
歯科医師の資格を得る方法と、歯科医師になると付与される資格について解説します。
記事の前半では、歯科医師資格を得るために必要な過程を、国家試験前と、国家試験合格後の2つに分けて見ていきましょう。
記事の後半では、歯科医師国家試験に合格した際に自動的に得られる歯科医師以外の資格や、歯科医師になることで試験が一部免除されたり、受験資格を得たりできる資格を紹介します。
目次
歯科医師として働くには?【資格・研修】
歯科医師として働くためには、受験資格を満たしたうえで国家試験に合格し、歯科医師免許を取得後、1年以上の臨床研修を修了する必要があります。
受験資格を満たす
歯科医師国家試験の受験資格を得るには、学校教育法に基づく大学で歯学の課程を修めて卒業、あるいは卒業見込みでなければなりません。
歯科大学、もしくは大学歯学部で6年学ぶ必要があります。
歯科医師国家試験に合格する
受験資格を満たしたうえで歯科医師国家試験を受験し、合格すると、歯科医師免許を取得することができます。
歯科医師国家試験の合格率は60%程度と低い水準です。
合格率が低い背景には、近年の歯科医師増加により、歯科医師の数を抑制せざるを得ない現状があります。
歯科医師国家試験は全360問で構成されており、その内訳は以下のとおりです。
- 必修問題:80問
- 一般問題:180問
- 臨地実習問題:100問
歯科医師臨床研修を受講する
歯科医師国家試験に合格し、歯科医師免許を取得しても、すぐに歯科医師として働けるわけではありません。
歯科医師として診療に携わるためには、歯科医師免許の取得後、臨床研修を1年以上受講する必要があります。
ただし、研究職など診療に一切従事しない場合は不要です。
歯科医師になると得られる資格
歯科医師免許を取得すると同時に、いくつかの資格が自動的に付与されます。
付与される資格は以下のようなものです。
- 食品衛生管理者
- 衛生検査技師
- 衛生管理者 など
また、それ以外にもいくつかの資格においては、受験資格が付与または試験の一部が免除されます。
該当する資格は次のとおりです。
- 臨床検査技師
- 労働衛生コンサルタント
- 介護支援専門員 など
例えば、通常臨床検査技師になるためには大学や専門学校で養成課程を修了し、国家試験に合格する必要がありますが、歯科医師免許を持っていれば、すぐに臨床検査技師の国家試験を受験できます。
歯科医師の資格を得るにはそれなりの時間がかかる
歯科医師の資格を得るためには、所定の学校で6年以上勉強したのちに、国家試験に合格する必要があります。
そして歯科医師国家試験合格後も1年以上の臨床研修が求められるため、歯科医師として働くまでには最短で7年もの期間が必要です。
しかし、取得するまでに時間がかかる一方、他の資格も同時に取得できるなど、多くのメリットもあります。
