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看護師のスキルアップに役立つ資格一覧|分野別にも詳しく紹介

看護師経験を重ねるにつれて、将来のキャリアプランに悩んだり、興味のある看護分野でのスキルアップを願ったりする方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、看護師のスキルアップ方法と、スキルアップに役立つ資格を分野別に紹介していきます。
資格を取得することにより自身の知識やスキルを深められ、看護師としても成長できます。
本記事を参考にしながら、看護師としてのキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか。

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看護師のスキルアップ方法

看護師のスキルアップ方法

看護師のスキルアップ方法は、資格の取得や研修会への参加、大学院への進学など、複数あります。
自身の看護師経験のなかでより深めたい分野がある場合は、その分野を資格取得のために勉強したり、関係する研修会に参加したりすると良いでしょう。

特に資格を取得しておけば、第三者からスキルや知識に対しての評価を受けやすくなります。
資格取得によって自身のスキルや知識を深めるだけでなく、収入を上げたり、転職に有利になったりといったメリットも得られるでしょう。

看護師のスキルアップに役立つ資格一覧

看護師のスキルアップに役立つ資格は数多くあるため、どのような資格を取得すれば良いのか迷う方も多いでしょう。
まずは自身の興味のある分野や所属している診療科で役立つ資格を選ぶようにしましょう。

以下の表では、看護師のスキルアップに役立つ資格を分野別の一覧にして紹介しています。
本記事で紹介しきれない資格もあるため、こちらの記事も一緒にご確認ください。

■資格一覧

全分野共通 専門看護師
認定看護師
在宅分野 ケアマネージャー
社会福祉士
介護福祉士
終末期ケア専門士
リンパ浮腫療法士
フットケア指導士
福祉住環境コーディネーター
精神科 精神保健福祉士
臨床心理士
認知症ケア専門士
救急・ICU BLSヘルスケアプロバイダー/ACLSプロバイダー/PALSプロバイダー
学会認定・自己輸血看護師
呼吸ケア指導士
整形外科 日本運動器看護学会認定運動器看護師
回復期リハビリテーション看護師
骨粗鬆症マネージャー

専門性を高められる看護師のスキルアップ資格

専門看護師や認定看護師は、どの看護分野でも共通してスキルアップをめざせる資格です。
専門看護師・認定看護師ともに専門分野が決められており、自身の希望に近い専門分野を選ぶ必要があります。
それぞれの資格を見ていきましょう。

専門看護師

専門看護師とは、専門分野に対して質の高い看護を実践できると日本看護協会から認定された看護師です。
「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研修」の6つの役割を担います。

専門看護師の資格を取得すると、病棟内での看護実践だけでなく、施設全体のマネジメントや地域など施設外での調整役を担うなど、活躍の幅を広げられるでしょう。

専門看護師の資格取得には、日本看護協会が実施する認定審査に合格する必要があります。
認定試験の受験資格は以下のとおりです。

  • 看護系大学院にて専門看護師に必要な単位数の取得
  • 5年以上の実施研修(3年間は専門分野での研修)の実施

認定看護師

認定看護師とは、認定看護分野に対して質の高い看護を実践できる日本看護協会から認定された看護師です。
専門看護師とは求められる役割が異なり、認定看護師には「実践」「指導」「相談」の3つが求められます。

例えば、自ら看護実践のお手本となり他看護師に指導を行ったり、他看護師から看護ケア方法の相談を受けたりなどの活動を通して、臨床現場における看護の質を向上させることができるでしょう。

認定看護師も、日本看護協会が実施する認定審査に合格することで資格を取得できます。
認定試験の受験資格は以下のとおりです。

  • 認定看護師の教育機関にてA課程もしくはB課程の教育を受ける
  • 5年以上の実施研修(3年間は認定看護分野での研修)の実施

訪問看護師のスキルアップにおすすめの資格

訪問看護師は、自宅で療養している患者さんがその人らしく生活できるよう、看護ケアを通して支援します。
看護師の知識以外にも、介護制度の知識や社会福祉の知識などを持っておくと、患者さんに対して幅広い支援ができるようになるでしょう。

