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助産師と看護師の違いは何?資格取得から求人数まで解説

助産師や看護師の仕事に関心があり、将来いずれかになりたいと考えている方もいるかと思います。
助産師や看護師の国家試験を受験して、資格取得をめざしたいという方もいるでしょう。

この記事では、資格取得の違いはもちろん、それぞれの業務内容や勤務形態、求人数まで、助産師と看護師の違いを詳しく解説します。
また、妊婦さんやご家族が、医療の現場において助産師と看護師を見分ける方法もご紹介します。

ぜひ参考にしてみてください。

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助産師と看護師の資格取得までの違い

助産師と看護師の資格取得までの違い

助産師と看護師では、資格取得までの道のりが大きく異なります。
助産師資格の取得方法と、看護師資格の取得方法に分けて、詳しく説明します。

助産師の資格を取得するには

助産師になるためには、看護師資格と助産師資格の両方を取得しなければなりません。
どちらの資格を取得するにも、まずは国家試験の受験資格をクリアする必要があります。

助産師になるためのルートはいくつかありますが、国家試験に合格して看護師資格を取得したあとに、大学院や助産師養成学校であらためて学び、助産師国家試験の受験資格を得るのがルートの一つです。

もしくは、助産師養成カリキュラムのある4年制看護大学に進学し、看護師資格と助産師資格の両方を取得するルートもあります。

ただし、助産師養成カリキュラムのある大学に進学したとしても、履修には選抜試験で一定の成績を修めるなどの条件がある場合が多いので注意が必要です。

助産師国家試験の受験には、看護師資格の取得が条件になります。
いずれのルートに進んでも、助産師国家試験を受けるためには必ず事前に看護師資格を取得しなければならないため、助産師をめざす場合は、看護師と助産師の両方の知識を習得しなくてはなりません。

看護師の知識に加えて、助産師の知識を学ぶ必要がある分、助産師をめざすほうが難易度は高くなります。
看護師は最短3年で資格が取得できますが、助産師資格を取得するためには最短で4年かかります。

看護師の資格を取得するには

厚生労働大臣指定の看護系学校で3年以上学ぶと、看護師国家試験の受験資格が得られます。

高校卒業後に、4年制の看護系大学をはじめ、3年制の看護系短大や看護専門学校で学んだあとに、国家試験に挑戦することになります。
あるいは、看護系の高校に進学し5年間のカリキュラムを修了しても、看護国家試験を受験 可能です。

看護師国家試験に合格すれば、看護師資格を取得できます。
看護師として働くのに必要なのは看護師資格のみであるため、最短3年で看護師として働きはじめられます。

助産師と看護師の業務内容の違い

助産師と看護師の業務内容の違い

助産師と看護師が担う仕事には、どのような違いがあるのでしょうか。
医療現場でのそれぞれの業務内容を詳しく解説します。
また、妊婦さんやご家族の立場から、病院で働く助産師と看護師をどう見分けたら良いかもご紹介します。

助産師の業務内容

助産師は、出産時と産前産後に、母子のサポートをする専門職です。
赤ちゃんを取り上げる分娩の介助はもちろん、産前の妊婦健診や産後の生活指導などを行い、新生児の健康管理も担います。

例えば、妊婦の健康管理や食事、運動指導、産後の母子への母乳指導なども助産師の仕事です。
また、正常分娩であれば医師の指示なしで、自分の判断で助産介助ができるのも助産師の特徴です。

助産師と似た役割を担う職業に、保健師や医師があります。
助産師が妊産婦や褥婦、新生児に限定してケアを提供するのに対して、保健師はすべての人を対象に幅広くケアするのが異なる点です。
一部業務が重なる部分はありますが、ケア対象が違うため、助産師と保健師では全体の仕事内容が大きく異なります。

医師と助産師は、いずれも分娩を扱う点で似た役割を果たします。
助産師が扱うのは正常分娩に限られますが、医師は正常分娩だけではなく、帝王切開などの分娩にも対応可能です。

看護師の業務内容

看護師の主な仕事は、けがや病気をした患者さんの診察補助や療養サポートで、その業務内容は多岐にわたります。
医師の指示で作業をするため、看護師の判断で診察や治療はできません。

また、産科の看護師は妊産婦のケアを行いますが、分娩介助などの助産行為は行えません。
あくまでサポートとして医師や助産師の指示に従うことしか認められていないのです。

