
心理カウンセラーは、悩みに寄り添い、適切な相談援助を行うことで、クライアントが自ら問題を解決できるようサポートする専門家です。
心の健康を保つために、私たちの身近にいるカウンセラーですが、実際にカウンセラーとして活動するためには、どのようなスキルや資質が必要なのでしょうか。
本記事では、心理カウンセラーに求められる大切なことと、それらを学ぶことができる資格についてご紹介します。
目次
心理カウンセラーにとって大切なこと・必要な力
心理カウンセラーとして活動するためには、クライアントの心に寄り添い、適切な相談援助を行うことが求められます。
ここでは、心理カウンセラーにとって特に重要な力について詳しく見ていきましょう。
話を聴く力
心理カウンセラーにとって、クライアントの話に真摯に耳を傾ける姿勢は非常に重要です。
どのような人にも同じように誠意を持って接し、どのような話を聞いても動揺しない、自分をコントロールできる精神力を有している必要があります。
カウンセラーに求められるのは、「アクティブリスニング」という、積極的に聞くことで物事の本質を主体的にとらえるスキルです。
相づちや質問を工夫し、クライアントが話しやすくなるような聞き方をする必要があります。
ときには、話をただ聴いてくれるだけで心が軽くなることもあるのです。
相手を分析する力
心理カウンセラーには、クライアントの話から人間性や価値観などを把握し、問題の原因を見つけ出す分析力が必要です。
表面的な悩みだけでなく、その奥にある本質的な問題を見抜く力が求められます。
カウンセリングでは、クライアントの話に耳を傾けながら、言葉の裏にある真意を汲み取ることが重要です。
話の内容だけでなく、表情や声のトーン、身振り手振りなどの非言語的な情報からも、相手の心理状態を読み取る力が求められます。
伝えたいことを言語化できること
心理カウンセラーの仕事は、クライアントにカウンセリングを行うことです。
そのため、自分の考えを相手に伝えるスキルも欠かせません。
相手の心に届くような言葉選びをし、考えを的確に伝えられる言語化力が求められます。
言語化力を磨くことで、カウンセラー自身の考えを客観的に確認することも可能になります。
自分の考えを言葉にすることで、新たな気付きを得たり、問題点を発見したりできるのです。
相手に共感できること
クライアントの悩みを引き出そうと無理やり誘導すると、かえって心を閉ざしてしまう恐れがあります。
そのため、相手の気持ちに寄り添い、共感することが大切です。
相手に興味や関心を持ち、理解しようと努力することで、必要な要素を的確に引き出せようになるのです。
たとえどのような相談をされたとしても、否定せず共感を示すことが求められます。
相手の気持ちを受け止め、理解しようとする姿勢が、信頼関係の構築につながるのです。
感情的にならないこと
心理カウンセラーとして活動するうえで、平常心を保つことは非常に重要です。
相手に感情移入しすぎると、自身の感情のコントロールが難しくなってしまいます。
感受性が強いと自覚している方は、心理学の学習を通して自身のメンタルをケアする術も身につけると良いでしょう。
カウンセリングでは、クライアントの感情に巻き込まれることなく、冷静に状況を見極める必要があります。
自分の感情をコントロールできなければ、適切なカウンセリングを行うことは難しいのです。
自分の悩みは早く解決すること
カウンセラー自身に何かトラブルがある場合、人の話に集中して耳を傾けることが難しくなります。
そのため、自分自身に悩みがあれば、早めに解決しておくことが重要です。
カウンセラーには、自分の感情と相談者の感情を切り離すことが求められます。
公私混同してしまうと、相談者の話に集中できなくなってしまうためです。
日頃から自分自身と向き合い、ストレスを適切に発散する方法を見つけておくことが大切です。
自分自身が健全な心を保つことで、クライアントに適切なカウンセリングを行うことができるようになります。
知識のブラッシュアップ
心理カウンセラーは、専門的な知識をもとに、クライアントの問題解決への糸口を探ります。
そのため、継続的な知識のブラッシュアップが必要不可欠です。
一人ひとりに適したケアやサポートを行うためには、心理学や精神医学などの専門的な知識が求められます。
カウンセラー関連の資格を取得して終わりにするのではなく、その後も学び続けていく姿勢が重要なのです。
常に新しい知識を吸収し、自分の専門性を高めていくことが、信頼されるカウンセラーになるための鍵となります。
向上心を持ち、常に学ぶ姿勢を忘れないことが大切です。
心理カウンセラーにとって大切なことを学べる資格
心理カウンセラーとして活動するためには、専門的な知識やスキルを身につける必要があります。
ここでは、心理カウンセラーにとって大切なことを学べる主な資格をご紹介します。