訪問看護師のスキルアップにおすすめの資格を見ていきましょう。

ケアマネジャー

ケアマネジャーは介護支援専門員とも呼ばれ、要支援や要介護などの介護認定を受けた方が必要な介護サービスを円滑に受けられるよう支援する役割を担います。
ケアプランを作成したり、サービス事業者と患者さんの連絡調整を行ったりするほか、特別養護老人ホームなどの施設に所属して施設サービスを計画したりもします。

看護師がケアマネジャーの資格を取得すると、ケアマネジャーへの転職はもちろん、看護師としての役割と並行し、介護保険制度などの知識を用いて患者さんの状態に合わせた介護サービスの提案が可能になるでしょう。

ケアマネジャーになるためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格して、実務研修を受け、登録する必要があります。
看護師資格保持者は、看護師の実務経験5年以上かつ従事した日が900日以上であれば、介護支援専門員実務研修受講試験の受験資格を得られます。

社会福祉士

社会福祉士とは、「社会福祉士及び介護福祉士法」を根拠として制定された国家資格です。
社会福祉施設や医療機関などで活躍し、身体的・精神的な障害のある方や高齢者に対し、福祉や医療に関する専門的な知識を用いて相談を受けたり、支援に向けて他職種と連絡・調整したりします。

名称独占の資格であるため、資格を取得していなくても社会福祉士の担う仕事自体に従事することはできます。
しかし、社会福祉士の資格を取得することで、対外的に知識やスキルがあることを証明できるでしょう。

社会福祉士の資格取得には、社会福祉士国家試験に合格する必要があります。
社会福祉士国家試験の受験資格は学歴によって異なり、4年制大学を卒業した人であれば、社会福祉士の一般養成施設に1年以上通うことで受験資格を得られます。

介護福祉士

介護福祉士も社会福祉士と同様に、「社会福祉士及び介護福祉士法」をもとにして制定された国家資格です。
介護の専門知識を用いて、介護を必要としている方の日常生活動作を支援します。

看護師として働くなかでも、患者さんの入浴介助や清拭などの日常生活ケアを行う機会はあるでしょう。
介護福祉士の資格取得をめざす過程では、介護の知識を学べるため、看護師の仕事にも生かせます。

介護福祉士の資格取得には、介護福祉士国家試験に合格しなければなりません。
国家試験の受験資格を得るための方法としては、介護士としての3年以上の実務経験をしたのちに実務研修を受講する、介護福祉士の養成施設に2年以上通うなど複数の方法があります。
自分にとって最適な方法を選びましょう。

終末期ケア専門士

終末期ケア専門士は、日本終末期ケア協会が認定している資格であり、臨床の現場における終末期ケアのスペシャリストです。

訪問看護師であれば、患者さんの終末期に関わる場面も少なくないでしょう。
終末期ケア専門士になる過程では、終末期について基礎から学び、エビデンスに基づいたケアを実践できるようになるので、終末期にある患者さんやそのご家族を近くで支えられます。

終末期ケア専門士の資格は、日本終末期ケア学会が主催する試験に合格すれば取得でき、試験は自宅でも受験可能です。
看護師の実務経験が2年以上あれば、受験資格を得られます。

終末期ケア専門士の資格取得後も、「終末期ケア上級専門士」「JTCAアドバンスインストラクター」と自身のスキルに合わせてステップアップでき、モチベーションの維持にもつながるでしょう。

リンパ浮腫療法士

リンパ浮腫療法士は、リンパ浮腫治療学会が認定している民間資格です。
弾性ストッキングの着用法やセルフケア方法の指導など、リンパ浮腫の治療に必要な専門的知識やスキルを有していることを証明する資格です。

リンパ浮腫療法士の資格を取得するためには、認定試験を受けなければいけません。
認定試験の受験資格として看護師の実務経験が2年以上必要であり、かつ100時間以上のリンパ浮腫に関する研修の受講と、5症例のリンパ浮腫対応経験が求められます。

