
相談支援専門員とは、障がい者が日常生活を快適に送るための相談を受け、適切な福祉サービスへとつなげる仕事です。
現在、政府は少子高齢化や福祉サービスの充実化をめざして市町村の相談支援業務の強化を進めており、相談支援専門員の需要も高まってきています。
本記事では、相談支援専門員の仕事内容やなり方などを紹介していきます。
相談支援専門員をこれからめざそうと考えている人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
目次
相談支援専門員ってどのような仕事?
相談支援専門員は、障がいのある人々の悩みや相談を聞き、さまざまな福祉サービスのなかから各利用者に合ったサービスを選定し、適切な利用へとつなげる仕事です。
相談支援専門員が担う役割を具体的に挙げると、以下のとおりとなります。
- 障害福祉サービスなどの利用計画の作成
- 地域生活への移行・定着に向けた支援
- 住宅入居などの支援事業
- 成年後見制度利用支援事業
相談支援専門員は介護支援専門員(ケアマネジャー)と名称が似ていますが、両者の資格や仕事内容は異なるので注意しましょう。
介護支援専門員は、要介護者や要支援者の人に対してケアプランの作成・福祉施設との連絡調整を行うのに対し、相談支援専門員は障がいのある方やご家族を対象に支援を行います。
相談支援専門員が障がい者を対象とするのに対し、介護支援専門員は高齢者を対象としている点が大きな違いです。
>>相談支援専門員とケアマネジャーの違いは?役割や仕事内容を解説
相談支援専門員の需要は
現在日本政府は、少子高齢化に対応する福祉サービスの充実をめざし、市町村の相談支援業務の強化を進めています。
実際に、相談支援専門員が働く事業所数および相談支援従事者数は年々増加しており、相談支援体制の中核である基幹相談支援センターの設置も進んでいます。
したがって、相談支援専門員の需要は、これからもますます高まっていくといえるでしょう。
相談の種類と違い
相談支援業務の内容は、対象者や相談の内容に応じて4つの種類に分けることができます。
- 基本相談支援
- 地域相談支援
- 計画相談支援
- 障害児相談支援
具体的に見ていきましょう。
基本相談支援
基本相談支援は、すべての相談支援業務の基本となるものです。
相談内容や相談対象にとらわれることなく、あらゆる障がい者に関する相談を受け、必要に応じて情報を提供したり助言を行います。
合わせて、市町村や障害福祉サービス事業所とも連絡調整を行い、のちの計画相談支援や地域相談支援へ引き継ぐ役割を果たします。
地域相談支援
地域移行支援と地域定着支援の2つを行うのが、地域相談支援です。
地域移行支援では、施設入所や病院へ入院している障がい者が、自宅での生活へとスムーズに移行できるよう、住居の確保や日中の活動場所の提供などにより、退院後の生活を支えます。
利用者が入院している時期から段階的に移行支援を進め、その場面ごとに必要な支援を選択することが大切です。
地域定着支援では、一人暮らしをしている障がい者の生活サポートを担い、緊急時の連絡調整や、利用している福祉サービスの連絡調整をします。
計画相談支援
計画相談支援の対象は、障害福祉サービスに携わる障がい者や障がい児とそのご家族です。
福祉サービスの利用計画案を作成し、サービス業者との連絡調整なども請け負います。
また、計画相談支援にはモニタリングという業務もあります。
利用者にとって適切な福祉サービスであるかを定期的に検証し、計画の見直し等を行うのも、計画相談支援の大切な仕事です。
障害児相談支援
障害児相談支援は、障害児通所支援に携わる障がい児とその保護者を対象に行われます。
障害児支援利用計画書を作成したり、サービス事業者と連絡調整を行ったりして、障がい児の通所体制を整えます。
また、定期的にモニタリングを行って計画を見直し、利用者が継続して適切なサービスを受けられるよう調整するのは計画相談支援と同様です。
障害児相談支援では、こどもの成長発達に関する知識が求められます。
社会的視点に加え、発達的視点も必要です。
相談支援専門員が働く職場