公認心理師
公認心理師は、2017年に施行された「公認心理師法」によって誕生した国家資格です。
医療機関、福祉施設はもちろん、スクールカウンセラーや児童相談所、企業内の相談室、ハローワークなど、活躍の場は多岐にわたります。
心理学の知識を活かし、心の健康づくりや福祉の向上に貢献することが期待されている資格です。
需要の高さから、今後ますます注目度が高まっていくでしょう。
公式サイト:一般財団法人 公認心理師試験研修センター
臨床心理士
臨床心理士は、教育や福祉、司法や産業など幅広い分野で活躍する民間資格です。
カウンセリングや心理療法、心理アセスメントなどを行い、心の問題を抱える人たちをサポートします。
臨床心理学に基づく知識や技術を用いて人間の心の問題にアプローチすることが臨床心理士の役割です。
民間資格でありながらも社会的信頼性が高く、需要の高い資格といえるでしょう。
公式サイト:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会
NLPプラクティショナー
NLPプラクティショナーは、コミュニケーションスキルや目標達成のための手法を学ぶことができる資格です。
10日間のコースを受講することで取得が可能であり、比較的簡単にスキルアップを図ることができます。
NLPとは、Neuro Linguistic Programming(神経言語プログラミング)の略称で、「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる心理学です。
カウンセリングの質を高めたい方におすすめの資格といえるでしょう。
公式サイト:NLP 日本NLP協会 公式サイト
JADP認定メンタル心理カウンセラー®
JADP認定メンタル心理カウンセラー®は、講座受講から資格試験受験までをオンラインで完結できる資格です。
2ヵ月で取得でき、手軽にスキルアップを図ることができます。
社会心理学や発達心理学などの基礎知識から、カウンセリングの実践的なスキルまで幅広く学べる点が魅力です。
オンラインで学習できる手軽さも、大きなメリットといえるでしょう。
公式サイト:メンタル心理カウンセラー資格 _ 日本能力開発推進協会 (JADP)
メンタルヘルス・マネジメント®検定
メンタルヘルス・マネジメント®検定は、職場におけるメンタルヘルス対策に必要な知識を学ぶことができる検定です。
職場での役割に応じて3つのコースが設定されており、必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を学ぶことができます。
ラインケアやセルフケアなど、職業生活に実践的な内容が含まれているのが特徴です。
公式サイト:メンタルヘルス・マネジメント検定試験
産業カウンセラー
産業カウンセラーは働く人たちや組織が抱える問題を自ら解決できるよう傾聴をカウンセリングの基本として、クライエントの産業、労働現場に通じた問題を中心に解決の支援を行います。
働く人たちの心の健康づくりをサポートし、職場環境の改善にも貢献します。
受験資格は、協会が行う産業カウンセリングの養成講座を受講し、修了していることです。
講座では、カウンセリングスキルだけでなく、産業社会の動向や人事労務管理などの知識も身につけることができます。
公式サイト:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
メンタル士心理カウンセラー®
メンタル士心理カウンセラー®は、ストレス状態から回復するための治療法などが試験範囲の資格です。
ストレスが引き起こす症状や治療法についても、資格検定試験の設問となっています。
日本メディカル心理セラピー協会がカウンセラーとして活動できるレベルに達していると認められた人のみが取得できる資格です。
受験資格がなく誰でも在宅にて受験できるので、心理学の入門資格としておすすめします。
公式サイト:日本メディカル心理セラピー協会【JAAMP】
心理カウンセラーとして大切なことを知り信頼されるカウンセラーをめざそう
心理カウンセラーとして活動するためには、クライアントの話に耳を傾け、適切な相談援助を行うことが求められます。
そのためには、話を聴く力や分析力、言語化力、共感力など、さまざまなスキルが必要不可欠です。
加えて、自分自身の感情をコントロールし、常に冷静な判断を下せることも重要です。
専門的な知識を身につけ、定期的にブラッシュアップを行うことで、信頼されるカウンセラーへと成長できるでしょう。
本記事で紹介した資格を取得することで、心理カウンセラーに必要なスキルや知識を体系的に学ぶことができます。
自分に合った資格を選び、学びを深めていくことで、プロのカウンセラーをめざしてみてはいかがでしょうか。