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医療事務と調剤事務の違いとは?仕事内容や給料などを比較

医療業界の事務職には、医療事務調剤事務2種類があります。
共通する仕事内容も少なくないので、違いがよくわからない方も多いのではないでしょうか。

今回は医療事務と調剤事務の違いや共通点、それぞれ向いている人の特徴についてご紹介します。
働き始めてからのミスマッチを防ぐためにも、その違いをしっかり理解しておきましょう。

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医療事務と調剤事務の主な違い

医療事務と調剤事務の主な違い

医療事務と調剤事務は働く場所や仕事内容など、さまざまな違いがあります。
主な違いと共通点を確認しておきましょう。

医療事務と調剤事務の特徴を比較

医療事務と調剤事務の違いを明確にするため、それぞれの特徴を表にまとめました。

医療事務 調剤事務
仕事内容 受付業務
会計業務
レセプト業務
クラーク業務
(医師や看護師の補助)
受付業務
会計業務
レセプト業務
薬剤師の補助
医薬品の発注や点検
働く場所 主に病院やクリニック 主に調剤薬局やドラックストア
やりがい・魅力 未経験・無資格でも就職できる
全国どこでも働ける
患者さんから直接感謝の言葉を伝えられることが多い
未経験・無資格でも就職できる
全国どこでも働ける
薬の知識が身につく
給料
(令和3年時点)
一般診療所(個人)
平均給料年度額:2,693,784円
賞与:305,459円
合計:2,999,243円
保険薬局(個人)
平均給料年度額:2,254,557円
賞与:400,348円
合計:2,654,905円
必要な知識・資格 レセプト業務の知識
医療保険制度の知識
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)や診療報酬請求事務能力認定試験など
調剤・投薬に関する知識
レセプト業務の知識
調剤事務管理士

医療事務と調剤事務の大きな違いは働く場所です。

医療事務の主な勤務先は、総合病院や大学病院、診療所、クリニックといった医療機関です。
病院やクリニックの分野・規模にもよりますが、医療全般に関わる事務業務を幅広く担います。

一方、調剤事務の主な勤務先は、調剤薬局や調剤薬局併設のドラッグストアです。
医療事務とは異なり、事務業務では薬(調剤・投薬)に関する知識が主に求められます 。
それぞれ職場が異なるため、仕事内容や給料、必要な知識なども違ってくることを理解しておきましょう。

医療事務と調剤事務の採用時の共通点

医療事務と調剤事務には主に次の3つの共通点があります。

  • 未経験でも就職できる
  • 経験者や有資格者は優遇される傾向にある
  • コミュニケーションの機会が多い

どちらの職種も経験や学歴、資格の有無 は不問の求人がしばしば見受けられます。
そのため、業界未経験者でも働くことが可能です。
しかし、レセプト作成など専門知識が必要な作業もあるので、経験者や有資格者は優遇される傾向があります。

また、医療事務と調剤事務ともに 患者さんとコミュニケーションを取る機会が多い点は共通しています
受付や会計業務では状況に応じた適切な対応が求められます。
その対応次第で病院やクリニック、調剤薬局のイメージを左右するため、マナーや接遇スキルは欠かせません。
飲食店やショップの店員、営業職などで接客を経験している人は、その経験やスキルを活かせるでしょう。

医療事務と調剤事務の仕事内容の違い

医療事務と調剤事務では、仕事内容にも共通する点と異なる点があります。
それぞれ比較しながらみていきましょう。

医療事務の仕事内容

医療事務の主な仕事内容は、次の4つです。

  • 受付業務
  • 会計業務
  • レセプト業務
  • クラーク業務

医療事務は来院した患者さんを最初に応対 する、病院やクリニックの顔となる存在です。
診察券や保険証を預かったりカルテや診察券を発行したりといった受付業務から、診察料を計算して請求する会計業務までを担います。

保険診療における保険者(健康保険組合や市町村など)負担分の診療報酬を、保険者に請求するのも医療事務の仕事です。
この業務をレセプト業務といい、請求に必要なレセプト作成には専門的な知識が必要になります。

入院病床のある大きな病院では、病棟のナースステーションに常駐してクラーク業務を行う場合もあります。
クラーク業務は患者さんやご家族に説明したり質問に答えたりする機会も多いので、自分たちの病院への入院に関する知識が求められます。
患者さんやご家族への入退院の手続きや費用の説明、施設の利用案内、食事伝票の管理、手術・検査スケジュールの管理なども医療事務の仕事です。

医療事務の仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

調剤事務の仕事内容

調剤事務の主な仕事内容は、次の5つです。

  • 受付業務
  • 会計業務
  • レセプト業務
  • 薬剤師の補助
  • 医薬品の発注や点検

調剤事務も、薬を受け取りに来た患者さんの受付や電話応対から、薬代(調剤費用)の計算・支払いといった会計業務までを担います。

調剤事務にもレセプト業務があり、レセプトを作成し、保険者負担分の調剤費用(調剤報酬)を保険者に請求するのも仕事です。

その他、薬剤師の補助や医薬品の発注・点検なども行います。

調剤事務の仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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医療事務と調剤事務の給料の違い

医療事務と調剤事務の給料の違い

仕事をするうえで、医療事務と調剤事務で給料に違いはあるのか、給料がよいのはどちらなのか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、それぞれの給料事情についてみていきましょう。