相談支援専門員が主に働く場所には、相談支援事業所と基幹相談支援センターがあります。
相談支援事業所の種類は正式には以下の通りです。
- 障害者相談支援事業所
- 指定特定相談支援事業所
- 指定障害児相談支援事業所
- 指定一般相談支援事業所
各々、勤務に必要なメンバーや行う事業内容が異なります。
たとえば、障害者支援事業所では福祉サービスの利用援助や情報提供、専門機関へ紹介などを行います。
また、相談支援事業所は地域によって〇〇福祉センターといったような個別名称で呼ばれることも多いため、一見すると相談支援事業を行っているとわからないかもしれません。
一方、基幹相談支援センターは、地域の相談支援の中心となり、総合的な業務を行います。
障がいの程度や種別を問わず情報提供やアドバイスを行い、ときには地域の相談支援事業所から対応困難なケースを依頼される場合もあるなど、相談内容も多岐にわたります。
相談支援専門員の給与・年収
厚生労働省が発表している賃金構造基本統計調査によると、相談支援専門員が該当する社会福祉専門事業所従事者の年収は約403万7千円でした。
月給で見てみると、常勤の場合は約37万円、非常勤の場合は約24万円です。
国税庁が発表した給与所得者全体の平均年収が433万円であるため、相談支援専門員の年収は一般平均よりもやや低めといえます。
相談支援専門員のやりがい
相談支援専門員は、障がい者の不安や悩みを解決へと導く仕事であり、困っている人を助けることが仕事の本質にあるため、やりがいは得やすいといえるでしょう。
例えば、利用者が描く理想のライフスタイルを送るサポートができたときや、自分が行った相談支援で利用者の状況が好転したり、利用者の意欲を向上させることができたときなどには、大きなやりがいを得やすいです。
また、利用者とダイレクトにコミュニケーションが取れるため、笑顔や感謝に触れ合いやすい点もやりがいを感じる大きなポイントです。
相談支援専門員になるには
相談支援専門員になるには、障がい者の支援・介護・保健事業に関する実務年齢と相談支援従事者初任研修の修了という両方の規定を満たす必要があります。
また、相談支援専門員の資格は5年で失効してしまうため、研修は定期的に受けなければなりません。
介護や相談支援業界での実務経験が必要
相談支援専門員になるには、介護業界や相談支援業務の実務経験が必要です。
ケースごとに求められる実務経験には、以下のようなものがあります。
対象者 | 実務経験 |
相談支援業務および介護等業務に従事し、国家資格等による業務の従事期間が5年以上の者 | 3年以上 |
医療機関で働いており、下記のどれかに該当する方
(1)社会福祉主事任用資格を有している |
5年以上 |
社会福祉主事任用資格者等でない者が、定められた規定の施設で介護等の業務に従事した場合。
施設例)障害者支援施設、老人福祉施設、 障害福祉サービス事業、障害児通所支援事業、診療所または調剤薬局、訪問看護事業所など) |
10年以上 |
参考:計画相談支援のしくみ
実務経験は資格や職種によって3年、5年、10年と分かれており、やや複雑なため、自分がどのケースに該当するかをしっかりチェックしておきましょう。
相談支援従事者初任者研修を受ける
定められた実務経験をクリアしたら、続いて相談支援従事者初任者研修を受ける必要があります。
研修は主催している自治体によって詳しい内容や期日が異なりますので、自分が参加したい初任者研修を調べてみましょう。
例として、東京都が主催している研修内容を見てみましょう。
現在東京都では、1年に1度、7日間かけて研修が行われています。
規定の時間の講義・演習・実習を修了したら資格取得ができ、特に試験は実施されていません。
相談支援専門員はやりがいのある魅力的な仕事
相談支援専門員は、福祉サービスの充実化が求められている今後、需要が高まっていくと予想される仕事です。
障がいを持つ人たちの日常を支え、地域に移行する手伝いができるため、何か人の役に立つ仕事をしたいと考えている人にはぴったりです。
少しでも相談支援専門員に興味がある人は、本記事を参考に前向きに検討してみてはいかがでしょうか。