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「面接となると、いつも緊張してしまう」
「園児に対しては歌ったり、お話したりできるのに、大人相手の面接は苦手」
このように、面接に対して苦手意識を持っている保育士も多いのではないでしょうか。
この記事では、保育士の面接でよく聞かれる質問と、その回答例を紹介しています。
また、面接に臨む際のポイントも併せて解説しています。
面接に自信を持って臨めるよう、参考にしてみてください。
目次
【回答例付き】保育士の面接で聞かれる質問
1:自己紹介をお願いします
面接での自己紹介では、自分についての基本的な情報を伝えるだけでは十分ではありません。
採用担当者にどういう人間なのか、どう活躍できるのかをイメージしてもらうためのものだからです。
どのような職場で働き、どういった経験があるかなど、ポイントを絞って簡潔に説明することが必要です。
〇〇と申します。
これまでに、公立保育園で3年間勤務した経験があります。
1歳児から3歳児を担当しました。運動に注力して取り組んだ結果、運動を習慣化すると子どもの成長の活力になることを実感しました。
今までの経験を活かして、即戦力として貴園に貢献していきたいと考えています。
〇〇と申します。
私は、小さい頃から音楽が得意で、学生時代にコンクールで入賞した経験があります。
子どもと一緒に遊びながら、音楽が楽しいと思ってもらえるような保育をしていきたいです。子どもと一緒に過ごすことが好きなので、さまざまな年齢の子どもたちと関わりたいです。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
2:自己PRをお願いします
自己PRも、保育士の面接で聞かれる質問です。
採用担当者は、自己PRを聞くことで、園にとって採用するメリットがある人材かどうかチェックしています。
自己PRでは、志望先で自分のどのような強みをどう活かせるかを、具体的に伝えることが重要です。
また、自己PRと長所では、面接で聞く目的が違います。
自己PRを聞く目的は、どういった強みがあって、園にどう貢献できるかの確認です。
一方、長所を聞くのは、人柄が園の雰囲気に合っているかどうかをチェックするのが目的となっています。
前園では、後輩保育士やパート・アルバイト保育士をまとめる立場として、保育士同士のコミュニケーションをつなぐ役割でした。当初は保育士同士の会話があまりなく、ストレスを感じやすい状況でしたが、お互いが話しやすい環境づくりに努めた結果、雰囲気が改善しました。
これにより、お互いに協力しやすい状態になったことも感じています。
こうしたコミュニケーション能力を活かして、貴園でも、積極的にコミュニケーションを取り、働きやすい職場環境をつくっていきたいと考えております。
工作や絵など、作品を制作するのが得意です。
ものづくりが好きで、得意分野を活かせると思い、保育士をめざしました。たとえ子どもたちが制作につまずいたとしても、ものづくりの楽しさを伝えられると考えています。
貴園の「子どもたちの感性を磨く」という教育方針を実現するために、制作を通じて感性を伸ばしていけるようにサポートしていきたいと思います。
3:当園を選んだ理由はなんですか(志望動機)
志望動機を質問された際には、園の保育理念と、自身の保育観がマッチしていることをアピールすると良いでしょう。
採用側が求人の際に志望動機を質問するのは、どれだけ熱意を持っているかを測り、自園が求める人材と志願者の動機がミスマッチしていないかを見極めるためです。
事前にホームページや見学で園の特徴や方針を確認し、志望動機を考えておきましょう。
貴園の「子どもの育とうとする力をサポートする」という運営方針に共感を覚えたためです。私は、それぞれの子どもの成長に寄り添う保育をめざしたいと考えています。
先日、貴園を見学させていただいた際、できることがそれぞれ違う園児を見守り、一人ひとりに丁寧な対応をしている先生方の姿を見て、感銘を受けました。
私も勉強させていただきながら、ぜひ貴園で子どもの育つ力をサポートしたいと思い、志望しました。
4:あなたの長所と短所を教えてください
長所については、保育士の仕事と結び付けやすいものや、保育士として求められる要素を答えるようにしましょう。
