生活相談員は介護サービス利用者やご家族をはじめ、サービス提供者など多くの人と関わりを持つため、ストレスがたまりやすい仕事です。
過度にストレスがたまると仕事が嫌になったり、辞めたくなったりするかもしれません。
そこでこの記事では、生活相談員でたまりがちなストレスの原因について解説しています。
過度にストレスがたまって仕事を辞めたくなったときの対処法や、転職する際に気をつけるポイントについても紹介していますので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
目次
生活相談員はどのようなストレスが退職理由につながるのか
生活相談員は基準を満たした人員配置であっても、施設によっては一人の場合があります。それにより仕事が集中し、忙しくなりやすい環境です。
その状況で見合った給料がもらえないと、不満がたまります。
また、相談業のため、人同士の板挟みになることもあり、悩むことも出てくることも。
これらのことが重なると強いストレスを感じ、仕事を辞めたいと考えたくなる可能性もあります。
ストレスを感じるそれぞれの原因について詳しくみていきましょう。
仕事量が多くて忙しい
生活相談員の仕事量が多くて忙しくなる主な理由は、次の2つが考えられます。
- 施設の状況により、介護の現場業務やマネジメント業務を兼務する場合がある
- 基準を満たした人員配置であっても、施設に一人だけの場合がある
相談のみに特化した資格ではないため、仕事の範囲は不明瞭で、広くなりやすいのが原因です。
また施設の状況により、介護現場の仕事や施設のマネジメント業務を兼務する場合もあります。
そのため仕事量も多くなり、忙しくなりやすいのが実情です。
基準を満たした人員配置であっても施設に一人だけの場合もあり、仕事を一人で抱える状況にもなりやすく、これも忙しさを感じる要因の一つです。
仕事量に見合った給料がもらえない
厚生労働省が発表した2020年度の介護従事者の平均月給額を抜粋して表にしました。
生活相談員 | 343,310円 |
介護従事者 | 315,850円 |
介護事務員 | 311,120円 |
ケアマネジャー | 357,850円 |
厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」スライド137
生活相談員の給料はケアマネジャーに次いで高いのがわかります。
しかし、いくら金額は高くても、仕事量に見合っていないと感じると、不満がたまる原因になります。
ほかにも、給料アップを求めて介護職から生活相談員になった方は、夜勤で受け取れる時間外手当がなくなるため、考えていたよりも給料が少ないと感じるかもしれません。
仕事内容が違うため、一概に比べることはできませんが、社会福祉士などの資格を取得してキャリアアップした方にとっては、不満が残る原因になることがあります。
相談業のため板挟みになりやすい
生活相談員は、介護サービスの利用者とケアマネジャーなどのサービス提供者との間に入って相談を受けたり、連絡調整をしたりする立場にあります。
両者の意見が食い違って対立することもあり、さらには苦情の対応が求められるなど、人と人の間を取り持つことは、簡単にはいかないものです。
我慢を強いられることや板挟みになることもあり、ストレスがたまりやすい環境にあるといえます。
生活相談員の労働環境を乗り切るために必要なスキルは、以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
生活相談員を辞めたくなったら
生活相談員を辞めたくなったときの対処法を紹介します。
仕事をしているメリットを考えたり、悩みを上司に相談したりするほか、転職を考えるといった方法もあります。
下記内容を参考にしてみてください。
生活相談員のメリットを考える
生活相談員は、介護職でありながら夜勤がないことと、力仕事をしなくて良いことの2つのメリットがあります。
どちらも介護職の多くに付随する問題です。
それぞれ解説します。
夜勤がない
生活相談員の仕事は、利用者と施設のスタッフ、および外部の関係機関との連絡や相談業務であるため、日中の勤務が基本であり、夜勤がありません。
そのため、生活リズムが乱れることがなく、体への負担は少なくなります。
また、ご家族や友人との時間も合わせやすく、プライベートの時間も共有しやすいでしょう。
力仕事をしなくて良い
生活相談員の仕事はデスクワークが多く、介護職員より身体を動かす仕事は少ない傾向があります。
特に介護度が高い利用者が多い施設では、身体介助だけでも重労働です。
体力に不安のある方や、年齢を重ねて重労働がつらくなってきた方には、力仕事がないデスクワークのほうがメリットが大きいでしょう。
職場の上司に相談してみる
生活相談員の仕事で悩んだときは、職場の上司や施設長に相談してみましょう。
施設に一人しか生活相談員が配置されていない職場の場合、他職種には仕事の状況などがわかりにくいこともあるため、「人員を増やして欲しい」「業務内容を改善してほしい」など具体的に相談をすることで悩みの解決につながりやすくなります。
人間関係が悩みの原因である場合は、相談先は他施設の仲間や友人でも良いかもしれません。
一人で抱え込むことをせず、第三者に話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になることもあるでしょう。
転職を視野に入れる
転職を視野に入れておくのも、仕事が辛いと感じたときの対処法の一つです。
そのなかで、「職場を変える」「思い切ってケアマネジャーへの転職を考える」の2つのルートを紹介します。
職場を変える
給料などの待遇や労働環境、人間関係などに悩んでいる方は、職場を変えるという選択肢があります。
生活相談員の仕事自体が好きな場合には、悩みを解消でき、心機一転できるおすすめの方法です。
ケアマネジャーも選択肢に
生活相談員の仕事を続けるのが困難な場合、ケアマネジャーへ転職することを視野に入れるのも良いかもしれません。
ケアマネジャーは同じ介護分野のマネジメント系の仕事であり、生活相談員で培った知識を活かせます。
また生活相談員として勤務した経験は、ケアマネジャーの資格要件の一つである、実務経験に加えられます。
ケアマネジャーの仕事は、ケアプランの作成と説明が主な仕事であり、生活相談員とは違った方向から利用者と関われるため、新たな気持ちで仕事ができるでしょう。
生活相談員を辞めて転職するときのポイント
生活相談員として現在の職場を辞める決意をしたら、転職が成功するように動きましょう。
うまくいくためのポイントを2つ紹介します。
今の職場を辞める前に就職先を探す
すぐに辞めなくても良い場合は、働きながら就職先を探したほうが安心でしょう。
金銭面の不安がなく、ブランクもできません。
いざとなったら転職しない選択肢もあります。
転職活動にかけられる時間が少ないなどのデメリットはありますが、安心感をもって転職することを優先させたい場合は、辞める前に就職先を探したほうが無難です。
仕事に求めているものの順位を決める
仕事に対して優先させることを見つめ直しましょう。
ここが曖昧だと、せっかく転職しても同じ理由で辞めることになってしまいます。
優先順位をつける目安は次の項目を参考にしてみてください。
- 仕事内容
- 施設の社風や人間関係
- 勤務条件や福利厚生
給料が高い、休暇が多いなど、自分の希望をはっきりさせることで、職場を選ぶ際に迷いなく選べます。
優先させるべき事項が決められたら、それに合わせて情報収集ができ、効率よく転職活動を進められます。
生活相談員の仕事に疲れたときは、自分に合った対処法を探そう
生活相談員を辞めたくなるときのストレスの原因は、仕事量と給料のバランス、相談業での人間関係などさまざまです。
辞めたくなったときの対処法としては、仕事内容のメリットを見つめ直したり、一人で抱え込まず周囲に相談したりすることなどが挙げられます。
それでも解決しない場合は、転職を考えるのも一つの方法です。
仕事に疲れたときや辛いときは、自分に合った対処法を見つけ、乗り越えましょう。