
薬剤師のなかでも、管理薬剤師は年収が高いことで知られています。
管理薬剤師は一般の薬剤師は行わない調剤薬局の管理・運営に関する重要な役割を担っているので、高い給与が支払われる傾向にあるのです。しかし、管理薬剤師の仕事は、その給料に見合った苦労が伴います。
本記事では、管理薬剤師の年収の実態や一般薬剤師との年収差、年収が高い理由などについて詳しく解説します。
目次
管理薬剤師の年収は?
一般に管理薬剤師の平均年収は高いと言われています。
では、一般の薬剤師や日本の平均年収とどれくらい違うのでしょうか。政府の集計をもとに紹介します。
一般薬剤師と管理薬剤師の年収の違い
中央社会保険医療協議会が集計した令和5年度の第24回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告によると、によると、令和4年度の薬剤師の年収と管理薬剤師の年収は以下のとおりです。
- 薬剤師の平均年収:約486万円
- 管理薬剤師の平均年収:約735万円
管理薬剤師は一般薬剤師に比べて、平均年収が約249万円高くなっています。
また、調査結果では運営店舗数が少ない調剤薬局ほど、全体的に管理薬剤師の年収が高くなる傾向もありました。
たしかに管理薬剤師は、一般の薬剤師よりも高い給与が支払われているようです。

日本の年収と管理薬剤師の年収の違い
国税庁による令和4年分民間給与実態統計調査 によると、日本の給与所得者の平均年収は約458万円でした。
管理薬剤師の平均年収は約735万円なので、日本の平均年収と比べても高い水準にあるといえるでしょう。
管理薬剤師の年収が高い理由
なぜ管理薬剤師の年収は一般薬剤師よりも高いのでしょうか。
その理由について、以下の3つの観点から詳しくみていきましょう。
従業員の指導・管理を行う立場だから
管理薬剤師は、調剤薬局で働く一般薬剤師を含む従業員の指導・管理を行う立場にあります。
また、従業員が適切な業務を行っているかどうかを管理し、必要に応じて教育を実施するのも管理薬剤師の仕事です。
このように、管理薬剤師は部下の管理・育成という重要な役割を担っているため、一般薬剤師よりも高い給与が支払われています。
医薬品の在庫に責任を持つ仕事だから
管理薬剤師には、店舗の医薬品を区別して陳列・貯蔵する責任があります。
また、冷蔵庫など医薬品保管庫の温度管理など店舗の医薬品を適正な管理の管理薬剤師の仕事です。
もし、医薬品の管理に問題がある場合は、開設者に意見をする必要もあります。
このように、医薬品の在庫管理という重要な仕事を任されているからこそ、管理薬剤師には高い年収が支払われているのです。
情報提供業務の指導的役割を負っているから
管理薬剤師は、以下の情報提供をする業務を自らが行うか、他の薬剤師に行わせます。
- 薬の購入者の顔色などから、求めている医薬品が適切かどうか判断する
- 薬の適正使用のための服薬指導・情報提供
- 副作用の苦情や相談の受付
- 一般用医薬品では対応できないと判断する場合医療機関への受診をすすめる
- コミュニケーションを通じた購入者のアフターケア
また、管理する調剤薬局に必要な情報が入手できるように体制を整備するのも、管理薬剤師の役目です。
店舗の運営・管理を行うから管理薬剤師の年収は高い
このように管理薬剤師は調剤薬局の責任者として、実地で管理する立場にあります。店舗全体の運営・管理を行う責任があるからこそ、管理薬剤師は一般薬剤師よりも高い年収となっているのです。
管理薬剤師は年収は高いが責任をともなう仕事
管理薬剤師は一般薬剤師よりも年収が高い一方で、多くの責任がともなう仕事でもあります。
従業員の管理・指導や医薬品の在庫管理、店舗の運営・管理など、調剤薬局の要として重要な役割を担う必要があるのです。
高い年収を得られる反面、責任も大きくなるため、管理薬剤師を引き受けるには、相応の覚悟が必要といえるでしょう。