
心理カウンセラーが活躍できる分野は幅広く、さまざまな場所で人々の心の健康をサポートする重要な役割を担っています。
ただし、その仕事内容や働き方には、勤務先によって違いがあることをご存じでしょうか。
本記事では、医療機関、企業、公的機関、フリーランスなどの勤務先別に、心理カウンセラーの一日の流れや主な仕事内容を解説します。
心理カウンセラーの仕事に興味がある方や就職先選びに悩んでいる方は、参考にしてみてください。

目次
心理カウンセラーの一日の流れ
心理カウンセラーの主な勤務先には以下4種が挙げられ、それぞれ働き方や一日の流れに違いがあります。
- 医療機関
- 企業
- 公的機関
- フリーランス
医療機関や民間企業、公的機関などに雇用される場合、組織に合わせた規則的な勤務時間となるでしょう。
一方、フリーランスの心理カウンセラーは、より自由度の高い働き方が可能です。
心理カウンセラーの勤務先別に、一般的な一日の流れと主な仕事内容を紹介します。

医療機関
病院やクリニックをはじめとした医療機関で働く心理カウンセラーは、勤務先の営業時間に合わせたスケジュールで日々の業務にあたります。
心理カウンセラー自体は無資格でも名乗れますが、医療の現場で活躍しているのは、主に臨床心理士や公認心理師などの有資格者です。
医療機関に従事する心理カウンセラーの、一般的な一日の流れを見てみましょう。
8:30 9:00 12:00 13:00 15:00 16:00 17:30 18:00 |
出勤、準備 午前のカウンセリング開始(1セッション50分程度) 昼休憩 午後のカウンセリング開始 心理検査の実施 認知行動療法などの心理療法 記録作成、翌日の準備 退勤 |
医療機関の営業時間が一定であれば、心理カウンセラーの出勤・退勤時刻にも大きなズレは生じにくく、規則的なリズムで働きやすい傾向にあります。
勤務先にもよりますが、カウンセリングのほかにも、心理検査や認知行動療法といった心理療法を実施するなど、幅広い業務に携わることになるでしょう。
また、医療の現場における心理カウンセラーは、チーム医療の一員を担う存在であり、他職種と連携を図りながら専門性を発揮する必要があります。
企業
企業の社内相談室などで働く心理カウンセラーは、産業カウンセラーと呼ばれ、常駐型や週1日のみの勤務など、働き方にいくつかの選択肢があります。
企業に勤める産業カウンセラーの、一日のスケジュール例を見てみましょう。
9:00 9:30 12:00 13:00 15:00 16:00 17:30 18:30 |
出勤、準備 午前のカウンセリング開始(1セッション40分~1時間程度) 昼休憩 午後のカウンセリング開始 社員向けメンタルヘルスセミナーの準備 メンタルヘルスセミナー実施 記録作成、報告書作成 退勤 |
産業カウンセラーは、通常の社員はもちろん、通院中・休職中・復職前の方や経営者など、さまざまな状況の方と接する機会があります。
カウンセリングは基本的に1対1で行われるものの、状況に応じて上司やご家族が同席する場合もあるでしょう。
また、カウンセリング以外に、社員向けのメンタルヘルスセミナーの実施、企業の健康経営施策への助言なども産業カウンセラーの重要な仕事です。
複数のクライエントを抱える場合、退勤後に自宅でメールをチェックするなどの事務作業を行うこともあります。
公的機関
市役所の保健・福祉に関する相談窓口や大学の学生相談室など、心理カウンセラーはさまざまな公的機関でも活躍しています。
勤務先によって差はあるものの、公的機関の営業時間は平日9:00〜17:30などと決まっているケースも多く、ある程度規則的な働き方が可能です。
公的機関で働く心理カウンセラーの、一般的な一日の流れを見てみましょう。
9:00 9:30 12:00 13:00 14:00 15:00 17:00 17:30 |
出勤、準備 午前のカウンセリング開始 昼休憩 午後のカウンセリング開始 記録作成、報告書作成 関係機関との連携会議 翌日の準備、事務作業 退勤 |
一日のカウンセリングはおおむね2~3枠程度で、多忙な時期には6枠ほどの面談を立て続けに行う場合もあります。
大学の学生相談室などで働く心理カウンセラーの勤務時間は、学生が利用しやすいよう在校可能時間に合わせた形になるでしょう。
授業が終わったあとの放課後など、夕方の時間帯にも対応できる体制が求められます。
市役所などに勤める場合、個別カウンセリングのほかグループワークの実施、関係支援機関との連携など、地域や組織の特性に応じた業務を担うのが特徴です。
フリーランス
フリーランスの心理カウンセラーは、仕事内容も勤務時間も自由に決定できます。
心理カウンセラーの独立開業は、医療機関や企業、公的機関などで実務経験を積んだカウンセラーが、自分のスキルを活かして活躍の幅を広げたいときに有効な選択肢です。
一般的なフリーランスの心理カウンセラーのスケジュール例を見てみましょう。
9:00 10:00 12:00 13:00 16:00 17:00 19:00 21:00 |
始業準備 オンライン・対面カウンセリング(自宅オフィスまたはレンタルスペース) 休憩、昼食 オンライン・対面カウンセリング 記録作成、次回の予約管理 経理業務 SNSの更新、ブログ執筆 翌日の準備、業務終了 |
フリーランスで働く心理カウンセラーは、勤務先の営業時間などにとらわれることなく、自分の好きに始業・終業時刻を設定できます。
自宅オフィスやオンラインで業務を行う場合、通勤の手間も発生しません。
ただし、フリーランスは働き方の自由度が高いぶん、高い自己管理能力が求められます。
心理カウンセラーの専門性のみならず、スケジュール管理や新規クライエントの獲得、収入の安定化など、経営者としてのマネジメントスキルも不可欠です。
オンラインでサービスを提供するには、ホームページやSNSを活用したマーケティングも学ぶ必要があるでしょう。
心理カウンセラーの一日は勤務先によって異なる
心理カウンセラーは、医療機関や企業、公的機関などに勤務するほかフリーランスで活躍する道もあり、働き方が違えば、一日の仕事の進め方も変わってきます。
職場にもよりますが、医療機関や公的機関、企業での業務スケジュールは施設の営業時間と深く関わっており、規則的な働き方をしやすいのが特徴です。
一方、フリーランスの心理カウンセラーとなる場合、勤務時間はもちろんのこと、仕事内容も自由に設定できます。
このように、心理カウンセラーはキャリアの選択肢が幅広く、自分の適性や興味関心、労働条件の希望を叶えられる勤務先を選ぶことが可能です。
心理専門職に興味がある方や心理カウンセラーへのキャリアチェンジを考えている方は、勤務先ごとの特徴をふまえて、自分に合った働き方を見つけてみてください。
