
名称独占・業務独占は、看護師に関わる法律「保健師助産師看護師法」に明記されていますが、法律関係の文章は難しく、理解しにくい部分もあります。
この記事では、看護師の名称独占の意味と業務独占との違い、さらに設置義務資格と技能検定について解説しています。
看護師国家資格を勉強中の方や保健師助産師看護師法について詳しく知りたい方は、参考にしてください。
目次
看護師の名称独占とは?業務独占とは何が違うのか
看護師の名称独占とはどのような意味なのでしょうか。
また、業務独占は名称独占とどう違うのか疑問に思う方もいるでしょう。
名称独占と業務独占の説明とその違いについて解説していきます。
看護師の名称独占とは
名称独占とは、有資格者でなければその肩書を名乗ることはできないことを意味します。
保健師助産師看護師法では以下のように制定されています。
看護師でない者は、看護師又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
准看護師でない者は、准看護師又はこれに紛らわしい名称を使用してはならない。
引用元:保健師助産師看護師法
つまり、看護師の資格を持っていない人は、「私は看護師です」と名乗ることはできないということになります。
看護師の業務独占とは
業務独占とは、資格を所持していなければその業務を行うことができないことを意味します。
保健師助産師看護師法では以下のように制定されています。
看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない。
引用元:保健師助産師看護師法
つまり、看護師の資格を持っていない人は看護師としての業務を行ってはいけないという意味です。
ちなみに、看護師の業務とは「療養上の世話又は診療の補助」のことを指します。
名称独占、業務独占以外にも国家資格は分類できる
国家資格は名称独占、業務独占以外に2つあり、大きく4つに分類できます。
- 名称独占資格
- 業務独占資格
- 設置義務資格
- 技能検定
ここからは、設置義務資格、技能検定について詳しく説明していきます。
設置義務資格(必置資格)
設置義務資格は必置資格とも呼ばれており、特定の事業や業務を行う際、法律でその企業・事業所・病院などに有資格者を最低1名置かなければならないというものです。
業務独占と少し似ているようなイメージを持たれがちですが、業務独占は個人に対して、設置義務資格は団体に対してという違いがあります。
業務独占の場合
例)看護師の資格を保持していなければ、療養上の世話、診療の補助は行えない
設置義務資格の場合
例)50名以上の労働者が常時従事している企業には、衛生管理者を置かなければならない
技能検定
技能検定とは、働くうえで必要なスキルの習得レベルを評価するための国家検定制度で、約130職種の試験があります。
この技能試験に合格すると「技能士」と名乗ることができます。
看護師の名称独占とは「看護師」と名乗れるということ
看護師の名称独占とは、看護師の資格を保有する人のみが看護師と名乗れるということです。
そして、看護師の業務独占とは、保健師助産師看護師法に定められている「療養上の世話又は診療の補助」という仕事を、看護師の資格を保有する人が行えるという意味となります。
名称独占、業務独占とは似たような用語ですが、看護師という肩書を指すか、看護師の行う業務を指すかで異なります。
これらの違いをしっかり理解していきましょう。