
自己PRを書く際には、自身の強みを適切に理解したうえで、企業へ伝えることが重要です。
本記事では、臨床検査技師における自己PRのポイントや例文を紹介します。
例文では、これから臨床検査技師として働きたい新卒向けや、前職で臨床検査技師として働いてきた転職者向けなど、ケース別に分けて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
臨床検査技師の自己PRの書き方のポイント
臨床検査技師の自己PRを書く際、自分の長所や強みを効果的に伝えることが重要です。
まずは、臨床検査技師の自己PRを書くうえでのポイントを詳しく説明します。
自分の長所を書く
自己PRの冒頭で自分の性格的な強みや長所を伝えることで、採用担当者に良い印象を与えられます。
どの強みをアピールするか決めましょう。
これまでの経験を振り返り、どのような対応をしたのかを書き出してまとめるのがおすすめです。
どうしても自分の長所が思いつかない場合は、自分で考えるだけでなく、家族や友人に意見を聞いてみるのも良いでしょう。
自分の長所を客観的に見つめ直すことで、より説得力のある自己PRを書くことができます。
3段構成で書く
次のように自己PRを3段構成で書くことで、読み手に内容が伝わりやすくなります。
- 第1段:自分の強みや長所を紹介
- 第2段:強みを発揮した具体的なエピソードを述べる
- 第3段:その経験を通じて得られた学びや成長について触れる
3段構成で書くことで、自分の主張が明確になり、採用担当者にアピールしたいポイントを効果的に伝えられるでしょう。
また、構成を意識することで、文章にメリハリがつき、読みやすさも向上します。
志望先について調べる
志望先の病院やクリニック、企業について事前に調べておくことは、自己PRを書くうえで重要です。
志望先の理念や方針、求める人材像を理解することで、自分の強みや経験がどのように活かせるかを考えることができます。
志望先について深く知ることで、「この病院に勤めたい!」という熱意や関心の高さを示すことができます。
そうすることで、採用担当者に自分が適任であることをアピールできるでしょう。
具体的なエピソードを入れる
自己PRに具体的なエピソードを盛り込むことは、自分の強みや経験を採用担当者に印象付けるうえで効果的です。
たとえ、自分の長所や実力、人柄が普遍的なものであったとしても、具体的なエピソードを加えることで、採用担当者にその場面を想像させ、より自分に注目してもらいやすくなります。
また、エピソードを通じて自分の行動力や問題解決能力、コミュニケーション力などを採用担当者にアピールすることも可能です。
特に近年は、学力重視の採用から人柄重視、そしてその場の臨機応変な対応力を見る傾向が強まっています。
そのため、自分の強みをアピールする際には、抽象的な内容だけでなく、具体的なエピソードをなるべく用意するようにしましょう。
臨床検査技師が自己PRを書く際の注意点
自己PRを書く際には、いくつかの注意点があります。
ここでは、自己PRを書く上で気をつけるべきポイントを詳しく解説していきます。
自己PR欄を適度に埋める
自己PR欄は、できるだけ8割程度埋めるのが適切です。
あまりに短すぎると熱意が感じられず、採用担当者に不信感を与える可能性があります。
かといって長すぎても読む側の負担になってしまうので良くありません。
自己PR欄は、使用する応募書類によって大きさなどが異なるため、適度な長さで、読み応えのある自己PRを書くことが重要です。
自己PRと志望動機を混同しない
自己PRと志望動機は、似ているようで異なります。
自己PRは、自分の強みや経験、スキルなどを通じて、自分という人間を表現するものです。
一方で志望動機は、なぜその病院で働きたいのか、なぜ別の病院ではダメなのか、その理由を述べる部分です。
仮に、自己PRで志望先で働きたい理由を書いてしまうと、論点がずれてしまい、採用担当者に不審に思われてしまうかもしれません。
自己PRでは、あくまで自分自身に焦点を当て、これまでの経験や培ってきた強みを伝えることに専念しましょう。
否定的な内容を書かない
自己PRには、前職での不満や自分の欠点などの否定的な内容を書かないようにしましょう。
自己PRは、自分の魅力や強みをアピールする場所であり、ネガティブな印象を与えかねない内容は避けるべきです。
同様に、自分のことを必要以上に卑下したり、否定的に表現したりする必要もありません。
自己PRでは、自分の良い部分に焦点を当て、前向きな表現を心がけましょう。
アピールするポイントを一つに絞る
自己PRでは、アピールしたいポイントを一つに絞ることも重要です。
多くの強みや経験を羅列しても、かえって焦点がぼやけてしまい、採用担当者に印象が残りにくくなってしまいます。
自分の最大の強みや、最もアピールしたい経験を選び、それを中心に自己PRを構成しましょう。
ポイントを一つに絞ることで、採用担当者に自分の魅力を強く印象付けることができます。
臨床検査技師の自己PRで「経歴」をアピールする例文
ここでは、臨床検査技師の自己PRで「経歴」をアピールする際の例文を、新卒・転職・未経験からの転職の3パターンに分けて紹介します。
次のポイントを参考に、自分の状況をふまえて魅力的な自己PRを書いてみましょう。
- 新卒(初めての就職で臨床検査技師として働く場合)
