
栄養士の求人に応募する際にも、他の職種と同じく、履歴書や面接で自己PRをする場面がありますが、何を伝えれば良いのか悩んでしまう方は少なくありません。
自己PRのなかで、栄養士の仕事に活かせる強みをアピールできれば、採用担当者からの印象が良くなり、内定を得られる可能性が高まるでしょう。
そこで本記事では、栄養士の自己PRを考えるときのポイントについて解説します。
例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
栄養士の自己PRを考えるときのポイント
栄養士が自己PRを考えるときのポイントとして、主に3つのことがあります。
これらのポイントを押さえておくだけで、具体的な内容を含む厚みのある自己PRが完成します。
自分の強みと弱みをリスト化
自己PRを考えるときには、まず自分の強みと弱みをそれぞれ書き出していきます。
強みは、仕事や日常生活のなかで頑張っていることを振り返ってみると見つけやすいでしょう。
自己PRでアピールできる強みの例としては、以下のようなものがあります。
- 行動力
- 柔軟性
- 主体性
- 創造力
- 計画力
- コミュニケーション能力
- 分析力
- 責任感
- 粘り強さ
- 協調性
強みが思いつかないときは、自分の弱みを強みに変換すると良いでしょう。
例えば、「悩みが多い」という弱みは、「責任感が強い・慎重である」といった強みに変換することができます。
強みも弱みも思いつかない場合は、ご家族や友人に聞いてみるのも手です。
客観的な意見によって、自分では気付かない魅力を発見できるかもしれません。
経験を強みに変換
自分の経験から強みを探す方法もあります。
過去の経験を振り返ることで、自分自身を理解することにもつながります。
特に、栄養士として勤務した経験のある方は、そのなかで気をつけていたことや頑張っていたことから、強みを見つけると良いでしょう。
新卒の場合や栄養士として働いた経験がない場合は、アルバイトや日常的な経験、前職の仕事内容から、栄養士の仕事に活かせそうな強みを探します。
例えば、シフト管理や業務管理をした経験がある場合、強みとして「判断力、計画性、協調性」などが挙げられるでしょう。
成功体験と工夫したことを列挙
成功体験として、仕事で評価されたことや工夫したことを思い出してみることも、自分の強みを探すうえで有効です。
以下のように、成功体験や工夫したことを書き出すと、傾向が可視化され、強みを見つけやすくなるでしょう。
- 掲示物を作成した
- 感染対策のために〇〇をした
- 仕事でミスや抜けをなくすために〇〇をしている
- 見栄えがよくなるように配膳をした
栄養士の自己PRの構成順序
栄養士の自己PRを作成するときは、文章の構成順序にも着目しましょう。
以下の順序で作成すれば簡潔にまとまり、採用担当者に伝わりやすくなります。
- 自分の強み
- 強みに関係するエピソード
- 応募先の特徴や理念に沿った貢献ができる
「私の強みは◯◯です」と、冒頭で結論を伝えることは特に重要です。
エピソードや応募先の理念に沿った貢献内容などを先にしてしまうと、一番伝えたい強みの部分がぼやけてしまいます。
また、自分の強みは、エピソードや応募先への貢献内容などをふまえたうえで、1つか2つに絞るようにしましょう。
そうすることで、「私には〇〇といった強みがあります!」と面接官にしっかりアピールでき、最後の貢献内容で採用後をイメージしてもらいやすくなります。
【新卒・未経験の場合】栄養士の自己PR例文
新卒や未経験の場合は、将来的に自分がどのように貢献していきたいかを面接官に伝えると、好印象を与えることができます。
また、具体的なエピソードのなかに数字を取り入れることで、信憑性のある自己PR文を作成することが可能です。
以下で、応募先別の例文を紹介していきます。
病院
私の強みは、コミュニケーション能力と協調性です。
大学時代はファストフード店でアルバイトをしており、お客様にスピーディーに料理を提供することを心がけていました。
スピーディーに料理を提供するためには、調理工程において滞りがある部分のサポートをする必要があります。
他の従業員の方に声をかけながら、自分がサポートに入ったり、自分の業務をサポートしてもらうことで、従業員が一丸となって業務に取り組むことができ、県内一位の顧客満足度を達成しました。
この経験を、貴院の掲げる「チーム医療」に活かし、他職種間の連携を取りながら患者さんが安心して治療に専念できる環境づくりに貢献したいと考えています。
幼稚園・学校
私の強みは、計画性と管理能力です。
学生時代はアルバイト先でバイトリーダーをしており、従業員のシフト作成業務をしていました。
シフト管理業務において大切なことは、計画性です。
