 45.7% 13.8% 1.5%

※民営は民設民営の値を使用

保育士の有給休暇の取得日数で最も多いのは、公営施設勤務で5〜9日、民営施設勤務で10〜15日です。
公休と有給休暇を合計して、保育士の年間の休日数は120日前後になります。

産前・産後休業、育児休業

保育士は令和2年4月時点で95%が女性です。
そのため、多くの保育士が産休や育児休業を取得します。
産休は以下の2種類に分けられます。

  • 産前休業:本人が申請すれば取得可能
  • 産後休業:労働基準法により取得が義務付けられている

育児休業は子どもが1歳になるまでを上限に取得でき、子どもが1歳時点および1歳6ヵ月時点で保育園に入所できない場合は延長可能です。
女性が多く働く保育園では、産休・育児休業の取得が可能であると募集要項にも記載されており、取得実績も豊富であるとアピールしている施設もあります。

妊娠・出産時に休みやすい職場であれば安心して働けるので、女性保育士にとって産休・育休が取得できるかどうかは重要です。

保育士の休みは他の職業よりも少ないのか?

保育士の休みが他の職業と比較して多いのか少ないのかを見ていきます。
今回は、保育士の休日数を全国の労働者全体、医療福祉業界の休日数と比較します。
一覧にまとめた結果は下記のようなものです。

項目 保育士 全体平均 医療福祉業界
年間休日 110日 (※1) 116.1日 111.5日
有給休暇取得日数 5~9日 (※2) 10.1日 9.6日

※2 有給休暇取得日数は全国保育協議会の実態調査報告書のデータを使用

他の職業と比べると、保育士は年間休日も有給休暇取得日数も少ないとわかります。
現状、保育士は他の職業に比べて休日が少ない仕事と結論付けて良いでしょう。

保育士の休みは今後取りやすくなるのか?

これまでの説明により、保育士の仕事は休みが少ないとわかっていただけたかと思います。
このままでは保育士の負担が大きすぎるため、厚生労働省は保育士が働く環境の改善に取り組んでいます。
行われている環境改善は以下の3点です。

  1. 給与
  2. 職場環境
  3. 学生支援

保育士の休みに関係があるのは職場環境の改善です。
以下の2点で改善が行われています。

  • 保育補助者を雇用し業務負担の軽減
  • ICT(情報技術)の活用による事務処理の簡易化

保育補助者の雇用の促進や、ICTを導入し事務作業の自動化を行い、保育士一人あたりの業務負担の軽減をめざしています。
保育士の負担が減ると、気兼ねなく休暇の申請ができるようになり、保育士の休日も増えていくものと期待して良いでしょう。

保育士の休みは施設によって異なるため求人票を要チェック

保育士の年間休日日数は一般的に100〜110日程度ですが、施設により公休日が異なり、年間休日日数が110日以上の施設も存在します。
求人票を見て、いつ休めるのか確認することが必要です。

年間休日日数に含まれない有給休暇の取得実績や、産休・育休の取得実績にも要注意です。
年間休日日数が少なくても、有給休暇を年間10日以上取得できていれば、実際の年間休日日数は多くなります。
施設の休日日数を確認し、納得したうえで応募しましょう。

執筆者について

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