短所については、ただ短所だけを述べるのではなく、どのように克服していくのかもセットで伝えると、課題解決能力がある人物だとみなされ、好印象につながりやすくなります。
私の長所は、責任感があることです。
保育士は子どもの命を預かる仕事であり、責任感は欠かせないと考えます。
子ども一人ひとりを観察し、常に危険がないように環境を整えながら業務についてきました。
貴園でも、長所を活かして、子どもたちが安全に過ごせるように対応していきたいです。短所は、臨機応変な対応が苦手なことです。
子どもの病気や怪我など、予期していない出来事に遭遇した際は、慌てずにまわりの保育士に相談することで、解決するようにしております。
私の長所は、柔軟性があることです。
学生時代のアルバイトでは、マニュアルどおりの対応だけではなく、目の前のお客様に合わせた対応を心がけた結果、お客様アンケートで取りあげられ、表彰されました。
貴園では、その長所を活かし、一人ひとりの子どもに合わせた柔軟な対応をしていきたいです。短所は、優柔不断な部分があり、一人で物事を決めるのが少し苦手なことです。
そのため、悩んだときには自分だけで抱え込まず、報告・連絡・相談を密に行うことで、仲間と一緒に決められるように努めています。
5:保育士をめざしたきっかけを教えてください
保育士をめざしたきっかけも、面接でよく聞かれる質問です。
エピソードがあれば、それを具体的に話すようにしましょう。
具体的なエピソードを思いつかない場合は、子どもと関わった保育の経験から感じた喜びや楽しかったことなどから考えてみるのも良いです。
私が保育士をめざしたいと思ったのは、子どもの成長を近くで感じたいと思ったからです。子どもの頃から親戚の集まりがあると、自分よりも下の子の面倒を見る機会が多くありました。
自然と保育の仕事に興味をもち、保育士の資格を取って働いていましたが、妊娠したため現場を離れることとなりました。
出産し自身の子を育てながら、子どもの成長を見守る喜びをあらためて感じています。
保育士として働いていた頃の気持ちを思い出して、これからも保育に関わりたいと思い、保育士としての復職を決意しました。
6:なぜ幼稚園ではなく保育園を選んだのですか
保育士の面接では、幼稚園ではなく保育園を選んだ理由を聞かれることもあります。
この質問の意図は、幼稚園と保育園の違いを理解しているかどうかや、保育への熱意をチェックすることです。
保育園は児童福祉施設で0歳から小学校就学前まで、幼稚園は学校教育施設で満3歳から小学校就学前までの子どもを対象としているといった違いを把握しておきましょう。
私が幼稚園でなく保育園を選んだ理由は、子どもたちとより深く関われると考えたからです。
また、私自身が保育園に通えてよかったと思っていることもあります。幼稚園は学校教育施設であり、教育という側面が強いです。
対して保育園は、より幼い頃から長期間保育をすることができ、多くの感動が味わえると感じています。
したがって、幼稚園よりもより長い時間、より生活に即した関わりができる保育園を志望しました。
7:保育士として大切にしていること・大切にしていきたいことはありますか
保育士として大切にしていることや大切にしていきたいことも、保育士の面接で聞かれることがあります。
質問の意図は、保育に対する考え方を知りたいということです。
保育に対する考え方は一人ひとり違うため、自分が思っている理想の考えを素直に話せば問題ありません。
大切にしようと思ったきっかけやエピソードを付け加えると、説得力が増します。
私が保育士として大切にしていることは、子どもたちの自分で考える力を養うことです。
大人の考えを押し付けず、注意される理由に対して自分で納得できたほうが自分の力で改善できるようになると思うからです。前職では、おもちゃの取り合いでトラブルになったことがありました。
そのとき、ただ叱るのではなく、気持ちに寄り添いながら相手がどう思っているかを一緒に考えることで、子どもたちが自分の意思で謝ることができるようになるのを目にしたことがきっかけです。
私が保育士として大切にしていきたいと考えていることは、子どもたちの成長を引き出すことです。
子どもたちは日々成長していくため、発達段階に応じた最適な保育を行うことが重要だと思います。年齢によってできることやできないことがあるとはいえ、できなかったことができるようになるのは、本人だけでなくまわりの人にとってもうれしいものです。
