
看護師を退職してからブランクが10年以上あるけど、復職したい。
とはいえ、働くうえで必要な知識は足りているか、技術の衰えは問題ないかなど、不安で仕方ない……。
このように思っている人もいるのではないでしょうか。
結論をいうと、ブランク期間に関わらず、看護師の資格を保有していれば復職できます。
ブランクが長く、復職に対して不安がある看護師向けに、看護師の復職の現状やポイントを解説していきます。
目次
看護師のブランクは何年までなら復職できるのか
看護師の資格を持っていながら、看護師として働いていない人のことを潜在看護師といいます。
平成30年末時点で80万人近くいるとされており、有資格者の約3割に該当します。
厚生労働省が発表した一般職業紹介状況によると、令和5年12月の保健師・看護師・助産師の有効求人倍率は2.29倍です。
職業全体の有効求人倍率が1.27倍であることから高い値であることがわかります。
実際、医療業界では看護師不足に陥っており、実務経験があればブランクの年数に関係なく再就職できるでしょう。
またブランクのある看護師が復職しやすいよう、近年では復職をサポートする体制も整えられてきています。
看護師の復職の実態【ブランク年数別】
平成29年の看護職員実態調査によると、1年以上の休職後に復職経験がある人は25.8%、また1年以上の離職後の再就職経験がある人は17.1%となっています。
ブランク年数別に、復職の実態について詳しく見ていきます。
1年未満の看護師の場合
退職してからの期間が1年未満の看護師のうち、61.4%は看護師として再就職を希望しています。
実際に1年未満で復職した看護師の割合は、49.8%と半数近くになっており、ブランクが短いと復職しやすいことがわかります。
1~3年未満の看護師の場合
退職後1~3年が経過した看護師のなかで、看護師として再就職を希望している人は51.6%でした。
実際に復職した看護師の割合は13.2%で、離職後1年未満と比較すると大きく減っていることがわかります。
3~5年未満の看護師の場合
退職してからの期間が3~5年未満の看護師のなかで、再就職を希望している看護師の割合は41.0%です。
ブランクが3~5年未満の看護師で、復職した看護師の割合は4.1%と、さらに減少していることがわかります。
5~10年未満の看護師の場合
ブランクが5~10年未満の看護師のうち、再就職を希望する人の割合は35.8%となっています。
実際に看護師として復職した人の割合は5.0%となり、3~5年未満と同様に低い値であることがわかります。
看護師のブランク年数別の復職ポイント
ここまではブランク年数ごとに復職の希望と実態に関するデータを紹介してきましたが、ここからは看護師が復職する際のポイントを紹介します。
ブランク年数が5年未満、5~10年以上の2つに分けて、詳しく解説していきます。
5年未満
ブランクは短いほうが就職先の選択肢の幅が広がり、復職先を見つけやすいというメリットがあります。
特に1年未満のブランクの場合、知識やスキルのアップデートがしやすく、復職して困ることは少ないです。
また妊娠・出産・育児で2~3年のブランクが生じる人は多いため、あまり心配する必要はありません。
ブランク前の実務経験は、3年以上あれば転職先からのニーズも高くなります。
経験年数が浅い場合は、復職先を探す際には教育体制が充実していて、フォローが手厚い場所を探すと良いでしょう。
5~10年以上
ブランクが5~10年以上あると、自分が看護師として働いていたときと変化している部分が大きい可能性があります。
また、看護に関する知識や技術を鮮明に覚えていない可能性もあります。
しかし、復職前に研修や独学などで最新の知識・技術の復習をしておけば補えるので、大きな心配はいりません。
どのような職場でどのように働きたいか、自分の復職の動機を明確にしておくことが大事です。
看護師の復職にブランクが何年かそれほど気にしなくても大丈夫
看護師が復職する際に、ブランクの期間が何年あったかはあまり気にしなくても良いです。
ブランク年数に応じて注意する点は異なるため、ポイントを押さえながら就職活動をすれば心配する必要はありません。
事前に就職先のサポートについて調べたり、知識・技術不足で不安なところがあれば研修を受けたりと、工夫しながら就職活動を進めていくと良いでしょう。