医療事務は、患者さんへの対応から専門的なレセプト業務まで担当し、多くの医療機関で活躍しています。
医療事務の知識や資格を中心に学んでいる専門学校生が就職を目指す際、履歴書の志望動機にも相応の内容が求められます。
では、医療事務の専門学校生が志望動機を書くときには、どのような点を注意すればよいのでしょうか。
今回は、具体的な例文を交えながら、専門学校生向けの医療事務の志望動機を書く際に押さえておきたいポイントを解説します。
こちらの記事では、医療事務の志望動機の書き方・例文について紹介しています。
経験や資格の有無など経歴別にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
医療事務の専門学校生の志望動機の例文
まずは、医療事務の専門学生が志望動機の例文をご紹介します。
どういったポイントを軸に作成しているか記載しておりますので、具体的なイメージをつかむためにお役立てください。
<ポイント:医療事務の専門学校に入学したきっかけからの志望動機>
私は将来医療事務として働きたいと思い、高校卒業後に医療事務の専門学校へ進みました。
そのきっかけとなったのは、祖父が最期までお世話になった病院の医療事務の方の姿です。
祖父を看取るために夜中の病院へ駆けつけたのですが、母が最後の手続きをする間に待合室で待っていた私に優しく語りかけてくれたり、手続きに戸惑う母に丁寧に説明してくれたりなど、とても親身になってくださいました。
地域の医療機関となっている貴院は、いざというときの拠り所として多くの人を支えていることと思います。
私もこれまで学んできたスキルを貴院で活かし、昔お世話になった医療事務の方のように、最期まで寄り添えるよう勤めて参りたいと思っています。
<ポイント:その職場を選んだ理由からの志望動機>
私が貴院を志望したのは、以前こちらでお世話になったことがきっかけです。
私は幼少時代体が強くなく、近所の個人病院では十分なケアができないという理由で、貴院に通院していたことがあります。
住んでいる場所から離れており、体調不良もあって心細かったのですが、そのときに気を遣ってくださったのが医療事務の方でした。
大きな病院なので忙しいはずなのですが、その方はいつも笑顔で挨拶をしてくださり、少しでも具合が悪そうだったら横になれるようお世話をしてくださりました。
大きな病院でも細部にまで目を配るその姿は、今でも尊敬し憧れています。
体も丈夫になり専門学校で学んだ今、今度は私が貴院で医療事務として働き、多くの患者さんを支えていけたらと思っています。
<ポイント:医療事務で働く理由とそのやりがいからの志望動機>
私が医療事務という職種を選んだのは、医療という現場で患者さんとの架け橋になることに魅力を感じたからです。
私はこれまで専門学校で医療事務について学んできましたが、医療事務の仕事とはレセプトなどの事務作業はもちろんのこと、医師や看護師、患者さんのサポートを行うことだと思いました。
直接的な医療行為こそありませんが、病院の顔として患者さんを出迎え、医師や看護師の医療行為を正確に記録し、多くの人が笑顔で過ごせるよう業務することにやりがいを感じています。
貴院は地域に密着している病院で、多くの人の健康を支えていることと思います。
私がこちらに入職できた際には、貴院と多くの患者さんの笑顔を守れるサポーターとして勤めたいと思っています。
職場を選んだ理由ややりがいなどの内容は、専門学生の方だけでなく、新卒の方でも書きやすいでしょう。
ゼミや部活動といった学生時代の経験や自分の志など、新卒向けの志望動機の例文・書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。
専門学校生が医療事務の志望動機を書くときのポイントは?
