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臨床心理士の就職先とは?就職先一覧と各職場の役割・仕事を解説

「臨床心理士の就職先はどのようなところがあるの?」
「臨床心理士の資格がどこで活用できるか知りたい」
このような疑問を持っている方がいるかもしれません。

臨床心理士が活躍する場所は、医療や教育の現場など多岐にわたっているのが特徴です。

この記事では、臨床心理士の就職先を、一覧ですぐに確認できます。
また、各職場での役割や仕事内容も解説しています。
臨床心理士として働きたい方、興味のある方はチェックしてみましょう。

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臨床心理士の主な就職先

臨床心理士の主な就職先

臨床心理士はどのような場所で働いているのでしょうか。
ここでは主な就職先として、次の9つの職場を紹介します。

  • 医療施設
  • 保健施設
  • 小・中・高等学校
  • 大学・研究所
  • 福祉分野
  • 企業
  • 刑務所
  • 警察署
  • 司法

各施設における役割や仕事内容も紹介するので、参考にして臨床心理士の仕事のイメージを膨らませましょう。

医療施設

臨床心理士が働く場所として最も多いのが、医療・保健施設です。

病院や診療所などの医療施設では、医師の指示を受けて心理的な検査やカウンセリングを行います。
精神科・心療内科で専門性を発揮できるように思われますが、他部門でも医師の要望に応じて心理的な支援をしたり、相談室を設けたりして活動することがあります。

精神疾患や心の問題を抱えている患者さんに対する相談だけでなく、病気や怪我で精神的な不安のある方への支援も行っているのが特徴です。
さらに患者さんを支えるご家族の心理的なサポートや、患者さんに関わる医療施設の職員に指導や助言をするのも仕事です。

医療施設には多くの専門職が働いており、チームの一員として、患者さんの精神・心理面の情報を医師や看護師と共有します。

保健施設

公的施設である保健所や保健センター、精神保健センターなどでは、公務員として勤務することが多くなっています。

地域住民の健康管理やアルコール依存症、薬物依存症で悩んでいる方の相談・援助などが主な仕事です。
また、引きこもりの相談や援助、乳幼児の精神的な発達に関する発達検査なども行います。

医療機関のような病気の治療の場ではなく、 地域住民やご家族の悩み相談、病気に発展しないための予防的な関わりが仕事の中心となります。

小・中・高等学校

医療・保健施設の次に臨床心理士が多く働くのが、小・中・高等学校のような教育機関です。

公立の小・中・高等学校では、文部科学省がスクールカウンセラーの設置を推進する事業を行っていることが臨床心理士の就職を後押ししています。

多感な時期の生徒に対してカウンセリングを行い、いじめや不登校、発達に関する問題の心理的な支援を行います。
また、問題の解決にあたって、生徒だけでなくご家族に対しての援助や、教師と連携して話し合いを行うのも業務です。

大学・研究所

臨床心理士として実務を行う以外にも、大学や研究所に就職して心理学やカウンセリングに関する研究・調査を行う選択肢もあります。

また、大学での研究を進めるのと並行して、教官となって後進の育成をするのも大学・研究所での役割です。

このような機関には学生相談室や臨床心理センターが併設されていることがあるため、そこで学生や教員に対してのカウンセリングをすることもあります。

福祉分野

福祉分野では次のような施設が職場になります。

  • 児童相談所
  • 幼稚園や保育所
  • 療育施設
  • 老人福祉施設

児童相談所では、児童虐待の対応や複雑な家庭環境で育った子どもに対しての支援を行います。
また、幼稚園や保育園、療育施設では発達障害や療育の悩み、疑問を持つ保護者の相談も業務です。

老人福祉施設では、認知症患者さんの対応やご家族の相談・支援などを行います。

企業

企業内の健康管理部門や相談室で、悩みを持つ従業員に対しての相談援助などを行うのが役割です。

近年、心理的なストレスによる問題を抱える労働者の増加にともない、メンタルヘルス対策を実施する動きが進められています。
大企業では臨床心理士だけでなく、産業医や保健師も一緒に雇用してメンタルヘルス対策を行っていて、そのチームの一員として従業員のカウンセリングなどを行う場合もあります。

刑務所

刑務所に入所している受刑者に対して、カウンセリングや心のケアを行います。

2006年に刑務所の処遇が改善されて民間のカウンセラー導入がはじまり、そこに臨床心理士も含まれています。

刑務所、少年院や少年鑑別所では、非行や犯罪の原因を面接や心理的な検査をもとに客観的に分析し、当事者の心に寄り添いながら立ち直りに向けた処遇方針を作成したり、指導プログラムを実施したりします。

警察署

警察署では、性犯罪、暴行、ストーカーなどの被害者に向けて、臨床心理士のカウンセリングを受けられる窓口を用意しています。
相談窓口にて、電話や面談で被害者の心の傷の回復を手助けするのが臨床心理士の役割です。

また、少年課において、非行少年やそのご家族に対する相談や非行防止に向けた取り組みも行います。

必要に応じて、裁判所や捜査活動での付き添いを行ったり、医療機関や援助センターなどの他機関と連携を図ったりすることもあります。

司法

家庭裁判所での調査官として、少年事件などの加害者に対する心理的な援助や処遇の検討などに関わります。

裁判の際に罪を犯した人の量刑を判断する際の材料として、裁判官の指示により専門的な技術を駆使しながら心理状態を評価するのが役割です。
非行の動機や心理的な状況を客観的に調べ、その結果から改善する方策を検討して、報告書にまとめて裁判官に提出します。

裁判官や書記官などの専門職とチームになって、家庭内の紛争の解決や非行からの立ち直りを導くことが、司法で働く臨床心理士の仕事です。

臨床心理士は今後就職先が減少する可能性がある

2017年に公認心理師法が施行されたことにより、心理カウンセラーの国家資格が誕生しました。

臨床心理士も公認心理師も大学や大学院で一定の教育を受ける必要があり、その専門性が近い資格です。
公認心理師が働く場所は医療・保健分野、教育分野の順に多く、その他は福祉、司法、産業などの場所も含まれます。
臨床心理士と就職先がほぼ同じであるため、今後は民間資格である臨床心理士の働く場所が国家資格である公認心理師に取って代わられる可能性もあります。

まだ公認心理師資格ができて間もないため、今後の動向に注目が必要です。

臨床心理士は多方面で活躍できるが今後の展開には注意が必要

臨床心理士は心理学やカウンセリング手法などの専門性を駆使して、医療・保健、教育、福祉や司法など多方面で活躍できます。
臨床心理士として就職する際には、働きたい分野をしっかり検討しましょう。
また、最近できた国家資格である公認心理師と職域が重なるため、今後、どのように住み分けがされるかは注意が必要です。
興味のある就職先で必要な資格は何か、求人でチェックしておきましょう。

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執筆者について

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