子どもたちの成長スピードに合わせた働きかけができるようになりたいと考えております。
8:どのような保育士になりたいですか
保育士の面接では、どのような保育士になりたいかといった質問をされることもあります。
この質問の意図は、保育士として働く意欲や将来への展望などを知るためです。
自分のなかで明確なビジョンがあれば、具体的に回答するようにします。
前職での課題やエピソードを加えると、説得力が増す内容になります。
面接官に具体的にイメージしてもらえるため、積極的に活用しましょう。
私が保育士としてめざしているのは、保育分野でのさらなるキャリアアップです。
そのためには、専門性を高めて、自分の得意分野を伸ばしていきたいと考えております。前職では幼児保育を担当していました。
幼児と関わることにはやりがいを感じていましたが、至らない点も多く専門性の不足を痛感した経験があります。
幼児保育が専門の貴園に勤めることで、専門性を磨き、この経験を乗り越えられると思い応募しました。
幼児保育の分野で、専門性をもった保育士になりたいです。
9:ほかにも応募している園はありますか
保育士の面接では、ほかにも応募している園はあるかといった質問もされます。
面接官は、他の園にも応募してることを想定しているとはいえ、第一志望と言われたほうが熱意を感じるものです。
さらに、なぜ面接している園が第一志望なのか具体的な理由を添えると説得力が増します。
志望先で働きたい熱意さえアピールできれば、他の園にも応募していることを伝えても問題ありません。
他園にも応募していますが、貴園を第一志望と考えております。
なぜなら、貴園の保育理念が私の考えと一致しており、貴園であれば私が理想としてる保育ができると確信しているからです。
また、貴園の保育内容に魅力を感じており、今までの経験を活かして貢献できるとも考えています。
ぜひ貴園で働きたいと思い、貴園を第一志望としております。
10:なにか質問はありますか(逆質問)
面接の最後に「質問はありますか」と、逆質問の機会を与えられます。
ここでは、実際に園で働くことを想定した質問をすると、意欲的ととらえられ、好印象を得られるでしょう。
ホームページなどで調べればわかる内容や、待遇面を聞くことは、あまり印象が良いとはいえません。
事前に聞きたいことを用意しておきましょう。
実際に貴園で働く場合、今から勉強しておいたほうが良い分野や、取得をめざしたほうが良い資格はありますか。
趣味で音楽活動をしているので、保育でも歌う楽しさや音楽の魅力を伝えていきたいと考えています。
貴園では、具体的にどのような音楽の時間をとっていらっしゃいますか。
【ケース別】保育士の面接でよくある質問
保育士の採用は新卒採用だけではなく、経験者の中途採用や、パート・アルバイト採用などがあります。
それぞれの場合で、面接でよく聞かれる内容が違うため、ケース別によくある質問と回答例を説明します。
【転職・中途採用】保育士の面接でよくある質問
転職や中途採用の場合、転職理由、経験やスキルを質問されることが多いです。
転職理由を聞く場合は、職場に定着できるかを見極めたい、経験やスキルを聞く場合は、即戦力となるかを判断したい、といった意図が含まれます。
それぞれの質問に、自身の経験を活かした回答を用意しておきましょう。
質問1:転職理由
転職については、ポジティブな理由を伝えることが、採用側に好印象を与えます。
前の職場に不満があり転職する場合も、前向きな内容を答えるようにしましょう。
前職では職員間の仲が良く、助け合う環境がある良い職場だったと思います。
しかし、園児の人数が多く、行事の前には若手職員に業務が偏り、子どもたちに向き合う時間的余裕がないと感じることもよくありました。そのため、貴園の少人数制保育にとても魅力を感じています。
子どもに寄り添った保育がしたいと考えていたため、貴園への転職を志望しました。
質問2:経験・スキル
転職・中途採用では、過去の経験やスキルが高く評価されます。
積極的にアピールしましょう。
ただし、園が求める経験・スキルであるかどうかが重要です。
自分の経験やスキルが、志望先の保育方針と大きくかけ離れないよう注意が必要です。
1学年4クラスの大規模保育園で主任をしていました。
そのときにつちかった観察力を、小規模保育を実施されている貴園で発揮したいと志望しました。
園児一人ひとりにきめ細やかな保育を実施し、それぞれの力を伸ばしていきたいです。
