
看護師になるには、総額どのくらいのお金が必要かご存じでしょうか。
看護学校は奨学金なども充実しているため、進路によっては学費を抑えて進学することも可能です。
本記事では、看護師免許を取得するまでにかかる費用について解説していきます。
これから看護師をめざしたい方や、進学に際して金銭面の不安がある方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
看護師になるには費用はいくら必要?
看護師になるには、厚生労働省の定める看護学校で学ぶ必要があります。
看護学校には大学・専門学校・5年一貫高校などのさまざまな種類があり、費用も学校ごとに異なります。
まずは、各学校の学費を詳しく見ていきましょう。
大学の費用
看護大学を、国公立と私立で分けてみると以下のとおりです。
国公立 | 私立 | |
授業料(年) | 520,000~650,000円 | 850,000円~1,500,000円 |
入学金 | 280,000~370,000円 | 100,000~300,000円 |
なお、文部科学省が発表している私立大学と国公立大学の授業料・入学料の平均値は以下のようになっています。
国立 | 公立大学 | 私立大学 | |
授業料 | 535,800円 | 536,363円 | 930,934円 |
入学金 | 282,000円 | 391,305円 | 245,951円 |
参考:(参考2) 国公私立大学の授業料等の推移(文部科学省)
※国立大学は国が示す標準額、公立大学・私立大学は平均額で(公立大学入学料は地域外からの入学者の平均)
一般的な大学と比較して費用に大きな差はありませんが、私立大学の授業料は看護大学のほうが高めの傾向にあります。
学校のホームページや資料などに学費についての記載があるため、気になる学校がある場合は、事前にどの程度お金がかかるのかを調べてみましょう。
看護専門学校・短大の費用
看護系専門学校の費用は以下のとおりです。
専門学校 | 短大 | |
授業料(年) | 600,000円~1,050,000円 | 700,000円~1,380,000円 |
入学金 | 100,000円~250,000円 | 200,000円~300,000円 |
看護系専門学校は約60~100万円、短大は約70~140万円でした。
上述した大学の授業料と比較すると、国公立よりは高いもの、私立よりは低めの傾向です。
ただし、多くの専門学校・短大は3年制なので、大学よりも1年分の学費を抑えることができます。
5年一貫高校看護科の費用
看護師の養成学校のなかには、高校教育3年と専門学校2年をかけ合わせた5年一貫高校もあります。
5年一貫高校看護科の費用は以下のとおりです。
5年一貫高校 | |
授業料(年) | 400,000円~500,000円 |
入学金 | 20,000円~150,000円 |
5年一貫高校看護科は、入学金・授業料ともに、大学や専門学校、短大に比べて低い傾向にあります。
高校教育と合わせて、5年間で200万円〜300万円になると考えておくと良いでしょう。
5年一貫高校では、16歳で入学すると最短21歳の年で看護師免許を取得できるため、大学や専門学校より早く臨床に出ることができます。
看護師になるための費用は授業料だけではない
看護師になるためにかかる費用は授業料のほかにも、実習費や教科書などの教材費が必要です。
特に医学書は教科書のなかでも高価なものにあたり、教材だけで10万円〜20万円の費用がかかります。
また、ナース服や実習で使う聴診器なども購入することになるケースが多いです。
実習中には実習先までの交通費も支給されないため、細かい費用も含めると、授業料以外で少なくとも20万円以上はかかると考えて良いでしょう。
学費を安く抑えて看護師になるには?
看護師になるには授業料に加えて、実習費や教材費などもかかることを紹介してきました。
では、できるだけ費用を抑えて看護師になるにはどうしたら良いでしょうか。
費用を抑えて看護師になるポイントを説明していきます。
国公立専門学校・大学を選ぶ
学校を選ぶときに、私立ではなく公立や国立の大学・専門学校を選ぶと、学費を抑えることができます。
出身校が大学であっても、専門学校であっても、国家試験合格後に取得できる看護師免許はまったく同じものです。
学費を優先したい方は専門学校を選択すると良いでしょう。
ただし、大学の場合は看護師免許に加えて保健師と助産師の国家試験受験資格を取得できますが、3年制の専門学校では、これら2つの資格は取得できません。
学費を抑えつつ保健師や助産師の資格を取得したい場合は、国公立の大学をめざしましょう。
奨学金を利用して進学する
学費を払うのが難しい方は、奨学金制度を利用してみるのもおすすめです。
少子高齢化の煽りを受けて看護師のニーズが年々高まってきているため、厚生労働省や日本看護協会などの公的機関が、充実した奨学金制度を実施しています。
公的奨学金以外でも、病院独自の奨学金制度もあり、病院で働けば返済義務がなくなるケースもあります。
奨学金と聞くと、何年もかかって返済しなければならないイメージが強い方もいると思いますが、看護学校の場合は他の進路よりも利用しやすい点が魅力です。
看護師になるための費用は、めざす前に把握しておこう
看護師になるには、養成学校に通う必要があります。
大学や専門学校など多様な選択肢から進路を選んでも、学費に最低200万円〜300万円かかることを念頭に入れておきましょう。
しかし、進学先次第では学費を抑えて看護師になることも可能です。
さらに、奨学金などを利用すれば、かなり低コストで看護師免許を取得できます。
進路を決める際には、志望校の学費はもちろん、利用できる制度もあわせて確認してみましょう。