学生時代に勉強したことや実習で学んだこと、そこからどうして臨床検査技師として働くことを選んだのかがわかる自己PRを作る - 転職(臨床検査技師の経験あり)
採用側は不足した人材を即座に補いたい、つまり即戦力を求めているので、自分が以前勤めていた検査部でどのような職務経験があるのか詳細に記載する - 未経験からの転職(臨床検査技師としての勤務経験はないが社会人経験はあり)
どうして前職から臨床検査技師をめざしたのか明確にするのは新卒の場合と同じ。これに加えて、一度他職種で働いたことがあるからこそアピールできることを強調する
新卒(初めての就職で臨床検査技師として働く場合)の例文
そこから、臨床検査に興味を持ち、大学は臨床検査技師をめざせる学部を選びました。
そして、血液学や生化学など臨床検査の基礎知識を学ぶなかで、高度で精密な検査技術への関心が強まり、臨床検査技師になることをより強くめざすようになりました。
さらに、臨地実習を通して、臨床検査が陰ながら、しかし確実に患者様の命を救う一助になっている様子を見て、私も臨床検査を通じて貴院のチーム医療に貢献したいと考えました。
転職(臨床検査技師としての勤務経験がある場合)の例文
〇〇病院は第三次救急の総合病院なので、一日に届けられる検体は採血管だけで1,000本以上になり、それらを正確に処理する技術とイレギュラーな事象にも臨機応変に対応する力が求められます。
勤務中は非常に緊張感がありますが、同時にやりがいを感じながら従事しています。
血液検査以外にも、健康診断などで採血や心電図検査、肺機能検査などをローテーションで担当することもあり、患者様と直接やりとりをしながら行う検査も非常にやりがいを感じます。
貴院では、私がこれまで培ってきたスキルと経験を活かし、あらゆる場面で活躍できる即戦力になりたいと思います。
未経験からの転職(臨床検査技師としての勤務経験はないが社会人経験はあり)
そして、その強い思いから退職を決意し、大学に通って現在資格取得のために猛勉強をしています。
当然、すでに貴院で活躍している私と同年代の先輩方と比べるとだいぶ遅れをとっていますが、営業で培った対人スキルとコミュニケーション能力、ストレス管理能力、そして予防医療への熱意をもって、早期に戦力となれるよう尽力します。
臨床検査技師の自己PRで「特長」をアピールする例文
自己PRでは、自分の特長をアピールすることも重要です。
ここでは、責任感・協調性・コミュニケーション能力など、臨床検査技師に求められる資質を、具体的な例文を交えて紹介します。
責任感を伝えたい場合の例文
臨床検査技師の仕事は、患者様の診断や治療方針に直結するため、一つひとつの検査を慎重かつ正確に行う必要があります。
それを常に実行するために、厳格に決められた手順に従い、検査結果の精度を確保するために最善を尽くします。
また、臨床検査技師はただ決められたマニュアルに沿って検査を行えば良いわけではなく、どうしてその結果になったのか理解しておく必要もあります。
実際、現場では検査結果を見た医師から検査部に問い合わせがくることもあります。
その際、臨床検査技師は検査のプロセスと、その結果に至った根拠を説明できなければなりません。
私は、常に「本当にこの結果で問題がないか」を確認し、最後まで責任を持って、医師や患者様に検査結果を届けることを信条としています。
協調性を伝えたい場合の例文
臨床検査技師は、他の医療スタッフとの連携が不可欠な職種です。
検査部門内でのチームワークはもちろん、医師や看護師など、他職種との円滑なコミュニケーションが求められます。
例えば、検査をしていると、まれに判断が難しい検体に出会うことがあります。
そんなとき、すばやく患者様のカルテを見て病状を確認したり、再検査の判断を下したりすることも大切ですが、周りにいるスタッフに声をかけ、第三者の意見を取り入れることも大切な行動だと考えます。
そうすることで、珍しい所見を検査部内で共有し、今後の検査に生かせますし、医師に解説を求められた際もスムーズに経緯を説明できます。
貴院でも、スタッフとのチームワークも大切にし、より良い検査結果を患者様に届けるよう努めていく所存です。
コミュニケーション能力を伝えたい場合の例文
臨床検査技師は、患者様と接する機会は少ないものの、採血や生理機能検査、検体採取時の説明など、患者様とのコミュニケーションが必要な場面があります。
私は、前職では生理機能検査部で心電図検査を担当していましたが、心電図検査は患者様の胸に直接機器を装着して検査を行うので、なかには不安を感じる患者様もいらっしゃいます。
そんなとき、緊張がなるべくほぐれるように落ち着いて話すよう心がけ、患者様がリラックスできるよう努めました。
貴院では、これまで培ってきたコミュニケーション能力を活かし、患者様がよりストレスなく検査に臨めるよう尽力します。
臨床検査技師の就活は自己PRポイントを押さえて行おう
臨床検査技師の就職活動では、通常のサラリーマンとは少々異なるため、何をアピールすれば良いのかわからないということもあるかもしれません。
そんなときは、自分の自己PRのポイントを抑えるのが大切です。
自分の強みや経験を的確に伝えることで、採用担当者に自分の魅力をアピールすることができます。
臨床検査技師は、現代の医療に欠かせない存在です。
その重要な役割を担うために、自分の強みや魅力を存分にアピールし、志望先の医療機関から求められる人材になれるよう努力しましょう。