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相談支援専門員とケアマネジャーの違いは?役割や仕事内容を解説

介護・福祉業界で働いていると、ケアマネジャーや相談支援専門員へのキャリアアップを考えることもあるのではないでしょうか。

相談支援専門員とケアマネジャーは、どちらも対象者とご家族が適切な医療・保健サービスを受けられるように支援するための相談窓口となります。
両者ともに、心理的・社会的問題の解決や助言、社会復帰への促進・援助、各関係機関との連絡・調整などを行うなど、ソーシャルワーカーとしての役割を果たす点で共通しています。

この記事では、相談支援専門員とケアマネジャーの役割、仕事内容、収入面の違いを詳しく解説するので、最後まで読んで参考にしてください。

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相談支援専門員とケアマネジャー(介護支援専門員)の役割の違い

相談支援専門員とケアマネジャー(介護支援専門員)の役割の違い

相談支援専門員とケアマネジャー(介護支援専門員)の役割の違いは何でしょうか?
大きな違いとして、相談支援専門員が障がい者を対象とするのに対し、ケアマネジャーの対象は高齢者であることが挙げられます。
詳しく見ていきましょう。

相談支援専門員の役割

相談支援専門員の役割は、中立的な立場で障がいのある利用者やそのご家族が適切な支援を受けるためにサポートすることです。

つまり、相談支援専門員のサービス提供の対象者は障がい者とご家族であり、必要とする支援を対象者が適切に受けるためにサポートしたり、対象者が望む地域での生活を送れるようにサポートしたりする役割を担っています。

ケアマネジャーの役割

一方で、ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険法に規定され、居宅介護支援事業所や介護保険施設に必置とされている専門職です。
介護保険を利用しようとしている、または利用したいと思っている高齢者が、介護保険サービスを受けられるように連絡や調整をする、ケアマネジメントの役割を担っています。
介護保険法では、ケアマネジャー(介護支援専門員)は以下のように定められています。

「介護支援専門員」とは、要介護者又は要支援者(以下「要介護者等」という。)からの相談に応じ、及び要介護者等がその心身の状況等に応じ適切な居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス、介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービス又は特定介護予防・日常生活支援総合事業(中略)を利用できるよう市町村、居宅サービス事業を行う者、地域密着型サービス事業を行う者、介護保険施設、介護予防サービス事業を行う者、地域密着型介護予防サービス事業を行う者、特定介護予防・日常生活支援総合事業を行う者等との連絡調整等を行う者であって、要介護者等が自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識及び技術を有するものとして第六十九条の七第一項の介護支援専門員証の交付を受けたものをいう。

出典:介護保険法 第七条の5

相談支援専門員とケアマネジャーの仕事内容の違い

ここまで、相談支援専門員とケアマネジャーの役割をそれぞれ説明してきました。
相談支援専門員もケアマネジャーも、どちらも福祉・介護分野のケアマネジメントをする役割を担うことがわかりました。
では、相談支援専門員とケアマネジャーの仕事内容では、どのような違いがあるでしょうか?

相談支援専門員の仕事内容

相談支援専門員の主な仕事内容は、乳幼児から高齢期の障がい者を対象に、自立した日常生活、社会生活を営むことができるようサポートすることです。

障害福祉サービスなどの利用計画作成や地域生活への移行・定着に向けた支援、住宅入居等支援事業や成年後見制度利用支援事業に関する支援など、障がいのある人の全般的な相談支援を行います。

職場は、主に指定相談支援事業所、基幹相談支援センター、市区町村です。

障がい者を対象とし、必要なサポートについてのレポートを作成する必要があるため、対象者とご家族へのヒアリングやモニタリングが必要な業務です。
そのため、障がい者との接し方に苦労する場合もあります。

ケアマネジャーの仕事内容

ケアマネジャーは、居宅介護支援事業所や介護保険施設などで、ケアプラン(介護サービス計画)を立案することが主な仕事です。
またケアプランの立案以外にも、介護サービスの利用調整や、関係機関との連絡なども仕事の一つです。
ケアマネジャーは、現代の日本社会において、高齢者への保健医療の向上および福祉の増進を図ることを目的として、介護保険制度の理念を実現するための重要な役割を担っています。
しかし職場によっては、まだケアマネジャーの仕事内容や役割に対しての理解が十分でなく、キャリアアップとして転職したつもりが、介護スタッフとしても兼務を求められることもあります。