【パート・アルバイト採用】保育士の面接でよくある質問
パート・アルバイト採用の面接でよくある質問と回答例を解説します。
パート・アルバイトでは、時給で報酬をもらうことがほとんどです。
そのため、経験やスキルの質問に加え、希望の勤務時間を質問されるでしょう。
質問1:経験・スキル
前職を辞してブランクを経た後にパート・アルバイトでの採用を希望する場合、保育未経験者の場合は、「今までどのような仕事をされていましたか?」などと質問されることがあります。
保育士の経験はもちろん、プライベートでの子育て経験があれば積極的にアピールしてみましょう。
保育士として5年、主に年長組を担当していました。
私生活では出産を経験し、1歳児の母です。
その経験を活かし、お母さんの気持ちに寄り添った対応を心がけ、乳児から幼児まで幅広く関わっていきたいです。
質問2:希望の勤務時間
希望の勤務時間についての質問には、園が働いて欲しい時間帯と、実際に働ける時間がマッチしているかを確認する意図があります。
採用後にミスマッチがおこらないよう、勤務可能な日数や曜日、時間は具体的に伝えましょう。
平日の週3~4日程度、10時から16時まで勤務可能です。
残業はできる限りお力になりたいと思っていますが、月水金は子どもの習い事の送迎が必要なため、残業をお引き受けすることができません。
保育士の面接に臨む際のポイント
保育士の面接に臨む際のポイントを4つご紹介します。
- 事前に園見学に行っておく
- 面接練習や持ち物確認をして当日に備える
- 社会人としてふさわしい 服装・髪型を心がける
- 保育園の正しい呼び方を知っておく
事前にポイントを押さえておくことで、精神的に余裕をもって面接に臨めるでしょう。
事前に園見学に行っておく
可能であれば、面接前に園見学に行っておくと、園についてより深く知ることができます。
さらに、園側にも入職に対する意欲をアピールできるでしょう。
園見学は、30分~1時間程度のことが多いようです。
事前にホームページなどで保育方針や子どもの定員数などの情報を収集し、質問したい項目があればメモしておくことで、見学の時間を有効活用できます。
面接練習や持ち物確認をして当日に備える
先にご紹介したよくある質問と回答例を参考に、選考を受ける園を想定した面接練習をしておきましょう。
当日の園までの交通手段と所要時間の確認もお忘れなく。
持ち物の確認と、部屋への入り方など、面接のマナーも振り返っておくのがおすすめです。
<振り返りたい面接のマナー>
- 靴の色をスーツに合わせる
- 清潔感がある髪型にする
- 面接時間の5分~10分前には会場に着くようにする
- 面接中は携帯電話の電源を切っておく
- 呼ばれたら「失礼いたします」と言って会場に入室する
- はっきりと明るい声で元気よくあいさつする
- 勧められてから着席する
- 相手の目を見て自信をもって話をする
- 敬語の使い方や言葉遣いに気をつける
- ゆっくりと落ち着いて質問に答える
社会人としてふさわしい 服装・髪型を心がける
面接当日は、社会人としてふさわしい身だしなみを整えましょう。
基本的にはスーツを着用しますが、私服が指定されている場合は、ラフになりすぎないよう、襟付きのシャツなどを選ぶのがおすすめです。
どれほど熱意があっても、第一印象が悪いと評価を下げる原因になります。
服装や髪型は第一印象に大きく関わるので、特に気をつける必要があるのです。
保育園の正しい呼び方を知っておく
保育士の面接に臨む際は、保育施設の正しい呼び方を知っておくこともポイントです。
保育園の場合は、履歴書などの書類や面接の際も基本は「貴園(きえん)」と呼ぶのが一般的となっています。
ただし、運営主体によって以下のように呼び方が異なります。
運営主体 | 書き言葉 | 話し言葉 |
株式会社の場合 | 貴社(きしゃ) | 御社(おんしゃ) |
法人の場合 | 貴法人(きほうじん) | 御法人(おんほうじん) |
上記のようにかしこまった言い方でなくても、「〇〇保育園さま」「こちらの園」のような呼び方でも、失礼がなければ問題ありません。
保育士採用試験の面接対策をしよう
保育士の面接でよくある質問・回答例と、面接に臨む際のポイントをご紹介しました。
事前の情報収集や見学など、準備をしっかりとすることで、面接本番の緊張感を大きく減らせます。
ぜひこの記事を参考に、面接対策をしてみてください。