
医療事務の資格は数が非常に多く、それぞれ内容や難易度が大きく異なります。
そのため、スキルアップや就職のため医療事務の資格を取得しようと思っても、「どの資格を取ったらいいの?」「初心者でも資格は取れるの?」など疑問に思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、医療事務に関するおすすめの資格をご紹介します。
資格の種類と取得のメリット、自分にあった資格の選び方を説明していきますので、どの資格を取ろうか迷っている方はぜひご参考ください。
目次
医療事務の資格の特徴
そもそも医療事務は資格がなくてもできる仕事ですが、医療事務に関係する資格は数多くあり、たくさんの方が取得されています。
まずは資格取得の必要があるのか、そのメリットをみていきましょう。
医療事務の資格が意味ないって本当?
医療事務に関する資格について、
「民間資格だから意味がない」「無資格で働けるから必要ない」
といった声を耳にします。
たしかに、医療事務は国家資格ではなく、就業に必須でもないため、そのように思われがちです。
しかし、資格取得に意味がないということはありません。
下記のようなメリットがあり、資格を自分の強みにして就職・業務に活かしていくことができます。
資格を取るメリット3つ
医療事務の資格を取るメリットは主に3つあります。
どのような点で役立つのか、それぞれ確認していきましょう。
採用・転職に有利
医療事務は女性を中心に人気の高い仕事のため、競争倍率も高くなります。
そんな中、資格を持っていれば他の応募者との差別化をはかることができ、意欲を見せることにもつながります。
実務に活かして就職後を楽に
医療事務の業務は専門的かつ幅広い内容のため、未経験・無資格での就業はかなり苦労するでしょう。
しかし、資格取得のために勉強をしていれば、業務の基礎知識をもった状態でスタートでき、就職後の負担軽減にも有効です。
資格手当で収入アップ
資格手当がつく職場もあり、収入をあげることも可能です。
特に医療事務の資格で最難関の「診療報酬請求事務能力認定試験」は、求人の段階で優遇されていることもあります。
資格はどれがいい?自分に合った資格の選び方
たくさんの種類がある医療事務の資格ですが、自分に合った資格を選ぶために必要なのは「取得する理由を考えてみる」ことです。
資格取得のメリットがいくつかあるように、取得する理由は主に3種類に分けられます。
- 採用を有利にして業務にも活かしたい
- とにかく早く資格を取得したい
- 収入アップを期待したい
理由ごとに適した資格も変わってきます。
取得したい理由に合わせて資格を選んでいきましょう。
医療事務で人気の資格の種類は?特徴別おすすめ9選
ここからは医療事務の資格を特徴ごとに分類し、詳細を解説していきます。
業務に活かせて採用が有利 | 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク) |
ホスピタルコンシェルジュ | |
医療事務検定試験 | |
難易度が低く簡単に取得できる | 医事コンピューター技能検定 |
医療保険士 | |
医療事務認定実務者 | |
取得すれば収入アップが期待できる | 医療事務管理士技能認定試験 |
診療報酬請求事務能力認定試験 | |
診療情報管理士 |
業務に活かせて採用が有利
取得すれば業務に活かせて、採用が有利になる3つの資格について、それぞれ説明していきます。
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
医療事務の技能を証明する試験で、合格者は「メディカルクラーク」の称号が得られます。
試験では、窓口や請求業務での知識・能力が問われるため、取得に向けて勉強すれば業務に直結する知識が身につきます。
この試験は40年以上継続されていることから、業界内で認知度と信頼度が高く、採用にも有利に働きます。
未経験で挑戦する方も多数おり、医療事務の資格のなかでもっとも受験者が多い資格です。
ホスピタルコンシェルジュ
利用者の質問に答えられるコミュニケーション能力と、医療保険制度などに関する知識を評価し証明する試験です。
全国の医療機関で受験者が増えており、採用に有利な資格となっています。
医療事務検定試験
医療事務全般の知識と技能を確認する資格です。
受付や治療費計算の知識も問われ、実践的な内容となっているため、就職後は即戦力として活躍することもできます。
未経験でも就職を有利にするため、取得を目指す方が多い試験です。
難易度が低く簡単に取得できる
ここからは、取得が簡単で合格しやすい資格を見ていきます。
「資格を取って履歴書に書きたい、でも時間がない!」といった方にはおすすめです。
医事コンピューター技能検定
医療事務に関するコンピューターを用いた知識と技能が評価される資格です。
医療現場でもIT化が進んでおり、それにともない必須の技能となっています。
合格率は約85%と高く、難易度の低い合格しやすい検定といえます。
医療保険士
医療保険に関する基礎知識と、実務能力を身につけるための資格です。
合格率は非公開ですが、通信講座は約4ヵ月と、他の資格に比べて受講期間が短く設定されており、取得しやすい資格となっています。
また、在宅試験で解答の郵送までに3日間あるため、リラックスして受験ができることもメリットです。
医療事務認定実務者
医療事務の仕事をするうえで、普遍的な知識を有しているかを確認する試験です。
すべてマークシート形式で、正答率60%以上が合格ラインとされています。
合格率は60~80%で、基本的な内容がメインのため、未経験者向けの試験といえるでしょう。
取得すれば収入アップが期待できる
長く安定して働くには、やはり収入アップが重要なポイントです。
そこで、取得すれば収入アップが期待できる資格を3種類ご紹介します。
医療事務管理士技能認定試験
医療事務の仕事全般をスペシャリストとしてこなせることを証明する認定試験で、取得によって医療事務管理士として働くことができます。
受付や会計、カルテの管理など全般的な知識と技術を有する医療事務管理士は、病院に欠かせない役割です。
病院によっては、時短勤務や週2日勤務などで募集している場合もあり、産休・育休からの復帰の足がかりにできるなど、長い目で見たときに安定して稼ぐことができる資格となっています。
診療報酬請求事務能力認定試験
診療報酬請求事務に携わる者の質の向上を目的とした試験です。
合格率は30%前後と低く、医療事務資格のなかでもっとも難易度が高い資格となっています。
そのため、採用段階で有利に働くことはもちろん、就業後も資格取得手当がつくなど、取得によって給与アップも望めます。
経験者向けの資格となるため、現在の給与に不満を持っている方はチャレンジしてみる価値があるでしょう。
診療情報管理士
医療機関で利用者の情報を管理し、データベース化して加工や分析をすることを、診療情報管理業務と言います。
そのスキルを保持していることを証明するのが、診療情報管理士の資格試験です。
非常に膨大な知識量とスキルが必要なため、キャリアアップにつながる資格となります。
資格の取り方に関しては以下の記事をご参考ください。
>>医療事務は資格が必要?資格の取り方や種類を一覧でご紹介!
自分に合った医療事務の資格を取得しよう!
医療事務は資格がなくても働ける仕事ですが、人気の職種であり、無資格・未経験から採用されるのは難しいのが実状です。
しかし、資格を取得することで、知識と就業意欲を証明し、他の応募者との差別化をはかることができます。
また、難易度の高い資格は取得手当がついたり給与が高かったりと、給与面で優遇される場合があります。
医療事務は数多くの資格があるからこそ、自分に合った資格を選ぶことが重要です。
資格を取って何に活かしたいのかを考え、自身にとって最適な資格にチャレンジしましょう。
独学での勉強方法に関しては以下の記事をご参考ください。