専門学校生が医療事務の志望動機を書くときには、その知識や経験をもとに、内容を掘り下げて書くことが大切です。
具体的にどのようなことを書けばいいのか、志望動機を書くときのポイントを押さえておきましょう。
専門学校で得た知識・資格に関する内容を盛り込む
最初にアピールするべき点は、専門学校だからこそ学べた知識や資格です。
医療事務の求人には資格や知識・経験を求められないケースもあり、未経験者から医療事務に就職する人も少なくありません。
しかし、専門学校生は医療事務に関する知識がすでにあります。
卒業までに資格を取得している人もいるので、同じ未経験者でも面接でアピールできる内容には差があるでしょう
専門学校で学んだ知識や資格を志望動機に盛り込めば、採用される可能性は高いです。
専門学校に入学したきっかけなども含め、将来的な目標を伝える
専門学校へ入学したきっかけや将来の目標も重要なアピールポイントです。
そもそも「医療事務の専門学校へ入学した」ということは、最初から何か目標があって進路を選んだのではないでしょうか。
つまり、専門学校へ入学したきっかけから書き出せば、自然に「こうなりたい」という目標につながる志望動機になります。
入学時にはっきりしたきっかけがなくても、学んでいくうちに目標がはっきりしてきたのなら、その点をアピールすると効果的です。
医療事務の専門学校を選んだきっかけから目標まで、一連の流れをよく考えてアピールポイントを絞ってみましょう。
実習の経験で学んだことも書く
医療事務の専門学校で実習を経験した人は、そこから得た体験や感想を志望動機に盛り込むのもよいでしょう。
実習経験は専門学校生でないと得られないものです。
未経験から医療事務の仕事を始める方の中には、就職前のイメージと実際の仕事内容にギャップを感じて転職してしまう人も少なくありません。
実習とはいえ、実際に仕事をした経験は採用担当者に好印象を与えます。
なぜその職場で医療事務として働きたいのか理由を明確にする
医療事務の専門学校生が志望動機を書くときは、「なぜ医療事務で働きたいのか」という理由を明確にすることも大切です。
事務職という職種は多くの企業にありますが、医療事務はそのなかでも特殊な部類にあたり、一般的な事務職とは異なります。
また、数ある医療事務の求人から志望する医療機関を選んだ理由も必ず添えるようにしてください。
医療事務の勤務形態は医療機関によって異なります。
業務内容はほとんど変わりませんが、その医療機関を選んだ理由はあるのではないでしょうか。
自分自身が持っているスキルや資格を説明し、志望した医療機関でどのように活かしたいのか、具体的な展望や将来に向けての姿勢をアピールしましょう。
専門学校生が志望動機を書くときのNGポイント
医療事務の志望動機を書く際には、避けるべきポイントについても考慮しなければなりません。
どのような点に気をつければよいのか、志望動機を書くときのNGポイントについて詳しくみていきましょう。
その医療機関の理念に沿っていない
医療機関には、一般の会社と同様にそれぞれ理念があります。
その理念に沿っていない志望動機を書いてしまうと、書類選考の段階で採用を見送られるかもしれません。
医療機関の理念と志望動機がかけ離れている内容は避けましょう。
志望動機はあなた自身の考え方そのものです。
その内容と理念にズレがあるというのは、そもそも就職先として適切ではない可能性があります。
志望動機を書く段階で、その医療機関が就職先として適切なのかをよく考えるようにしましょう。
強みを活かした内容になっていない
強みを活かした内容になっていない志望動機は、アピール力が弱く採用を見送られる可能性があります。
医療事務の専門学校生の強みとは、「すでに専門知識を得ていること」「実習による経験があること」「資格を持っていること」などです。
これらは専門学校生ならではの強みであり、これを志望動機に書くことで採用担当者の目に止まりやすくなります。
しかし、自分が活かしたい強みとその方向性が合ってないと、上手にアピールできません。
「強み=アピールポイント」であることを理解し、志望動機にふさわしい内容を書くようにしましょう。
給与などの待遇の良さだけで選んだことがあからさま
給与面に重きを置いてその病院を選んだとしても、それをあからさまに伝えるような志望動機は避けましょう。
給与や待遇のよさは魅力の一つですが、それだけで選んだと思われると採用側の印象はよくありません。
給与や待遇のよさで選ぶこと自体は悪いことではありませんが、あからさまに志望動機として書く必要はないでしょう。
スキルや経験など、強みとなるアピールポイントに重点を置くことをおすすめします。
専門学校で学んだスキルを志望動機で的確に伝えよう
医療事務の専門学校で得た知識や資格は、専門学校生としてのあなたの強みです。
どのようなことを学んだか、将来的にどのようになりたいのかを具体的に記載すれば、立派なアピールポイントになるでしょう。
今回取り上げた志望動機の例文は、あくまで一例にすぎません。
専門学校へ進むきっかけや学んだ内容を振り返れば、あなた自身のアピールポイントがきっとあるはずです。
例文は参考にとどめ、自分の言葉で志望動機を書いてみましょう。
また医療事務の面接では、志望動機のほか自分の強みやこれまでのキャリアについて質問される場合が多いです。
面接でよく聞かれる質問や回答例について知りたい方は、以下の記事をご参照ください。