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クリティカルケア認定看護師とは?役割やなり方について解説

この記事の監修者
ゆみさと
【資格】
看護師

【プロフィール】
岩手県立大学看護学部を卒業後、血液内科・乳腺外科混合病棟にて勤務し、その後、透析クリニックに転職。
現在、看護師として働きながら、医療関係を中心にライターとしても活動中。

医療の現場で、生命の危機に直面している患者さんを支える重要な存在がいます。
それが「クリティカルケア認定看護師」です。

クリティカルケア認定看護師の役割や、なるための方法を知ることで、看護師としてのキャリアの可能性が広がるかもしれません。
高度な知識と技術を持ち、患者さんの命を守るために日々奮闘しているこの専門職について、詳しく見ていきましょう。

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クリティカルケア認定看護師とは

クリティカルケア認定看護師とは

クリティカルケア認定看護師は、生命の危機に直面した患者さんに対して、専門的な知識を活かした質の高い看護を提供できる看護師のことを指します。
日本看護協会によって定められたこの資格は、クリティカル分野において600時間以上の専門教育を受け、熟練した知識とスキルを有すると認定された看護師に与えられます。

「クリティカルケア」とは、侵襲の大きな手術や外傷など、生命の危機に直面している患者さんに実施する看護ケアのことです。
主に病院の集中治療室や急性期病棟などで提供されています。

2021年に、既存の認定分野であった「救急看護」と「集中ケア」が統合され、「クリティカルケア」分野として新たに誕生しました。
この統合により、より包括的な急性期看護の提供が可能となっています。

クリティカルケア認定看護師の役割・仕事内容

クリティカルケア認定看護師には、専門的な知識を活用して「実践」「指導」「相談」の3つの役割を果たすことが求められています。
クリティカル分野において、これらの能力を最大限に発揮することが期待されているのです。
それぞれの役割について、詳しく見ていきましょう。

実践

クリティカルケア認定看護師の最も重要な役割は、生命の危機に直面している患者さんに対して質の高い看護ケアを提供することです。
具体的には、患者さんの異常の早期発見や重症化予防と回復支援、呼吸、循環といった全身管理を中心に、退院後の状態を想定したリハビリテーションの実施や、せん妄などの合併症予防を行います。

目の前の患者さんの状態に対して適切な看護を提供するだけでなく、少し先の状態を予測した看護実践を行うことも大切です。

また、クリティカルケア認定看護師は、クリティカルケア分野に対して特定行為を行えます。
持続点滴の投与量調節など手順書をもとに患者さんの状態に合わせたケアを提供することで、タイムリーな看護が実践可能です。
これにより、患者さんの状態変化に迅速に対応し、より効果的な治療につなげることが可能となります。

指導

クリティカルケア分野における看護の質向上のため、他の職員に働きかけるのもクリティカルケア認定看護師の役割です。
具体的には、ICUや急性期病棟などでお手本となる看護を実施したり、救命救急処置の研修や勉強会を企画したりします。

自身が患者さんに直接提供する看護だけでなく、他の看護師にも知識やスキルを伝え、病棟全体のスキルアップに貢献することが求められます。
このような活動を通じて、チーム全体の看護の質を向上させ、より多くの患者さんに高度な医療を提供することができるのです。

相談

クリティカルケア認定看護師は、患者さんのケア方法など、他の看護師からの相談に対してコンサルテーション活動を行います。
カンファレンスなどの場において、患者さんのケア方法を他の看護師と一緒に考え、ともに解決策を見出していくのも大切な役割です。

このような活動を通じて、他の看護師が自信を持ってケアを提供できるようサポートします。
結果として、より適切なケアを患者さんに提供することができ、医療の質の向上につながるのです。

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クリティカルケア認定看護師になるには

クリティカルケア認定看護師になるための道のりは、大きく3つのステップに分けられます。

  1. 認定試験の受験資格を得る
  2. 認定試験に合格する
  3. 認定看護師として正式に登録する

クリティカルケア認定看護師になるには

それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。

認定条件

クリティカルケア認定看護師の認定試験を受験するためには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  1. 日本の看護師免許を取得済みであること
  2. 通算5年以上の実務研修を修了しており、そのうち3年以上はクリティカルケア分野における実務研修であること
  3. B課程認定看護師教育機関において必要な教育課程を修了していること

これらの条件を満たすことで、初めて認定試験の受験資格が得られます。
特に実務経験と専門的な教育が重視されているのが特徴です。

クリティカルケア分野の実務研修

クリティカルケア認定看護師になるために必要な実務研修は、以下の4点です。

  1. 通算3年以上、クリティカルケア部門(救急・集中治療部門等)で看護を実践していること
  2. 疾病、外傷、手術など高度な侵襲を受けた患者さんの看護を5例以上担当した経験があること
  3. 現在、クリティカルケア部門(救急・集中治療部門等)で勤務していること(必須ではありません)
  4. 救急蘇生(二次救命処置等)に関する知識・技術を持っていること(必須ではありません)

これらの条件は、クリティカルケアの現場で十分な経験を積み、実践的なスキルを身につけていることを確認するためのものです。
特に、高度な侵襲を受けた患者さんのケア経験は重要視されています。

クリティカルケア分野の教育課程

認定看護師になるために必要な教育課程は、「共通分野」と「クリティカルケア分野」の二つに分かれています。

「共通分野」では、約380時間をかけて、病態生理学や薬理学、チーム医療、特定行為などどの分野にも共通する内容を学びます。
これらの基礎知識は、どの専門分野でも必要とされる重要な土台です。

一方、「クリティカルケア分野」での教育は、質の高い重症化予防・早期回復支援ができる看護師の育成が目的です。
院内トリアージなどの救命処置をはじめ、急性期症状への初期対応方法、合併症予防やリハビリについて深く学んでいきます。
座学だけではく、学んだ内容を医療現場で活かせるよう臨地実習も150時間用意されています。
この専門的な知識と技術が、クリティカルケア認定看護師の高度な実践力につながるのです。

認定審査

認定審査を受けるためには、事前にWeb上で審査申請を実施しなくてはなりません。
この申請では、必要な書類の提出や受験料の支払いなどの手続きを行います。

認定看護師の認定試験は年に1回実施され、150点満点のマークシート方式です。
試験の結果は、以下のようにA~Cの3段階で評価されます。

  • A:120点以上
  • B:105点以上120点未満
  • C:105点未満

AとBが合格、Cが不合格です。

合格基準が高く設定されているのは、クリティカルケア認定看護師に求められる高度な知識と技術を確実に身につけていることを確認するためです。
しっかりと準備を重ね、自信を持って試験に臨むことが大切となります。

クリティカルケア認定看護師のキャリアを考えてみよう

クリティカルケア認定看護師は、生命の危機に直面した患者さんを支える重要な役割を担っています。
専門的な知識と技術を活かし、実践・指導・相談の3つの面で活躍することが期待されています。

認定を受けるためには、5年以上の看護師実務経験とそのうち3年以上のクリティカルケア分野での経験が必要です。
さらに、専門的な教育課程を修了し、厳しい認定試験に合格する必要があります。

この資格の取得は、看護師としての成長と専門性の向上をめざす方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
高度な医療現場で活躍したい、より専門的なスキルを身につけたいと考える看護師の皆さんにとって、クリティカルケア認定看護師は一つの大きな目標となるかもしれません。

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執筆者について

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