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助産師と看護師の勤務先・勤務形態の違い

助産師と看護師の勤務先・勤務形態の違い

続いて、助産師と看護師の勤務形態の違いを説明します。
将来、看護師になるか助産師になるかで迷っている場合は、どちらがより大変かも気になる点かもしれません。
助産師と看護師、それぞれの勤務形態と業務の大変さを見ていきましょう。

助産師の勤務先・勤務形態

助産師の勤務先は、病院やクリニック、保健所、助産院、地方公共団体、企業 などです。

総合病院で働く場合、出産のスペシャリストとして産科や産婦人科に所属し、科の異動はほぼありません。
クリニックの場合でも、産科や産婦人科のクリニックに所属することになります。

出産はいつなんどき起こるかわからず、どのくらいの時間がかかるかも、個人差があり一概にはいえません。
また、産前に緊急対応をしなければならないケースもあります。
そのため、助産師の勤務時間は不安定になりやすく、残業が発生するケースもあります。

助産師は開業権を持っているため、独立して助産院の開業も可能です。
その場合は、自身が助産院の管理者として責任を負うことになります。

助産院には分娩を担う施設と産前産後のケアのみを行う施設がありますが、いずれも地域密着型の施設となるため、助産師として地域に貢献できるでしょう。

看護師の勤務先・勤務形態

看護師の勤務先は、助産師と比べてより幅広いのが特徴です。

病院やクリニックに加え、訪問看護ステーション、企業の健康管理室、助産施設、介護老人保健・福祉施設、在宅介護支援センター・デイサービスセンター、保健所、地方公共団体など、看護師が求められる場は多岐にわたります。

助産師とは違い、看護師は内科や外科、小児科など、病院内のさまざまな科に配属される可能性があり、院内での異動もありえます。
赤ちゃんや子どもが好きで看護師になったとしても、まったく違う業務に就かなければならないケースもあると覚えておきましょう。

もちろん、産科や産婦人科に所属するケースもあり、赤ちゃんとママのサポートなどの業務に就ける場合もあります。

分娩に関わらない看護師の勤務時間は、助産師よりもシフトに忠実なことが多い傾向にあります。
しかし、救急病棟などに所属すると、助産師同様に勤務時間は不安定になりがちです。

助産師と看護師ではどちらが大変?

助産師と看護師では、どちらにも大変な部分があります。
単純に勤務形態のみを比較すると、急な陣痛や出産などに対応する分、時間的に不確定要素が多い助産師のほうが大変だといえるでしょう。

看護師はいろいろな科に複数人いるのに対し、助産師は産婦人科に少数のみが所属していることがほとんどです。
院内で人数が限られる助産師は代わりが多くないこともあり、仕事が大変になる要因といえます。

助産師と看護師の求人数の違い

就職の面からも助産師と看護師の違いを見てみましょう。
以下にハローワークの助産師と看護師の求人数を紹介します。

求人数 助産師 看護師
正社員 282件 25,113件
パート・アルバイト 189件 17,849件
契約社員 47件 2,580件
合計 518件 45,542件

※2022年6月21日時点

助産師と看護師の求人数を確認したところ、助産師が518件、看護師が45,542件で、看護師の求人数は助産師の約90倍でした。

この結果だけを見ると、助産師より看護師の需要が大きく、看護師をめざしたほうが就職しやすいと感じるかもしれません。

実際、日本看護協会の看護統計資料によると、2019年の看護師就業者数は1,272,024 人、助産師就業者数は40,632人 で、約30倍の開きがあります。

看護師は産婦人科以外の科でも必要とされるため、求人数が多くなります。
とはいえ、看護師資格を持つ人に比べ、助産師資格を持つ人は限られるので、助産師の求人倍率は抑えられる傾向にあります。
就業者数と求人数を考えると、一概に助産師は就職が難しいとはいえないでしょう。

助産師と看護師の違いを理解して自分に合ったほうを選ぼう

この記事では、助産師と看護師の違いを詳しく紹介しました。
それぞれの仕事に必要な資格をはじめ、業務内容や勤務形態など、助産師と看護師にはさまざまな違いがあります。

助産師として働くためには助産師資格が必要であり、助産師資格を得るためには看護師資格が必須です。
助産師になりたいと思いながらも迷いがあるなら、まずは看護師資格の取得をめざしてみるのも良いでしょう。

助産師になるためのルートは一つではありません。
ここで紹介したそれぞれの職業の特性や資格取得ルートなどを確認し、自分にぴったりな道を選びましょう。

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