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看護師として働いている、または資格を持っている人のなかには、介護の現場で働くケアマネジャーの仕事が気になる人もいるでしょう。
しかし、看護師の資格を持っているからといって、そのままケアマネジャーに転職することはできません。
今回は、看護師からケアマネジャーになる方法や流れを具体的に解説します。
また、看護師からケアマネジャーへ転職するメリットやデメリットも紹介します。
目次
看護師からケアマネジャーになる方法・流れ
ここではまず、看護師からケアマネジャーになる方法や流れとして、以下の3つを紹介します。
- 介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
- 介護支援専門員実務研修を受講する
- 介護支援専門員資格登録簿に登録申請を行う
補足:看護師免除は廃止
1.介護支援専門員実務研修受講試験に合格する
ケアマネジャーの正式名称は介護支援専門員であり、ケアマネジャーになるには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格することが必須です。
また、試験を受験するためには受験要件を満たさなければなりません。
介護支援専門員実務研修受講試験とは
介護支援専門員実務研修受講試験は各都道府県ごとに行われ、地域によって概要は異なりますが、試験は年に一度10月に行われます。
令和5年度の東京都試験の概要は以下のとおりです。
出題方法 | 出題は五肢複択方式 解答はマークシート方式 |
試験時間 | 午前10時〜12時(120分) |
出題数 | 60問 |
出題分野 | 介護支援分野25問・保健医療福祉サービス分野35問 |
なお、厚生労働省によると、令和4年の全国の合格率は19%という結果でした。
受験資格が必要
介護支援専門員実務研修受講試験を受けるために、必要な要件は以下のとおりです。
- 福祉・保健・医療に関する指定された法定資格を持っており、対人援助業務の経験が5年以上かつ従事した日数が900日以上ある
- 特定の福祉施設・介護施設・障がい者支援での相談援助業務の経験が5年以上かつ従事した日数が900日以上ある
看護師資格は指定された法定資格に該当するため、看護師として5年以上実務経験を積めば要件を満たします。
ただし、看護師資格を有していても、事務職など仕事に従事していた場合は経験にならないので注意しましょう。
2.介護支援専門員実務研修を受講する
介護支援専門員実務経験受講試験に合格しただけではケアマネジャーにはなれず、介護支援専門員実務研修を受講する必要があります。
介護支援専門員実務研修は、試験合格後に受けられるようになります。
介護支援専門員実務研修は、「介護保険制度の理念・現状及びケアマネジメント 」「ケアマネジメントのプロセス」などの座学の研修科目をはじめ、「ケアマネジメントに必要な基礎知識及び技術 」や「ケアマネジメントの展開」は演習も含めた科目となり、計87時間におよぶ研修です。
ケアマネジャーとして必要な専門的知識と技術を修得することを目的としています。
3.介護支援専門員資格登録簿に登録申請を行う
介護支援専門員実務経験受講試験に合格し、介護支援専門員実務研修を修了しても、まだケアマネジャーにはなれません。
介護支援専門員実務研修を修了後は、3ヵ月以内に都道府県に介護支援専門員資格登録簿への登録申請を行う必要があります。
あわせて、介護支援専門員証の交付も申請しましょう。
介護支援専門員証の交付後、ようやくケアマネジャーとして働くことが可能です。
補足:看護師免除は廃止
以前は看護師の国家資格を取得していれば、保有する資格に応じて試験科目の一部が免除となっていました。
しかし、現在この制度は廃止されています。
現在は看護師であったとしても、すべての科目での受験が必須です。
過去に免除があったという話を聞いても、自分が当てはまらないことを覚えておくと良いでしょう。
看護師やケアマネジャーについて、より詳しく知りたい人もいるでしょう。
次のページでわかりやすく紹介しているので、ぜひご覧ください。
看護師からケアマネジャーになるメリット・デメリット
ここからは、看護師からケアマネジャーになるメリットやデメリットを紹介します。
ケアマネジャーをめざそうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
看護師からケアマネジャーになるメリット
看護師からケアマネジャーになるメリットは以下の2つです。
- 看護師の経験を活かせる
- 体への負担が減る
看護師の経験を活かせる
介護の現場では、医療関係者と関わる機会が多数あります。
医療現場で働いてきた経験のある看護師は、医師とも円滑にコミュニケーションをとることが可能です。
また、医師以外の医療に携わるスタッフと、スムーズな連携がとれるといったことも強みになるでしょう。
医療サービスの知識があり、医療現場で培った経験が活かせるのもメリットです。
例えば、ケアマネジャーは医療ケアが必要な患者さんのケアプランを作成することもあります。
そのようなときには、医療サービスと介護保険サービスを組み合わせた内容を考えられるなど、より良いプランを作成することができるでしょう。
体への負担が減る
看護師の業務は肉体労働が多いですが、それに比べるとケアマネジャーは相談業務や事務仕事が多いのが特徴です。
そのため、体力的な面で体への負担が減る可能性が高いです。
また、ケアマネジャーは看護師のように夜勤を行うことがなく、日勤が基本です。
そのため、規則正しい生活を送りやすいという点でも、体の負担が減ると考えられます。
看護師として働くのが体力の限界だと感じる人にとっては、ケアマネジャーの仕事には大きなメリットがあるでしょう。
看護師からケアマネジャーになるデメリット
看護師からケアマネジャーになるデメリットは以下の2つです。
- 給料が下がるリスクがある
- 時間外に呼び出される可能性がある
給料が下がるリスクがある
厚生労働省の調査によると、令和4年度のケアマネジャーの年収は405.8万円です。
一方で、看護師の年収は508.1万円となっており、100万円近くの差があります。
このように、看護師からケアマネジャーに業種を変えた場合、給料が下がる可能性があります。
看護師は夜勤手当があるなど、働き方によっては給料が高くなるためです。
看護師からケアマネジャーへの転職は、収入を下げたくない人にとって大きなデメリットとなるでしょう。
時間外に呼び出される可能性がある
施設によって異なりますが、なかには時間外に呼び出されるところもあります。
常に連絡を取れる状態にしておく必要があり、プライベートを思い切り楽しめないという人もいるかもしれません。
仕事とプライベートをはっきり分けて過ごしたい人、急に仕事に行きたくない人にとっては、この点もデメリットになると考えられます。
看護師の実務経験を積んでケアマネジャーをめざそう
今回は、看護師からケアマネジャーになる方法、看護師からケアマネジャーへ転職するメリット・デメリットを紹介しました。
以前あった看護師の試験科目免除は廃止されてしまいましたが、看護師として働いた期間は実務経験になるため、働きながらでもめざしやすいといえるでしょう。
看護師からケアマネジャーになるメリットやデメリットも考慮しながら、ぜひケアマネジャーをめざしてください。