
臨床心理士は、相談者や依頼者の抱えている心の問題に寄り添い、良い方向に導けるよう支援する仕事です。
支援が実を結ぶまでには時間がかかることもあり、根気強さや忍耐力が必要ですが、一方でやりがいや喜びを感じられる場面も多くあります。
臨床心理士として長く活躍するために、やりがいは大きなモチベーションとなるでしょう。
この記事では、臨床心理士のやりがいと働くうえでの魅力を解説します。
臨床心理士をめざしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
臨床心理士がやりがいを感じるときは?
臨床心理士がやりがいを感じる場面として、以下のようなものが挙げられます。
- 相談者の心の変化が見られたとき
- 依頼者や周囲の方から感謝されたとき
- 相談者と信頼関係を築けたとき
- 継続的な学びで成長できること
順に詳しく見てみましょう。
臨床心理士の仕事内容について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご参照ください。
相談者の心の変化が見られたとき
悩みや不安を抱えている相談者のカウンセリングを繰り返すなかで、相手の心境が変化する場面があります。
自分のカウンセリングを受けた相談者が、良い方向に変化する過程に立ち会えることで、臨床心理士としてのやりがいを感じられるでしょう。
相談者の心境に良い変化が起きた例として、次のようなものが挙げられます。
- 自分の感情や考えを打ち明けられず抑え込んでいた相談者が、自由に表現できるようになる
- 活力がなく落ち込んでいる様子だった相談者が、物事に挑戦する意欲を取り戻す
相談者が前向きになっていく様子を実感できたとき、支援が実を結んだという喜びにつながるでしょう。
依頼者や周囲の方から感謝されたとき
依頼者やそのご家族、職場の方などから感謝されたときにも、やりがいを感じます。
臨床心理士は相談者のカウンセリングを行うだけでなく、医療従事者と協働するケースも珍しくありません。
医療の現場における臨床心理士の役割は、医師や看護師へ患者さんの心理傾向を伝えるとともに、患者さんに望ましい生活ができるようサポートをすることです。
自分の支援が役立ち、適切な医療を提供できたことで感謝される場面などは、臨床心理士として大きな達成感を味わえるでしょう。
教育現場では、いじめや友人関係、進路選択などに悩んでいる児童や学生に対するカウンセリングが主な業務です。
この場合も同様に、問題や悩みが解決に向かい相談者やご家族から感謝を伝えてもらえたときに、やりがいを感じられます。
相談者と信頼関係を築けたとき
カウンセリングに訪れた相談者と一度話しただけで、信頼関係を築くことはできません。
何度もカウンセリングを繰り返し、心理検査を行い、長時間コミュニケーションをとり続けることで、少しずつ信頼を得られるようになります。
心に問題を抱えた相談者と信頼関係を築くことは容易ではなく、時間や労力がかかる場合もあるでしょう。
そのぶん、相談者が心を開いてくれたときの喜びは、臨床心理士のモチベーションアップにつながります。
継続的な学びで成長できること
臨床心理士が相手にするのは生身の人間であり、一人ひとりに対して適切な支援を提供するためには、心理学分野の継続的な勉強・研究が必要です。
資格さえ取得すれば、どのようなケースでも解決できるわけではありません。
毎日の業務をこなしつつ、勉強会への参加など自己研鑽を行うことで自分自身の引き出しが増え、より柔軟な考え方ができるようになります。
結果として、以前はできなかったカウンセリング方法を習得できたり、難しいケースの解決方法に気付けたりするでしょう。
地道な努力が仕事に反映され、自分の成長を実感できたときには、やりがいにつながります。
臨床心理士の職場の魅力
臨床心理士は、医療施設や学校など職場の選択肢が豊富にあり、自分の適性や興味に合わせて働き方を決めやすい点が魅力です。
また、独立することでより高収入もめざせるでしょう。
働く場所が多い
臨床心理士の職域は広く、働ける場所も数多くあります。
- 医療施設
- 保健施設
- 教育現場
- 研究所
- 福祉施設
- 産業領域
- 司法分野・警察分野
各施設・分野によってクライエントとなる対象は、子どもや成人、高齢者のほか、会社員、受刑者などさまざまです。
このように、臨床心理士は職場の選択肢が豊富にあり、自分の経験したい分野や実現したいことに合わせて勤め先を選べます。
独立開業し高収入をめざせる
臨床心理士は施設などに雇用されるだけでなく、独立し心理カウンセラーとして開業することも可能です。
常勤公認心理士の年収は300万~500万円程度ですが、独立開業し多くのクライエントがつけばより多くの収入も見込めるでしょう。
また、働く時間を自分の裁量で決められる点も、独立開業の魅力です。
ただし「収入が安定しない」「集客のための施策を考える必要がある」といったデメリットもあるため、自分に適した働き方を見極めましょう。
自分が臨床心理士に向いているのか知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
臨床心理士のやりがいや魅力を知り資格取得をめざそう
臨床心理士は、相談者や依頼者を支援するなかで心境の良い変化を間近で見守れたり、直接感謝の言葉を伝えてもらえたりと、やりがいを感じる場面が多くあります。
悩みやトラブルを抱えた相談者と信頼関係を築くには時間がかかりますが、心を開いてくれたときには大きな喜びへとつながるでしょう。
また、臨床心理士は医療・保健分野や教育分野など活躍の場が幅広いだけでなく、独立開業という選択肢もあります。
自分の理想とする臨床心理士の姿を実現するため、資格取得をめざしてみてください。