
理学療法士として就職先を考えた場合、民間病院やクリニック、訪問リハビリなどが挙げられます。
そのうち、公立病院や国立病院などでは、理学療法士は公務員として働くことが可能です。
さらに、理学療法士として働くだけに留まらず、行政職に従事、多方面へ活躍の幅を広げることも期待できます。
この記事では、理学療法士が公務員として働くにはどうすれば良いのか、公務員としての仕事内容や給料について紹介していきます。
目次
理学療法士が公務員として働くには?
理学療法士が公務員として働くには、理学療法士の資格を取得することに加えて、公務員試験を受ける必要があります。
受験する自治体によって違いますが、理学療法士の公務員試験内容は、大まかに理学療法士の専門知識を問う「専門試験」またはSPI試験のような「一般教養試験」、「小論文試験」、「面接」などです。
受験資格についても、見落としてはいけないポイントがあります。
公務員試験は誰でも受験ができるわけではなく、例えば採用時の年齢が40歳以下など、自治体独自で年齢制限を設けているケースもあるため、応募する前に確認する必要があるのです。
理学療法士の公務員としての募集は、主に地方自治体の公立病院や県立病院などが多く、こうした勤務先での主な業務内容は、患者さんへのリハビリテーション業務となっています。
公務員として就職した場合でも、民間企業における理学療法士としての仕事内容とそれほど変わりはありません。
公務員の理学療法士の職場と仕事内容
公務員の理学療法士の勤務先はおもに公立病院などですが、それ以外にも活躍できる場所があります。
それは、行政機関です。
ここでは、公務員の理学療法士が活躍できる場所や仕事内容を紹介します。
国立病院や市立病院など
理学療法士として、国立病院や県立病院などの公立病院に勤める場合、仕事内容は民間病院で働く理学療法士とほとんど変わりありません。
しかし、公立病院は規模が大きく総合病院であるという特徴を持つところが多いため、さまざまな疾患を抱える患者さんにリハビリテーションを提供する必要が出てきます。
さまざまな疾患に対応できるように、幅広い知識と技術を習得することが重要です。
市役所などの行政機関
理学療法士として行政機関に勤める場合は、患者さんと直接関わる機会は少なくなります。
介護保険や医療保険などの行政サービスを利用する患者さんの対応が、主な仕事です。
地域住民に対しての個別支援や集団支援に留まらず、住民のニーズに応じて介護予防や施設間連携の円滑さをめざす施策を行うなど、業務内容は多岐にわたります。
個人に対しての対応が主である公立病院と異なり、行政機関では組織や地域に対する支援も求められます。
日本理学療法士協会のホームページに「行政リハビリ専門職のための手引き」が掲載されているため、参考にしてみてください。
公務員の理学療法士の給料事情
公務員の理学療法士になった場合、年収や昇給に関して気になる点も多いと思います。
ここでは、公務員の理学療法士の年収を国家公務員俸給表から確認し、同時に昇給についても紹介していきます。
公務員の理学療法士の年収
公務員の理学療法士の場合、国家公務員俸給表では「医療職俸給表(二)」、地方公務員給料表は「医療職給料表(2)」を確認します。
令和3年地方公務員給与実態調査結果によると、理学療法士を含む薬剤師・医療技術職の平均給与月額合計は、388,685円となっています。
賃金構造基本統計調査 令和3年賃金構造基本統計調査の結果では、作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士も含んだ一般的な理学療法士の現金給与額は296,000円です。
一般的な理学療法士と比較し、地方公務員の理学療法士の給与は高い傾向にあります。
公務員の理学療法士の昇給
公務員の理学療法士としての昇給は、俸給表をもとに決められます。
もちろん職場によって異なりますが、基本的には号俸が毎年上がっていき、さらに役職などがつくことで給与も上がる仕組みです。
俸給表で確認してみると、号数が1つ上がるごとに給与は約1,000〜2,000円上がり、等級が上がると数万円上がることが確認できます。
そのため、等級を上げることが大幅な給与アップのポイントとなるのです。
理学療法士は公務員として働く道もあるので選択肢の一つに
理学療法士として働き続ける将来を考えたときに、民間病院や訪問リハビリなどで働くケースと並び、今回の記事で紹介したように公務員として働くことも候補に挙げられます。
その場合、働く場所も仕事内容もさまざまで、公務員の理学療法士として活躍の場は多岐にわたります。
給与に関しても一般的な理学療法士よりも高く、年功序列の制度を採用しているところが多いため、安定的な昇給が見込めるでしょう。
ぜひ、就職先の候補として考えてみてください。