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認定理学療法士のなり方は?要件や試験について解説

認定理学療法士は、理学療法士や登録理学療法士よりも、さらに高い専門性を証明する認定資格です。
認定理学療法士の取得を検討するうえで、取得方法や、取得のメリットが気になっている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、認定理学療法士の取得方法(要件の内容、試験など)や取得するメリット、更新の方法などについて解説していきます。

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認定理学療法士とは?

理学療法士のなかでも高い専門性を備え、臨床実践分野において秀でていることを証明する資格です。
日本理学療法士協会が定める資格で、現在は下図の21分野があります。

認定理学療法士(2022年4月以降)
脳卒中認定理学療法士 徒手理学療法認定理学療法士 補装具認定理学療法士
神経筋障害認定理学療法士 循環認定理学療法士 物理療法認定理学療法士
脊髄障害認定理学療法士 呼吸認定理学療法士 褥瘡・創傷ケア認定理学療法士
発達障害認定理学療法士 代謝認定理学療法士 疼痛管理認定理学療法士
運動器認定理学療法士 認定理学療法士 臨床教育認定理学療法士
切断認定理学療法士 健康増進・参加認定理学療法士 管理・運営認定理学療法士
スポーツ理学療法士認定理学療法士 介護予防認定理学療法士 学校教育認定理学療法士

なお、認定理学療法士の認定分野は2022年4月以降の新制度になってからは基礎領域の認定が廃止となり、専門理学療法士に移行しました。

2022年6月のデータでは、認定理学療法士は全国に14,594名おり、分野別取得者数で見てみると、一番多いのが運動器、続いて脳卒中、地域理学療法となっています。

また、認定理学療法士は登録理学療法士と同様、5年ごとの更新制となっており、常に知識をブラッシュアップしなければなりません。

認定理学療法士になるには何が必要?

認定理学療法士になるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 登録理学療法士であること
  • 申請要件を満たしていること
  • 認定理学療法士試験に合格すること

それぞれ見ていきましょう。

登録理学療法士である

まずは、登録理学療法士であることが前提となります。
登録理学療法士とは、国家試験に合格して理学療法士の免許を取得したのちに、前期研修と後期研修を経て取得するものです。
最短履修期間は5年ですが、それ以上かかっても問題ありません。

前期研修は、主に座学や実地研修で構成されており、後期研修は、座学に加えて症例検討会での発表や聴講が必要となります。

また後期研修では実地経験が3年必要となりますが、これは後期研修が開始してからの年数でカウントされることや、理学療法士協会のマイページに勤務先が登録されていることが条件であるため、注意が必要です。

申請要件を満たしている

申請要件を以下に示します。

  • 指定研修カリキュラムの受講
    eラーニングで受講するタイプの研修です。
    科目としては、医療安全学やチーム医療論、認定理学療法士の役割、臨床推論などがあります。
  • 臨床認定カリキュラムの受講
    必修科目と選択科目の両方を受講する必要があります。
    例えば、脳卒中の認定を取得する場合は、必須科目は15コマすべての履修が必須であり、選択科目は8コマから5コマ以上を選択して受講しなければなりません。

なお、臨床認定カリキュラムを開講する教育機関によっては、オンラインでの受講も可能です。

  • 日本理学療法学術研修大会の参加
    毎年5月頃に開催される、日本理学療法学術研修大会への参加が要件となっています。

認定理学療法士試験を受ける

理学療法士の認定試験は例年11月頃に実施されており、現在はCBT(Computer Based Testing)形式での試験となっています。
出題内容としては、指定研修カリキュラム、臨床認定カリキュラム(必須科目)のそれぞれのシラバスに準じた内容です。

試験料は10,000円となっています。

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認定理学療法士を取得するメリットは?

認定理学療法士は、取得しても給与に反映されないケースも少なくありません。
しかし、以下のようなメリットがあります。

専門分野に関する豊富な知識を獲得できる

認定理学療法士を取得するには、多くのカリキュラムの受講や学会への参加が必要不可欠です。
そのため、教科書の知識にとどまらない最新の知識や技術を学ぶ機会に恵まれます。
また、それをすぐに臨床に活かすことができるため、知識が定着しやすいこともメリットといえるでしょう。

転職に有利に働く

現状、認定理学療法士を取得している人はそれほど多くないため、持っていれば他の理学療法士と差別化でき、転職時のアピールポイントとなります。

今後は認定理学療法士の重要性が高まる可能性がある

日本理学療法士協会は、医療広告に「認定理学療法士が○名います」と記載できるようになることをめざしています。
そうなると、病院側のアピールポイントにもつながるため、今よりも認定理学療法士が重宝されるかもしれません。

認定理学療法士は更新が必要?

認定理学療法士は取得すると5年ごとに更新が必要となり、その際に満たさなければならない要件がいくつかあります。
具体的には以下のとおりです。

  • 学会発表、雑誌への投稿
    都道府県理学療法士会学術雑誌へ投稿するか、ブロック主催学会もしくは都道府県理学療法士学会で一般発表をする
  • 更新に必要な点数の取得
    学会や研修会に参加するなどして100点を取得する
  • 更新時研修を受講する
    eラーニングで共通・分野別研修を合計5コマ受講する

せっかく苦労して取得した認定理学療法士の資格を失効することのないよう、計画的に更新するようにしましょう。

なお、現在は旧生涯学習制度から新制度への移行時期であるため、2022年4月以降の初回更新には必要点数の緩和や学会発表の免除などの移行措置があります。

認定理学療法士を取得してキャリアアップにつなげよう

認定理学療法士の取得方法やメリットなどを解説してきました。
現状、認定理学療法士は取得者の数が多い資格ではないため、取得すれば他の理学療法士との差別化が可能です。

一方、取得するまでに、講習会の受講や学会の参加など満たさなければならない要件がたくさんあるため、めざす場合は計画を立てて学習を進めていくと良いでしょう。

認定理学療法士を取得すれば、自分の知識がブラッシュアップできるだけではなく、今後のキャリアアップにもつなげることができるので、ぜひ挑戦してみてください。

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