
准看護師試験は他の医療系資格と比べて合格率が高い資格の一つで、2021年度の合格率は98%でした。
この記事では、准看護師試験の合格率を学校区分別や年度別に解説しています。
他医療系資格との合格率の比較や、今後の准看護師試験の動向も解説しているので、参考にしてみてください。
目次
准看護師資格試験の合格率
准看護師試験の合格率と学校区分別の合格率、他医療系資格の合格率との比較を解説します。
【2021年度】准看護師試験の合格率
2021年度准看護師試験(全体) | |
受験者数(人) | 14,408 |
合格者数(人) | 14,122 |
合格率 | 98.0% |
2021年度に実施された准看護師試験は、受験者数が14,408人、合格者数が14,122人で合格率は98%でした。
【学校区分別】准看護師試験の合格率
下記表は学校区分、つまり出身校の違いによる合格率の比較です。
【2021年度准看護師試験】
全体 | 准看護師学校養成所 | 看護師学校養成所 | 受験資格 認定者 |
||
高等学校衛生看護科 | 養成所 | ||||
受験者数(人) | 14,408 | 828 | 6,060 | 7,246 | 274 |
合格者数(人) | 14,122 | 807 | 5,959 | 7,163 | 193 |
合格率 | 98.0% | 98.2% | 98.9% | 70.4% |
出典:「令和3年度准看護師試験の実施状況について」の訂正について(厚生労働省)
准看護師試験は、所定の教育を修了すると受験資格が与えられます。
上記表の准看護師学校養成所は、准看護師育成のための学校です。
受験資格認定者とは、日本以外の看護師養成所を卒業した人、または日本以外で看護師免許を取得した人で、厚生労働省から准看護師試験の受験資格が認定された人です。
上記データからもわかるように、准看護師学校養成所と看護師学校養成所に、合格率の差はほとんどありません。
ただし、受験資格認定者の合格率はやや低くなる傾向です。
准看護師試験の難易度は?正看護師などと比較
下記は、准看護師試験と他医療系資格の合格率を比較した表です。
【2021年度 医療系資格の合格率比較】
准看護師 | 看護師 | 助産師 | 保健師 | 歯科衛生士 | 理学療法士 | |
受験者数(人) | 14,408 | 65,025 | 2,089 | 7,948 | 7,416 | 12,685 |
合格者数(人) | 14,122 | 59,344 | 2,077 | 7,094 | 7,087 | 10,096 |
合格率 | 98.0% | 91.3% | 99.4% | 89.3% | 95.6% | 79.6% |
准看護師の合格率は98%と、看護師や他の医療系資格と比べて高くなっています。
そのため、医療系資格のなかでは比較的ハードルが低い資格といえるでしょう。
ただし、看護師など他の資格は国家資格であるのに対し、准看護師免許は国家資格ではありません。
准看護師資格の概要
准看護師資格の概要を確認しておきましょう。
准看護師資格 概要 | |
資格発行 | 都道府県知事 |
受験資格 | 最終学歴が中学卒業以上で養成校にて2年以上の教育を修了した者 |
試験時期 | 都道府県単位で年1回開催 |
試験時間 | 2時間30分 |
出題数 | マークシート式 150問 |
試験科目 | 人体の仕組みと働き・食生活と栄養・薬物と看護・疾病の成り立ち 感染と予防・看護と倫理・患者の心理・保健医療福祉の仕組み 看護と法律・基礎看護・成人看護・老年看護・母子看護及び精神看護 |
合格ライン | 全体の6割以上の得点 |
准看護師資格は、各都道府県知事が認める免許で、試験は都道府県ごとに行われます。
試験は毎年2月に実施され、平日に1回、休日に1回の合計2回行われます。
各都道府県でどちらかの日に1回開催するため、2回の試験をそれぞれ別の都道府県で受験すれば、1年で2度の受験も可能です。
准看護師試験の試験時間や問題数、試験科目は全国共通です。
以前は都道府県ごとに試験問題が作成されていましたが、2021年度より試験関連の事務が日本准看護師推進センターに委託され、試験問題は全国統一となりました。
過去の准看護師試験の合格率推移
准看護師試験の過去5年の合格率はほぼ横ばいで、96〜99%と高い水準を保っています。
しかし、受験者数は2017年度が17,746人なのに対し、2021年度は14,408人と、減少傾向です。
受験者数が減っている理由には、准看護師養成校の数や入学者数自体が減っていることが挙げられます。
日本看護協会の発表によると、准看護師養成学校の入学者は2002年4月には15,422人だったのに対し、2022年4月には6,021人と、20年間で約40%に減少しています。
また、准看護師養成校は2002年には463校ありましたが、2020年には200校と、そもそも学校数が減少傾向にあるのです。
今後の准看護師試験はどうなる?
准看護師試験は、試験開催だけでなく問題作成なども都道府県ごとに行われていましたが、2019年に「日本准看護師推進センター」が設立され、2021年度より准看護師の試験問題は、全国統一になりました。
日本准看護師推進センターは、試験日の全国統一も検討するとしていますが、現状、准看護師試験は2月の平日と休日、2パターンで開催されています。
日本准看護師推進センターは、准看護師の資質向上などの目的で、准看護師試験に関する業務の受託先として新しく設立された法人です。
しかし、日本看護協会は、准看護師養成所を看護師養成所に転換し、看護師養成の一本化をめざすとしています。
准看護師制度の廃止については、以前から日本医師会が反対の立場をとっているため、今すぐに准看護師試験や制度自体が変わるわけではありません。
ただし、准看護師をめざす人は、今後の動向に関心を持っていたほうが良いでしょう。
准看護師試験の合格率は96〜99%と高い
准看護師試験の過去5年の合格率は96〜99%と、他の医療系資格より比較的高くなっています。
出身校の違いによる合格率の差も、ほとんどありません。
准看護師資格は今後、試験や資格制度の変更があるかもしれないので、挑戦したい人は最新の動向に注目しておきましょう。
准看護師については、次の記事もご参照ください。