医療事務の給料事情

医療事務の平均給料は以下のとおりです。

【一般診療所】平均給料年度額:2,693,784円
賞与:305,459円
合計:2,999,243円

参考:第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告

地域や勤務先、役職、勤続年数によって差はありますが、全業種の平均年収と比較してみると医療事務の給料は決して高いとはいえません
ただし、医療事務は職場によって給料にかなり差があります。

上に挙げたのは診療所の平均年収ですが、一般病院の全体平均でみると4,194,328円と高めです。
また、国立病院の場合は4,894,177円、社会保険関係法人の病院の場合は5,340,656円など、大きく差があります。

調剤事務の給料事情

調剤事務の平均給料は以下のとおりです。

【保険薬局】平均給料年度額:2,254,557円
賞与:400,348円
合計:2,654,905円

参考: 第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告
地域や勤務先、役職、勤続年数によって変動しますが、調剤事務は医療事務と比較して給料が低めでした。
また、医療事務と異なるのは、職場ごとで給料に大きな差がないことです。

店舗数別に平均年収を比較してみると、1店舗の場合が2,503,921円であるのに対し、2~5店舗は2,671,350円、6~19店舗は2,633,958円、20店舗以上の場合でも2,681,930円です。
施設の規模によって給料があまり変わらないことがわかります。

医療事務・調剤事務に必要な知識や資格の違い

医療事務・調剤事務に必要な知識や資格の違い

医療事務と調剤事務は、どちらも未経験・無資格で就ける仕事です。
しかし、即戦力として働きたいなら、資格の勉強などをして必要な知識を身につけているほうが有利です。
それぞれどのような知識や資格があるとよいのでしょうか。

医療事務に必要な知識・資格

医療事務として即戦力になるには、レセプト業務や医療保険制度、診療内容に関する知識が求められます。

レセプトは、レセコン(レセプトコンピュータ)に診療情報を入力することで自動的に作成されますが、入力に誤りがあると正確に作成できません。
入力を正確に行うため、あるいは入力された内容が正しいかを判断するためには、診療報酬に関する知識や、病名と整合性があるかを判断するための診療内容に関する知識などが必要です。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」や「診療報酬請求事務能力認定試験」などの資格試験の勉強をすれば、医療事務全般の業務や診療報酬請求事務能力といった必要な知識を身につけられます。
医療事務の資格については以下の記事をご参照ください。

調剤事務に必要な知識・資格

調剤事務として即戦力になるには、調剤や投薬に関する知識とレセプト作成に関する知識を身につけましょう。
薬を扱う場所で働くことになるので調剤や投薬に関する基本的な知識は欠かせません。
また、調剤事務はレセプトを作成することから、レセプト業務についての専門知識も求められます。

調剤事務に必要な知識を付けるには、「調剤事務管理士」という資格の勉強がおすすめです。
試験勉強を通じて、処方箋の受付から会計、保険請求分のレセプト作成など、調剤事務に必要な知識や技術を習得できます。
調剤事務管理士について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

医療事務と調剤事務はどちらがおすすめ?

医療事務と調剤事務はどちらがおすすめ?

医療事務と調剤事務のどちらで働くか悩んでいる方は、自分の性格や強みから選ぶとよいでしょう。
それぞれどのようなタイプの人が向いているでしょうか。

医療事務の仕事が向いている人

医療事務に向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 患者さんを気遣ったコミュニケーションを取れる人
  • 几帳面なタイプの人
  • 臨機応変に対応できる人

体調が優れず不安を抱えた患者さんは、受付の些細な対応にも敏感になりやすく、待ち時間にもストレスを感じやすい状態かもしれません。
医療事務には、患者さんを気遣いながら、一人ひとりの状態に応じた適切なコミュニケーションを取れる人が向いています。

また、患者さんの個人情報を扱ったりレセプト業務や会計業務を行ったりするため、丁寧で正確な仕事ができる几帳面な人がよいでしょう。

病院やクリニックにはさまざまな人が訪れますが、ときには緊急性の高い患者さんが来院するかもしれません。
医療事務は患者さんを医療スタッフにつなげる役割を担うため、どのような患者さんにも臨機応変に対応できる人が向いています。

調剤事務の仕事が向いている人

調剤事務に向いている人の特徴は以下のとおりです。

  • 慎重で几帳面な人
  • チームワークが得意な人
  • パソコンスキルがある人

調剤事務は会計やレセプト作成、入金管理など、数字の入力や記録業務が多いので正確性が求められます。
そのため、慎重で几帳面な人が向いています。

また、薬剤師やほかのスタッフと連携が必要な仕事も少なくありません。
職場スタッフとのコミュニケーションをしっかり取れて、チームワークを大切にできる人が向いているでしょう。

調剤事務には、レセプト作成や会計業務でパソコンスキルも必須です。
パソコンの基本操作や書類作成などのスキルがあれば、業務に活かせるでしょう。

医療事務と調剤事務、それぞれの特徴を理解して選択しよう

医療事務と調剤事務、それぞれの特徴を理解して選択しよう

今回は医療事務と調剤事務の主な違いについて紹介しました。
それぞれ職場や仕事内容、給料、仕事に必要な知識や資格などに違いはありますが、未経験でも就職できたり、患者さんとコミュニケーションを取る機会が多かったりするのは共通です。

専門知識が必要となる業務もあるので、まずは資格取得に向けた勉強 をして、自分に向いていると思ったほうを選べばよいでしょう 。

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