フットケア指導士

フットケア指導士は、一般社団法人日本フットケア・足病医学会が認定している資格です。

在宅の現場では、糖尿病によるトラブルや、白癬、巻き爪など多くの患者さんが下肢のトラブルを抱えています。
フットケア指導士の資格取得により、下肢のトラブルに対する専門的な知識やスキルを用いて、患者さんのQOL向上に貢献できるでしょう。

看護師がフットケア指導士の資格を取得するためには、以下の受験資格を満たし、毎年3月頃に実施される認定試験に合格する必要があります。

■受験資格

  • 3年以上の看護師経験
  • フットケアの実務経験
  • 認定セミナーの受講
  • 日本フットケア・足病医学会の学会員であること

福祉住環境コーディネーター

福祉住環境コーディネーターとは、医療・福祉・建築の知識を融合させ、高齢者や障がい者が自宅で暮らしやすい生活環境を提案できることを示す資格です。

訪問看護師は患者さんのご自宅を訪問し、療養環境の整備を支援することもあるでしょう。
福祉住環境コーディネーターの資格を取得すれば、医療だけではなく、建築や福祉の知識も含めてより良い提案や支援ができます。

資格取得のための試験は自宅でも受験でき、受験資格に制限は設けられていません。
3級・2級・1級とあるので、ご自身のスキルや目標に合わせて徐々にスキルアップできるでしょう。

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精神科看護師のスキルアップにおすすめの資格

精神科看護師であれば、心のケアについて知識を深められる資格や精神障害の患者さんをサポートできる資格がおすすめです。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神保健福祉士法によって定められた国家資格です。
専門的な知識やスキルを使って、精神障害を抱えた患者さんを対象に円滑に社会復帰できるようサポートします。

看護師から精神保健福祉士の資格を取得する方法は、最終学歴によって変わります。

  • 4年制大学卒の場合:精神保健福祉士の養成施設にて1年以上学ぶ
  • 2年制または3年制の短大または専門学校卒の場合:1年もしくは2年の実務経験を積んだあと、養成施設にて1年以上学ぶ

臨床心理士

臨床心理士は、精神的な健康状態や心理的課題に関する専門的な知識を有し、臨床的なアセスメントや心理療法を行う専門家です。
クライエントである患者さんが心理的な問題に対処し、健康な生活を送るのを支援します。
人の心についての知識を深めることができるため、精神科領域での看護にも役立つでしょう。

臨床心理士の資格を取得するには、まず「第1種指定大学院」「第2種指定大学院」「専門職大学院」のいずれかの大学院に通わなければなりません。
このうち、最も数が多いのは「第1種指定校」です。

第1種指定校では、教育課程を修了したのち、臨床心理士認定試験の受験資格が得られます。
日本臨床心理士資格認定協会が実施する認定試験に合格すれば、臨床心理士の資格を取得できます。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、日本認知症ケア学会が認定する資格で、認知症を患っている患者さんとそのご家族に対する専門的な支援を提供するための自己研鑽を目的としています。

精神科病棟に限らず、どの診療科であっても認知症の患者さんと接する機会はあるでしょう。
この資格を取得することで、認知症の患者さんに対して根拠を持ってケアを実施できるスキルを身につけることができます。

認知症ケア専門士の資格は、日本認知症ケア学会が実施している認定試験に合格すれば取得できます。
受験資格は、受験以前の10年間に認知症ケアに関する施設において、認知症ケアの実務経験が3年以上あることです。

救急・ICU看護師のスキルアップにおすすめの資格

他の病棟よりも急変リスクの高い患者さんを対象とする救急支援センターやICUで働いている看護師であれば、急変対応について学べる資格や輸血の知識を深められる資格がおすすめです。

BLSプロバイダー/ACLSプロバイダー/PALSプロバイダー

BLSプロバイダー・ACLSプロバイダー・PALSプロバイダーは、いずれも心肺停止後の救命措置を学べる資格です。

  • BLSプロバイダー:全年齢の方に対して実施できる心肺蘇生法の基礎的な技術を学べる資格
  • ACLSプロバイダー:心肺停止をはじめ、心拍再開後、徐脈・頻拍・脳卒中など心血管系の緊急処置を学べる資格
  • PALSプロバイダー:小児の患者さんを対象として、呼吸器系・心血管系の緊急処置を学べる資格

