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臨床検査技師とは?仕事内容やできることをわかりやすく解説

医療業界で働きたい方のなかには、臨床検査技師の仕事について知りたい方もいるでしょう。
臨床検査技師は、患者さんの症状を詳しく知るために、医師からの指示を受けてさまざまな検査を行う医療従事者です。

この記事では、臨床検査技師の仕事内容や役割、年収、できることなどを解説します。
臨床検査技師をめざしている方はぜひ参考にして、実際に働くイメージをつかんでください。

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臨床検査技師とはどんな仕事?

まずは、臨床検査技師とはどのような仕事なのかを知ることが大切です。
以下の3つを紹介するので、参考にしてください。

  • 臨床検査技師の役割
  • 臨床検査技師の平均年収
  • 臨床工学技士との違い

では、それぞれを見ていきましょう。

臨床検査技師の役割

臨床検査技師の役割は、医師の指示に従って患者さんの検査を行うことです。
医師は患者さんを診察し、病気の診断や治療の方針を決めるために、臨床検査技師に検査を依頼します。
臨床検査技師は検査を実施し、結果を医師に報告します。

その他、患者さんへの検査の説明や、検査機械が正常に動くためのメンテナンスも、臨床検査技師の仕事です。

また、臨床検査技師はチーム医療の一員としての役割もあります。
チーム医療とは、専門性を異にするさまざまな医療従事者が、お互いに連携しながら治療に取り組む体制のことです。
厚生労働省によるチーム医療の推進に関する検討会においては、次のように説明されています。

チーム医療とは、「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と一般的に理解されている。

厚生労働省:チーム医療の推進に関する検討会

臨床検査技師もチーム医療の一員として、医師や看護師、薬剤師などと連携しながら、患者さんの治療に取り組んでいきます。

臨床検査技師の平均年収

令和4年賃金構造基本統計調査によると、臨床検査技師の平均年収は508.9万円となっています。
令和3年賃金構造基本統計調査では496.5万だったため、10万円以上アップしていることがわかります。
ただし、年収は企業規模や地域などによっても左右されるため、自分の年収と平均年収が合わないと感じることもあるかもしれません。

臨床検査技師の年収については、次のページで詳しく紹介しています。
年収に興味のある方は、ぜひご確認ください。

臨床工学技士との違い

臨床検査技師と似た名称の職業である臨床工学技士を、混同してしまう人もいるかもしれません。
名前が似ているとはいえ、両者の業務内容や働き方は異なります。

臨床検査技師は医療機関で専門的な検査を行うのが仕事で、主に検体検査と生理機能検査を行います。
一方で、臨床工学技士は生命維持管理装置などの医療機器の操作・メンテナンスが主な仕事です。

また、病院によって夜間勤務や休日出勤がある臨床工学技士に対して、臨床検査技師は残業が少ないのも違うところです。

臨床工学技士と臨床検査技師の違いについて、より詳しく知りたい方は、次のページを参考にしてください。

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臨床検査技師の具体的な仕事内容

臨床検査技師の具体的な仕事内容

臨床検査技師の仕事内容は、臨床検査技師に関する法律によって以下のように定められています。

一 採血を行うこと
二 検体採取を行うこと
三 第二条の厚生労働省令で定める生理学的検査を行うこと
四 前三号に掲げる行為に関連する行為として厚生労働省令で定めるものを行うこと

出典 厚生労働省:臨床検査技師等に関する法律

法律と照らし合わせると少し難しく感じますが、主に行う検査としては検体検査と生体検査の2種類に大別できます。

検体検査

検体検査とは、医師の指示に従って患者さんの血液や尿、便、組織など必要な検体を取って検査することです。

検体検査の項目は多岐にわたりますが、そのうちの一部を下記に紹介します。

検体検査とその内容

検査の種類 検査の内容
一般検査 尿や便、体腔液(胸水や腹水など)を調べ、病気の診断を行う
血液学的検査 赤血球や白血球など血液中に含まれる成分を観察し、貧血や炎症などの程度を確認する
病理学的検査 病巣から採取した組織や細胞などから、良性・悪性などを判断する
生化学的検査 血液中の成分を分析し、病気の診断を行う
遺伝子検査 細胞に含まれるDNA・遺伝子を調べて、生まれつきの体質や異常を検査する
免疫血清学的検査 抗原や抗体の有無や量を調べ、病気の診断にもちいる

検査室にこもって長い間検査をすることもあるため、黙々と作業することが好きな方は臨床検査技師に向いているかもしれません。
ただし、他の医療従事者や患者さんと関わる場面も多いため、ある程度のコミュニケーション能力も必要です。

生体検査

生体検査とは、聴力検査や呼吸器検査など、患者さんの体を直接検査することです。
生理機能検査ともいいます。

生体検査には多くの項目がありますが、ここではその一部を紹介します。

生体検査とその内容

検査の種類 検査の内容
MRI検査検査 体の臓器や血管を撮影して異常を調べる
超音波検査 超音波を利用して血管や臓器の動きを把握したり、がんの部位や大きさを見たりする
呼吸機能検査 スパイロメトリーという機械を使って、肺活量や起動障害の程度などを検査する

臨床検査技師が担う仕事について、より詳細に知りたい方は下記の記事を参照してください。

検査試薬の在庫管理

検体検査で使われる試薬は、とても重要なものです。
血液検査などの自動分析装置などにも試薬が使われていますが、分析項目によって種類が異なるので注意が必要です。
多岐にわたる試薬の在庫管理を徹底し、ミスなく使用できる環境を整えることも、臨床検査技師の大切な役割となります。

試薬作成

検体検査では通常では調べられない内容が発生したり、特別な病気が疑われたりするケースがあります。
特別な病気の恐れがある場合は、自ら試薬を作成して検査を行わなければなりません。
そのため、臨床検査技師には、ただ用意された試薬を使用するのではなく、作成するための化学知識が求められます。

臨床検査技師はさまざまな職場で働いています。
就職先を詳しく知りたい方は、次のページを参考にしてください。

臨床検査技師にできること

実は、臨床検査技師だけができることというものはありません。
臨床検査技師とは名称独占資格であり、業務独占資格ではないためです。

臨床検査技師と名乗るには資格の取得が必要ですが、検体検査は無資格の人が行っても問題ないのです。
生理機能検査においては無資格者が行うと保健師助産師看護師法違反になりますが、診療放射線技師法の違反には該当しません。
そのため、看護師や診療放射線技師、視能訓練士も生理機能検査を行うことが可能です。

また、医療業界でも自動化が進んでおり、臨床検査技師の仕事は減少しています。
ただし、人間にしかできない検査業務もあるため、今後も専門知識を活かし、機械が苦手な分野の専門性を磨いていくことが大切です。

臨床検査技師の仕事を理解して就業を目指そう

今回は、臨床検査技師の仕事、役割、年収、臨床工学技士との違い、できることなど、幅広く紹介しました。
臨床検査技師が何をする職業か、理解できたのではないでしょうか。

臨床検査技師がすることを理解することは、仕事を選ぶうえでとても大切なことです。
もし臨床検査技師をめざすことに決めた場合は、以下のページ「臨床検査技師になるには」をぜひ読んでみてください。

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