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理学療法士と看護師の違いは?仕事上の関わりについても紹介

この記事の監修者
蔵重雄基
蔵重雄基
【資格】
理学療法士/介護支援専門員

【プロフィール】
広島大学医学部保健学科理学療法学専攻を卒業後、介護施設や整形外科クリニックに勤務。 介護予防の講師や県の地域リハビリ推進のための委員も行っている。
理学療法士と並行してライターとしても活動。 医療や介護分野での経験を活かし、さまざまなメディアに執筆中。

理学療法士と看護師は、医療現場で患者さんの回復を支える重要な役割を担っています。
しかし、それぞれ仕事内容・就職先・年収などに違いがあり、自分のキャリアプランや希望にマッチした資格を検討する必要があるでしょう。

本記事では、理学療法士と看護師をさまざまな観点から比較するとともに、それぞれの資格取得の難易度もあわせて解説します。
医療・福祉分野の国家資格取得を検討している方や、看護師から理学療法士になりたいと考えている方は、参考にしてみてください。

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理学療法士と看護師の違い

理学療法士と看護師の違い

理学療法士と看護師は、どちらも医療の現場で患者さんの回復を支える仕事です。
しかし、両者は明確に異なる役割を担っており、仕事内容や主な就職先などにも違いがあります。
ここでは、理学療法士と看護師を以下5つの項目で比較してみましょう。

  • 役割
  • 仕事内容
  • 就職先
  • 年収
  • 資格取得の難易度

順に解説します。

役割

理学療法士の役割は、病気や障がいがある方を対象に、立つ、歩くなどの基本的な動作の維持・改善を図ることです。
病気や障がいにより身体機能が低下した患者さんに対して、今後も基本的な動作ができるよう機能を維持したり、回復をめざしたりするためのリハビリテーションを提供します。

一方の看護師の役割は、病気や障がいがある方を対象に、医療的なケア、日常生活の支援を行うことです。
看護師は患者さんに対してのみならず、ご家族の心のケアも提供しています。

仕事内容

理学療法士は、温熱・電気といった物理的な刺激を利用した物理療法のほか、筋力トレーニングや関節を動かす訓練などの運動療法を駆使してリハビリを実施します。
基本的な動作を改善するために必要な身体機能・動作を評価分析したうえで、医師などと連携し治療方針を検討することも、理学療法士の仕事です。
基本的に夜勤はありません。

看護師の仕事は、医師の補助をして注射や採血などを行ったり、血圧や脈拍などの測定を行ったりすることです。
また、排泄や入浴などの日常生活のケアも看護師の重要な仕事に数えられます。
看護師の場合、就職先によっては夜勤が発生します。

就職先

理学療法士の就職先は、主にリハビリテーションを提供している病院や介護・福祉施設です。
保健センターや福祉センターなどの行政施設、理学療法士養成学校またはスポーツチームのトレーナーとして働く方もいます。
耳鼻科や皮膚科など、リハビリを必要としない診療科で理学療法士が働くことはほとんどありません。

看護師の就職先は、病院や診療所、介護施設、訪問看護ステーション、社会福祉施設など幅広い分野におよびます。
医療現場では、どの診療科でも看護師が配置されている場合が多く、理学療法士が就業する可能性の低い現場でも働きます。
ただし、スポーツ現場のようなリハビリに特化した施設で働くことはまれでしょう。

年収

厚生労働省による「令和5年賃金構造基本統計調査」を見ると、理学療法士の平均年収は約433万円、看護師の平均年収は約508万円となっています。
看護師のほうが、理学療法士よりも年収が高い傾向にあるといえるでしょう。
ただし、就職先の規模によっても給与額は変わります。

資格取得の難易度

令和6年の国家試験の合格率は、理学療法士が89.2%、看護師が87.8%でした。
令和5年以前の3年間では、理学療法士の合格率は80%前後、看護師の合格率は90%以上となっています。

また、国家試験を受験するために、どちらの資格も養成校で必要な単位を習得しなければなりません。
養成校での学習は、どちらも3年以上の通学が必要になります。

資格取得の難易度を考えた場合、一概にどちらが難しいとはいえないでしょう。

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理学療法士と看護師の関わり

理学療法士は、患者さんと日頃から関わる時間の多い看護師から、リハビリに必要な情報を収集します。
例えば、患者さんの日常生活の様子や心身の状態などの情報を看護師から得ることで、より効果的なリハビリテーションを提供できるでしょう。

一方、看護師は日常生活で患者さんと関わるなかで、少しでもリハビリの視点を取り入れられるよう、理学療法士から助言をもらいます。
患者さんの日常生活のなかで、リハビリの要素を取り入れるための工夫をすれば、身体機能の維持・回復を無理なく促すことが可能です。

このように、理学療法士と看護師が日頃から情報を共有し合うことで、患者さんに提供するケアやリハビリの質を向上させられます。

看護師から理学療法士をめざせるか

看護師から理学療法士をめざすことは可能です。
ただし、理学療法士の資格を取得するには、大学や専門学校で最短でも3年間学ぶ必要があります。
国家試験の受験も必要となり、一定の時間と費用がかかることを念頭に置いておかなければなりません。

しかし、努力次第では理学療法士の資格を無事取得し、看護師とは異なる視点で患者さんの回復を支援できるようになるでしょう。

理学療法士と看護師の違いを理解して自分に合った資格を取得しよう

理学療法士と看護師は、医療現場でそれぞれ重要な役割を担っていますが、担っている役割や仕事内容は大きく異なります。
医療・福祉の現場で活躍するために資格取得を考えたとき、両者の違いをしっかりと理解したうえで、自分に合った道を選択してみてください。

また、すでに看護師の方でも必要なプロセスを踏めば、理学療法士の資格取得は可能です。
自分自身のキャリアプランに合わせて、国家試験合格に向けた準備を進めていきましょう。

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