救急やICUで働いている看護師であれば、患者さんの急変対応をする機会に直面する場合もあるでしょう。
特に心肺停止の場合は、迅速な処置が重要です。
これらの資格を取得して、どのようなときでも自信を持って対応できるように準備しておきましょう。

学会認定・自己血輸血看護師

自己血輸血とは、患者さん自身の血液を用いて輸血を行う方法です。
自身の血液を使用することで、感染症など輸血特有の副作用のリスクを低減させられます。
自己血輸血看護師とは、自己血輸血に対して専門的な知識を持ち、輸血のために必要な採血を適切な方法を用いて実践できる看護師のことです。

自己血輸血看護師資格を取得するためには、日本自己血輸血・周術期輸血学会または日本輸血・細胞治療学会の会員であることに加え、2年以上の看護師経験や自己輸血業務経験など複数の条件を満たさなければいけません。
また、所属施設の必須条件(自己血輸血担当医師が所属しているなど)もあるので確認しておきましょう。

呼吸ケア指導士

呼吸ケア指導士は、一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会が認定している資格であり、呼吸障害を持つ患者さんに対して、最新の知識やスキルを習得して効果的な呼吸ケアを実践できることを証明します。
資格のコースには初級と上級の2種類があり、資格取得には以下の条件を満たすことが必要です。

  • 継続して3年以上一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会の会員であること
  • 指定している研修を50単位以上取得していること

整形外科看護師のスキルアップにおすすめの資格

整形外科看護師のスキルアップにおすすめの資格

整形外科に勤めている看護師であれば、運動器やリハビリに対する専門知識を深められる資格がおすすめです。

日本運動器看護学会認定運動器看護師

日本運動器看護学会認定運動器看護師は、運動器に対する専門的な知識を用いて、患者さんに対して的確な看護ケアを実践する、他職種との連携をする、他看護師への教育を行うなどの役割を担い、看護の質の向上に貢献できる看護師です。

資格を取得するためには、書類審査と認定試験に合格する必要があります。
審査の申請資格は以下のとおりです。

  • 日本運動器看護学会正会員
  • 看護師の実務経験が5年以上(うち3年間は運動器の障害に関わる領域)ある
  • 日本運動器看護学会認定運動器看護師育成講座の全コースを終了している

回復期リハビリテーション看護師

回復期リハビリテーション看護師は、一般社団法人 回復期リハビリテーション病棟協会が主催している認定制度です。
回復期やリハビリテーションを必要とする患者さんやご家族に対して、質の高い看護の提供やマネジメント業務、チーム医療への貢献ができる看護師の育成を目的としています。

回復期リハビリテーション看護師になるためには、年6回開催される3日間の研修をレポートの提出も含めてすべて受講し、そのあと回復期リハ病棟にて実践した看護をレポートとして提出する必要があります。
知識の習得だけでなく、実践も含めて学ぶことができるでしょう。

骨粗鬆症マネージャー

骨粗鬆症マネージャーは、骨粗鬆領域の専門的な知識をもって社会的な啓蒙活動を行うことで、超高齢化社会において健康格差を縮小したり、健康寿命を伸ばすことに貢献できます。

看護師が骨粗鬆症マネージャーになるためには、骨粗鬆症マネージャー認定試験に合格する必要があります。
認定試験の申請資格は以下のとおりです。

  • 日本骨粗鬆症学会会員であること
  • 過去4年以内に骨粗鬆症マネージャーレクチャーコースを1回以上受講していること
  • 過去4年以内に日本骨粗鬆症学会が主催する学術集会に1回以上参加していること

資格を取得して看護師としてスキルアップしよう

資格取得は、看護師のスキルアップに役立つとともに、対外的にもスキルがあることを証明できます。
転職を有利に進められたり、スキルや知識が認められ給料に反映される可能性もあるでしょう。

看護分野によっておすすめの資格は異なります。
自分の配属部署や興味のある看護分野を踏まえて、最適な資格を選んで挑戦してみましょう。

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執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国54,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://twitter.com/karu_keru

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