
臨床検査技師は、医療現場において欠かせない専門職です。
患者さんの健康状態を正確に把握し、適切な治療につなげるための重要な役割を担っています。
そして、この職業に就くためには、特定の資質や能力が求められ、国家資格の取得も必要です。
本記事では、臨床検査技師に大切なことや、なるために必要な資格について詳しく解説します。
臨床検査技師をめざす方はもちろん、医療職に興味のある方にとっても参考になる情報が満載です。
ぜひ最後までお読みください。
目次
臨床検査技師に大切なこと
臨床検査技師には、さまざまな資質や能力が求められます。
医療の現場で重要な役割を果たすため、以下に挙げる6つの要素が特に大切です。
それぞれの要素について、詳しく見ていきましょう。
手先の器用さ
臨床検査技師の仕事において、手先の器用さは非常に重要です。
病理標本や血液標本の作製、検体の分注などは人の手で行うことも多いため、繊細な作業を正確にこなせる能力が求められます。
また、臨床検査技師の業務には採血も含まれます。
細い血管にピンポイントで針を刺す必要があるため、高度な技術と集中力が必要です。
よって、手先が器用な人は、この職業に向いているといえるでしょう。
勉強熱心であること
医学の分野は日々進歩しており、臨床検査技師も常に新しい知識や技術を学び続けることが求められます。
最新の検査方法や医療機器の操作方法を習得し、より正確で効率的な検査を行うことが期待されているのです。
そのため、もっと学びたいという意欲がある人は、臨床検査技師に向いています。
黙々と作業できること
臨床検査技師の作業の多くは、一人で黙々と作業をすることも多いです。
特に検体検査室での業務は、長時間顕微鏡を覗き込んで検査を行ったり、次々とディスプレイに表示される患者さんの検査結果を一つひとつ確認したりなど、非常に集中力を必要とします。
また、検体検査室にはさまざまな検査機器が置かれており、機器の駆動音やエラーが出たときのアラーム音などが常に鳴り響いています。そのため、周りが騒がしい状況でも集中力を切らさず、黙々と作業ができる人が向いているといえます。
コミュニケーション能力の高さ
医療現場では、同じ検査部のスタッフをはじめ、医師や看護師などさまざまな職種のスタッフとチームを組んで患者さんの治療にあたります。
そのため、一人で作業することも多い臨床検査技師においても、高いコミュニケーション能力が求められます。
例えば、医師から検査結果について説明を求められた場合は、どうしてその結果に至ったのか経緯を正確に伝え、納得してもらう必要があります。
また、採血や心電図など患者さんと接する機会がある検査の場合は、どのような検査なのかわかりやすく説明し、少しでも患者さんの不安を取り除くことが大切です。
的確な観察力や判断力
臨床検査技師には、鋭い観察力と正確な判断力が求められます。
患者さんから採取した検体や、検査機器で撮影した画像は、患者さんの見えない不調を「見える化」する大切な要素です。注意深く観察し、わずかな異常も見逃さない姿勢が大切です。
もし、集中力を欠いて異常を見逃してしまうと、医師に正しいデータを伝えることができないばかりか、医師の誤った判断を招き、患者さんの命に関わることもあります。
そのため、常に緊張感を持って業務に臨み、細部まで注意を払う必要があります。
忍耐力
臨床検査技師の仕事には、忍耐力が求められます。
例えば、特殊な検査の場合だと、一つの検体から結果を導き出すのに時間がかかることもしばしばで、その間は周りに目を配りつつも、常に様子を確認しなければなりません。
また、地味な作業をひたすら繰り返すことも多いので、根気も求められます。
このように、常に質の高い検査結果を提供するためには、長時間の業務に耐えるだけでなく、どれほど困難な状況でも、根気強く取り組む忍耐力が臨床検査技師には欠かせない資質といえるでしょう。

臨床検査技師になるために大切な資格
臨床検査技師として働くためには、国家資格である「臨床検査技師」の取得が必須条件です。
この資格を取得するには、臨床検査技師国家試験に合格する必要があり、国家試験を受験するためには、指定された教育機関を修了する必要があります。
具体的には、大学や短大、専門学校などの臨床検査技師養成機関を卒業することが一般的です。
また、大学の獣医学部や薬学部で厚生労働大臣の指定する科目を修めた者、大学の医学部や歯学部を卒業した者も受験資格を得ることができます。
臨床検査技師国家試験は年1回行われます。
試験内容は、専門的な知識や技術を問う問題が出題されるため、十分な準備が必要です。
合格後は、厚生労働大臣の免許を受けることで、晴れて臨床検査技師として働くことができるようになります。
臨床検査技師に大切なことや資格を知って参考にしよう
臨床検査技師は、医療現場において重要な役割を担う専門職です。
この職業に就くためには、手先の器用さや勉強熱心な姿勢、黙々と作業を進める能力など、さまざまな資質が求められます。
同時に、高いコミュニケーション能力や的確な観察力、忍耐力も必要不可欠です。
これらの要素を総合的に兼ね備えることで、より優れた臨床検査技師として活躍できるでしょう。
また、臨床検査技師になるためには、国家資格の取得が必須条件となり、そのためには指定された教育機関で学び、国家試験に合格することが必要です。
これらの情報を参考に、自分の適性を見極めながら、臨床検査技師という職業について考えてみてはいかがでしょうか。