
薬剤師として勤務先を探すうえで、重要なポイントとなるのが時給ではないでしょうか?
同じ薬剤師として仕事を行うのであれば、時給は少しでも高いほうが良いと考える方は少なくないでしょう。
今回は、薬剤師の求人を探している方のために、薬剤師の平均時給や時給を左右する要素、時給を上げる方法などを紹介していきます。
現在の自身の時給と比較しながら、新しい職場を探す際の参考にしてください。
目次
薬剤師の平均時給は?
薬剤師の平均時給はいくらでしょうか?
まずは、正社員薬剤師とパート・アルバイト薬剤師の時給を、それぞれ見てみましょう。
正社員薬剤師の平均時給は2,770円
正社員薬剤師の平均月収は394,200円、ボーナス支給額は920,900円であり、平均年収は、5,651,300円です。
また、固定の労働時間数が月平均162時間、超過労働時間の平均が8時間であることから、正社員薬剤師の平均時給は2,770円になります。
パート・アルバイト薬剤師の平均時給は2,414円
一方で、パート・アルバイトなど非正規社員薬剤師の時給は2,414円となっています。
男女別で比較すると以下のとおり、男性のほうが女性よりも多少時給が高い傾向です。
男性薬剤師 | 2,490円 |
女性薬剤師 | 2,405円 |
続いて、他の医療職と薬剤師を時給で比較してみましょう。
職種 | 時給 |
医師 | 11,231円 |
歯科医師 | 4,705円 |
看護師 | 1,773円 |
保健師 | 1,889円 |
助産師 | 2,018円 |
薬剤師の時給は医療職のなかでも、医師、歯科医師に次いで高いことがわかります。
パート・アルバイト薬剤師の時給を左右する要素
パート・アルバイト薬剤師の時給を左右する要素として、主に以下の3つがあります。
- 勤務地(都心か地方か)
- 勤務時間
- 勤務先(ドラッグストアか病院か、調剤薬局かなど)
時給を高くしたい場合は、以下のようなポイントを考えながら勤務先を選ぶと良いでしょう。
【地域】都心よりも地方の時給が高い傾向
人手不足になりやすい地方では、都心と比較して薬剤師の時給が高くなる傾向にあります。
参考までに、薬剤師の都道府県別給与を見てみましょう。
都道府県 | 給与額 | 特別賞与 | 年収 |
東京都 | 415,000 | 962,700円 | 5,942,700 |
千葉県 | 432,800 | 861,100円 | 6,054,700 |
北海道 | 400,800 | 1,015,400円 | 5,825,100 |
青森県 | 411,900 | 1,051,800円 | 5,994,600 |
一概に首都圏よりも地方のほうが高いとは断定できませんが、千葉県のほうが東京都よりも給料が高くなっています。
地域によっては、薬剤師の給料が首都圏よりも高い地域があるといえるでしょう。
交通の便が悪い場所や、実際に薬剤師不足になってしまっている職場では、高い時給で求人を出している可能性があります。
通勤可能かどうか、仕事の継続ができるかなどを踏まえたうえで、地方の職場も勤務先として検討してみると良いでしょう。
【勤務時間】夜間帯や土日は時給が高い傾向
令和2年時点の薬剤師登録数は、321,982名となっています。
構成は男性124,242名、女性197,740名で、約60%の薬剤師が女性です。
女性薬剤師は子育てをしている方も多く、家事・育児を行う都合上、土日や夜間のシフトに入れない方もいるでしょう。
このようなことから、夜間帯や土日は人手不足になることがあるため、時給が高くなる傾向にあります。
もし、土日や夜間も仕事が可能な場合は、そのような時間帯のシフトを組むことで高い時給を得ることができるでしょう。
【勤務先】勤務先別の給与傾向
勤務先によっても、薬剤師の時給は異なります。
それぞれの勤務先での時給相場は、以下のようになっています。
- 調剤薬局:時給2,000〜2,500円程度
- ドラッグストア:時給2,000〜3,000円程度(土日や夜間帯など人手不足の時間帯で時給が上がる場合あり)
- 病院:時給1,800〜2,200円程度
以上のことから、病院はドラッグストアや調剤薬局と比較して、時給が低くなる傾向にあります。
高時給を期待している場合は、まずドラッグストア・調剤薬局に絞って求人を探すと良いでしょう。
それぞれの薬剤師の仕事内容についてはこちらの記事で紹介しているので、参考にしてください。
薬剤師の時給を上げる方法
薬剤師の時給を上げるには、以下のような方法が考えられます。
- 人手不足の時間帯や地域で働く
- 一人薬剤師として働けるようになる
- 派遣薬剤師として働く
人手不足の時間帯や地域で働く
先述したとおり、人手不足の時間帯や地域は、時給が高く設定されていることがあります。
以下のような方法をとることで、より高い時給を提示している求人を見つけやすくなるでしょう。
- 都会のエリアではなく、田舎のエリアの薬剤師求人を探す
- 深夜帯や土日も営業しているドラッグストアの求人を探す
一方で、人手不足の勤務地で働くことは、休み希望がなかなか通らない、急に休みにくいといった事情も出てくるかもしれません。
勤務環境や条件は、入職前に確認しておきましょう。
一人薬剤師として働けるようになる
一人薬剤師とは、通常であれば、「調剤」「監査」「服薬指導」「薬歴記入」など、複数人で行う調剤業務を一人の薬剤師のみで行うことです。
一人ですべての業務を行うため、地方でなかなか人員が集まらない場合などは、その分高給与が期待できます。
また、薬剤の発注などの在庫管理を自分自身で行う必要があるため、業務の範囲が広くスキルアップできたり、人間関係に悩むことが少なくなったりするというメリットもあるでしょう。
一方で、通常の調剤業務では「監査」を別の薬剤師が確認しますが、一人薬剤師は自分自身で確認しなければなりません。
調剤ミスの危険性が高まるほか、忙しい調剤薬局では休憩時間や有給などが自由に取れないなど、精神的・身体的な負担が大きくなる可能性が高くなります。
給与が高いからといって安易に転職するのではなく、労働条件や勤務体制などをしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
派遣薬剤師として働く
人員不足によってどうしても仕事が回らない場合に、募集されるのが派遣薬剤師です。
人材が強く求められる職場での募集となるため、派遣薬剤師はパート・アルバイトの薬剤師よりも高時給となる傾向があります。
派遣薬剤師の時給相場は、2,800〜4,000円 です。
現場は派遣薬剤師に対して即戦力を期待しているため、自分自身の経験を生かすことができるでしょう。
また、自分自身に合った働き方を選択でき、さまざまな職場を経験できるところがメリットです。
一方で、雇用期間があらかじめ決められており、状況によっては派遣切りの可能性もあります。
派遣薬剤師として同じ職場でずっと働くことはできないため、慣れた環境で働き続けたいと考えている方には不向きでしょう。
薬剤師の時給の相場を知り、納得できる職場で働こう
薬剤師の時給は、勤務地や勤務条件によって異なります。
時給相場を基準として、さまざまな勤務先を検討することが大切です。
また、勤務条件を時給だけで判断してしまうのではなく、福利厚生や職場環境なども一緒に確認していきましょう。
時給を軸に、勤務条件や職場環境などを細かく確認することで、ワークライフバランスに合った納得できる職場で働けるはずです。