テスト週間前になるとアルバイトに入る従業員の人数が減り、長期休暇になるとアルバイトの人数が増えるといった傾向から、そういったイベントごとの前には通常よりも早い段階でシフトを集計し、仮シフトを従業員に提示していました。
また、業務上の役割分担における勤務上のムラをなくすため、全員がいろいろな業務をこなせるよう指導してほしいと店長に直談判をしたこともあります。
この経験を活かし、貴校では栄養士として献立の作成や食材の発注業務などを、責任を持って行いたいと考えています。
福祉施設
私の強みは責任感があることです。
私は、学生時代にボランティアとして食に関するイベントを主催していました。
メンバーそれぞれが、やりたいテーマが異なり、チームが分断してしまいそうなこともありましたが、メンバー一人ひとりの意見をまとめ、全員が納得のできる折衷案を考えました。
その結果、チームの団結力を高めることができ、諦めず困難に立ち向かうと大きな成果を得られることを実感できました。
この経験を活かして、貴施設では、食の悩みを抱えている方に向き合い、食に楽しみを抱いてもらえるような献立作りに貢献したいと思います。
企業
私の強みは状況把握能力と分析力です。
私はSNSを利用して、毎月発売される食品の紹介をしています。
そのなかで、閲覧数が多い商品、少ない商品の傾向をつかむことができ、閲覧数が多い商品にはどのような特徴があるのかを分析してきました。
分析の結果から、世の中のニーズに合いそうな商品を積極的に紹介した結果、SNSのフォロワー数を10万人増やすことに成功しました。
この経験から、貴社ではSNSを活用して顧客ニーズを集積し、ニーズにあった商品開発を行いたいと思います。
【転職の場合】栄養士の自己PR例文
栄養士として働いた経験のある方が転職する場合は、栄養士としての自分の経験から自己PRを作成しましょう。
転職先の職場でどのように貢献していきたいかを伝えることができれば、面接官の印象に残りやすい自己PRになります。
病院
私の強みは協調性です。
前職では、調理員の方と積極的にコミュニケーションをとり、調理をするうえでの悩みや要望を収集していました。
聞き取りをしていくなかで、これまでに調理したことのない食材の調理方法に悩みを抱えている方が、多くいることがわかりました。
そのため、マイナーな食材には調理方法に関する資料を作成することで、調理員の方の負担軽減に努め、調理員の方からも感謝の言葉をいただいた経験があります。
この経験を活かし、貴院では患者さんの悩みに寄り添った栄養指導ができる栄養士をめざしたいと考えています。
幼稚園・学校
私の強みは創造力です。
現在は病院で勤務していますが、患者さんのなかには食事が進まず、残してしまう方もいます。
栄養士として、患者さんがどういった食事を求めているのかアンケートを取り、食材や見た目にこだわりつつ、他の病院では提供していないような病院食メニュー作りに精を出しています。
この経験を活かし、子どもたちがたくさん食べたくなるようなメニューを考案していきたいと思います。
福祉施設
私の強みは分析力です。
私は、前職で新商品の開発業務に携わっていました。
新商品を開発するうえで、世の中のニーズを分析し、季節ごとに人気がでる食材を使用した商品を作ることを重要視しています。
私は、顧客の商品購買履歴から人気が出そうな食材を分析し、新商品を開発してきました。
私が考案した〇〇は、季節商品の売り上げトップを記録する大ヒットとなりました。
このような経験を活かし、貴施設では、利用者さんのニーズにあった食事メニューの開発を行いたいと思います。
企業
私の強みは創造力です。
私は栄養士として、老人福祉施設で8年間の勤務経験があり、そのなかで患者さんのニーズにあった食事提供を心がけてきました。
外食をしている気分が味わえるような献立で、かつ、お年寄りの方も食べやすい食材を用いたメニューを考案し、食事提供を行った結果、「食事をするのが楽しみになった」という声をいただくようになりました。
この経験を活かして、貴社では、ファストフード店としてどの世代にも愛されるメニューを考案していきたいと思います。
自分の強みを知り具体化すると栄養士の自己PRができる
栄養士の自己PRを作成するときには、自分の強みを知ることから始めましょう。
自分の強みを知る方法としては、過去の経験や成功体験を強みに変換する方法や、自分の弱みから探す方法があります。
また、自己PRの構成順序も重要です。
自分の強みを最初に述べ、具体的なエピソードを用いて、どのようなことに貢献できるのかをアピールすると、面接官が採用後にどのような人材となってくれるのかを想像でき、印象に残りやすくなります。
応募先の特徴も踏まえながら、栄養士として活かせる自分の強みを見つけてみてください。