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臨床心理士になるためには、資格試験への合格が必要です。
公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の公式サイトによれば、資格審査はまず一次試験を通過したうえで、二次試験の合格基準を満たさなければなりません。
過去10年間の合格率は60%程度で推移しており、資格取得に向けて計画的な勉強が必須といえるでしょう。
本記事では、臨床心理士資格審査のために勉強すべき内容を解説します。
臨床心理士の資格取得にあたって、勉強方法に迷っている方は参考にしてみてください。
目次
臨床心理士になるために勉強しておくべきこと
臨床心理士の資格審査は年1回行われており、試験内容は一次試験と二次試験に分かれています。
一次試験のうち多肢選択方式試験の合格点を下回った場合、二次試験は受けられません。
試験範囲は基礎から実践的なものまで幅広いことが想定されるため、資格取得に向けて計画的に勉強を進めましょう。
一次試験の内容
一次試験の内容は、100題のマークシートを2時間30分で解く「多肢選択方式試験」と、心理臨床に関連するテーマについて1時間30分で論述する「論文記述試験」の2種類です。
心理学における基礎的な知識だけでなく、特定のテーマに関する深い知識も求められるため、いずれも事前の対策が重要になります。
多肢選択方式試験
多肢選択方式試験では、臨床心理士として理解しておく必要のある専門基礎知識が主に問われます。
心理学の基礎に加え、以下のような臨床心理士の基本業務に関する設問もあるため、きちんと復習しておきましょう。
- 臨床心理査定
- 臨床心理面接
- 臨床心理士的地域援助
- それらの研究調査
また、臨床心理士に関わる倫理や法律関連の問題、求められる態度・姿勢についても出題されます。
これらの知識が臨床実践においてどのように活かせるかが問われるため、ただ情報を丸暗記するのではなく、自身の臨床実践体験と照らし合わせながらの学習が大切です。
論文記述試験
臨床心理士の論文記述試験は、心理臨床に関するテーマが一つ出題され、そのテーマについて1,001字以上1,200字以内で記述するという内容です。
社会問題に対して臨床心理士の立場で論じるものや、現場を想定したアセスメントに関する論述などが出題されます。
定められた文字数内で簡潔にテーマを論じる必要があり、文字数の過不足や知識不足は減点対象となりかねません。
与えられるテーマも専門性の高いものが想定されるため、過去問集などを購入して論述に慣れておきましょう。
二次試験の内容
一次試験の多肢選択方式試験で得点が一定水準に達した受験者のみ、二次試験に進むことが可能です。
二次試験は、面接官2名を相手にした「口述面接試験」で、臨床心理士としての基本的な態度や姿勢、心の専門家として身につけておくべき人間関係のスキルが問われます。
面接試験を実際の臨床実践の場と仮定し、臨床心理士としてどのように立ち振る舞うべきかを考えながら臨むことが大切です。
面接官ではなく相談者を前にしたときと同じように、専門知識をもとに論理立てた受け答えをしましょう。
臨床心理士の勉強時間の目安
臨床心理士の試験に合格するためには、大学院で基礎を学んでいることを前提とした場合で、約180時間以上の勉強が必要とされています。
そのため、1日2時間勉強しても3ヵ月はかかるでしょう。
学習スピードには個人差もあり、一概に何時間勉強すれば良いとは言い切れませんが、試験は例年10~11月に実施されるため、計画的に学ぶことが大切です。
令和4年の合格率は64.8%と低くないため、日常的に学習習慣を身につけておけば、十分合格をめざせる難易度だといえます。
臨床心理士の勉強は臨床実践を想定しながら進めよう
臨床心理士の資格試験は、多肢選択方式試験と論文記述試験が実施される一次試験と、口述面接試験の二次試験に分かれています。
多肢選択方式試験では、臨床心理士がおさえておくべき基礎知識が問われると同時に、その知識を臨床の現場でどのように活用できるかという視点も必要です。
また、論文記述試験や口述面接試験でも、実習などを通して身につけた経験が活きてくるでしょう。
座学の内容をただ暗記するのではなく、実際の臨床実践を想定しながら試験勉強を進めることが、臨床心理士試験を突破する鍵となります。