相談支援専門員とケアマネジャーに必要な資格の違い

相談支援専門員とケアマネジャーに必要な資格の違い

ここまで、相談支援専門員とケアマネジャーの役割や仕事内容の違いを説明してきました。
では、相談支援専門員とケアマネジャーに必要な資格として、何があるのでしょうか?
また資格にはどのような違いがあるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。

相談支援専門員に必要な資格

相談支援専門員の場合、資格を取るには実務経験3〜10年と、相談支援従事者初任者研修の受講が必須です。
相談支援専門員の資格は更新制のため、資格を維持するためには5年に1度、相談支従事者現任研修を受ける必要があります。

相談支援専門員は実務経験と研修修了を満たすことで、相談支援専門員の資格を得られるのです。

相談支援専門員と似た職種に、生活支援員もあります。
障がい者の日常生活上の支援や、身体機能・生活能力を向上するための支援を行ったり、障がい者の創作・生産活動に関わったりする仕事です。

この仕事には、特に資格などは必要ありませんが、社会福祉士の資格があると理想です。

ケアマネジャーに必要な資格

では、ケアマネジャーになるために必要な資格は何でしょうか?

ケアマネジャーは、保健・医療・福祉の分野で要援護者などに対する相談・援助の業務に一定期間従事した経験のある人の中から養成するという考え方から、資格要件が定められています。
必要な資格要件は以下となります。

  • 厚生労働省令で定める実務の経験を有する者
  • 介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、かつ介護支援専門員実務研修の課程を修了した者

以上の2点を満たせば、ケアマネジャーとしての登録が可能です。
介護支援専門員実務研修受講試験に合格したあとは、介護支援専門員実務研修を受講します。
その後、都道府県に登録を申請し、受理されると介護支援専門員(ケアマネジャー)の資格が取得できます。

介護支援専門員は5年ごとに更新の手続きが必要です。
また、国家資格ではなく各都道府県が管轄する公的資格であり、ケアマネジャーの資格を取得するためには、各都道府県で年1回実施される試験に合格する必要があるので注意が必要です。
ちなみに、平成28年10月末の介護支援専門員実務研修受講試験の合格者数は666,783人となっています。

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相談支援専門員とケアマネジャーの収入の違い

キャリアアップを考えるうえで、誰もが気になるのが収入ではないでしょうか。
相談支援専門員とケアマネジャーでは収入面でどのくらい違いがあるのでしょう?
一緒に見ていきましょう。

相談支援専門員の収入

厚生労働省が調査した令和3年度のデータによると、常勤の相談支援専門員の平均給与額は358,010円となっています。

相談支援専門員が働く場所は、地域の相談支援事業所や基幹相談支援センターが主となっていますが、働く場所によっても収入は異なります。

ケアマネジャーの収入

厚生労働省の令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、介護支援専門員は常勤の場合、平均給与額353,560円となっています。

ケアマネジャーは介護保険制度に基づいたケアマネジメントを行う職種です。
そのため、介護業界のなかで、収入は高いほうであるといわれています。

上記の収入は常勤時の収入であり、もちろん働き方や職場により年収は異なります。
給料は少なくなっても勤務時間を短縮してワークライフバランスをとるなど、自身で調整しながら働けることもケアマネジャーの魅力の一つです。

相談支援専門員 ケアマネジャー(介護支援専門員)
役割 障がいのある利用者やご家族のサポート 高齢者が介護保険サービスを受けるための連絡や調整
仕事内容 障がい者の自立した日常生活、社会生活支援 ケアプランの作成
必要な資格 実務経験3〜10年+相談支援従事者初任者研修の受講 介護支援専門員実務研修受講試験
厚生労働省令で定める実務経験
介護支援専門員実務研修の修了
収入 358,010円(常勤) 353,560円(常勤)

相談支援専門員とケアマネジャーの違いを知り、自分に合った職を選ぼう

今回は、相談支援専門員とケアマネジャーの職業の違いを説明してきました。

福祉と介護で活躍する業界に違いはありますが、両者ともに対象者の要望を汲み取り、サービスを提案する大切な役割を担うことに変わりはありません。

また、高齢障がい者の自立支援においては、福祉分野と介護分野それぞれのマネジメント職である相談支援専門員とケアマネジャーが連携を進めていくことも重要となります。

今回ご紹介した職業について、興味を持たれた方はぜひスキルアップにチャレンジしてみてください。

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執筆者について

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