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生活相談員で大変なこととは?仕事がきつい理由について解説

「生活相談員は業務範囲が広く、きつくて大変そう」
生活相談員の仕事に興味を持ちながら、そんなイメージから自分には難しいのではないかと、不安を抱えることもあるのではないでしょうか。

たしかに、生活相談員は業務範囲が広くなる傾向があり、勤務する施設ごとに求められる仕事内容が違います。
求人情報を見るだけでは具体的な仕事内容がわからず、不安になるかもしれません。

今回は、なぜ生活相談員が大変、きついと思われがちなのか、その理由と辛いときの対処法について解説します。

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生活相談員の仕事で大変なこと5選

生活相談員の仕事で大変なこと5選

ソーシャルワーカーとも呼ばれる生活相談員の仕事は、利用者の直接的な生活相談業務から、利用者を取り巻くご家族・ケアマネージャ-とのやりとりなど多岐にわたります。
そのため、人間関係や業務内容などに悩みを抱え、仕事が難しく大変と感じるケースもあるでしょう。
ここでは、生活相談員の仕事が大変と感じられがちな具体的な理由を5つ紹介します。

1. 職場の人間関係に悩みを抱えてしまう

生活相談員の主な勤務先は、デイサービスや特別養護老人ホーム(特養)、ショートステイなどの介護施設です。
これらの施設には介護士や看護師、ケアマネージャーなど、資格や立場が異なる他職種のスタッフが勤務しています。

生活相談員は、施設内のさまざまな職種の人と連携を取らなければならない職業です。
職種や考え方の違いから、人間関係にストレスを感じることも少なくありません。

円滑な人間関係を築くためには、相手の立場や仕事を知る努力をすると良いでしょう。
相手を知り、相手に寄り添うことで、円滑なコミュニケーションをとることができます。
相手の立場に立つことで、自分の視点も広がり、考えの違いからくるストレスを軽くできるかもしれません。

2. 利用者のクレーム対応が辛い

生活相談員は、施設と利用者をつなぐ窓口です。
また、利用者だけでなく、利用者のご家族にも対応しなければいけません。

利用者の希望をできる限り聞き入れたいと思っても、個別に対応するには限界があります。
利用者の希望とご家族の意向が食い違い、対応に困ることもあるかもしれません。

施設が実現できる範囲内で、ご家族の意向をとりいれつつ、利用者本人の希望を叶えることが理想とはいえ、ときにはそれが難しくクレームを受けることもあります。
そのため、クレーム対応の窓口でもある生活相談員の仕事は、辛く感じることがあるでしょう。

クレーム対応ではまず、相手の意見を受け入れることが大切です。
あなたも家族や友人に抱えている不満を聞いてもらい、スッキリした経験はありませんか?
クレーム対応では、相手の話を傾聴することでその不満を小さくできる場合があります。

よく相談を受ける人や、相手に寄り添える人は生活相談員に向いているかもしれません。

3. 業務範囲が広く大変

生活相談員の主な仕事はこちらです。

  • 利用者とそのご家族の状況把握と提供サービスの調整
  • 入所希望者への説明や見学の対応
  • 利用者の入退所時の説明や契約手続き
  • 主治医やケアマネージャーなど外部スタッフとの連絡調整
  • 介護計画書や評価などの書類作成
  • クレーム対応
  • サービス担当者会議への出席
  • 介護職員のサポートと育成

デイサービスや特別養護老人ホーム(特養)など、施設の規模や形態によっては介護職員として食事や入浴の介助を求められるケースもあります。

生活相談業務だけではなく、外部スタッフとの調整や書類作成から利用者の日常生活の介助まで、生活相談員の仕事は多岐にわたるため、大変だと感じるかもしれません。

その反面、生活相談員は利用者とより深く広く関われるため、やりがいを感じられる仕事です。

業務範囲が広い生活相談員に必要なスキルについては、次の記事をご参照ください。

4. 労働に対する給与の低さがきつい

生活相談員は業務範囲が広く、どこまでが仕事かはっきりしないため、仕事量にくらべて給与が低いと感じる人もいるかもしれません。

では、実際に生活相談員の給与はどれくらいなのでしょうか?
厚生労働省の令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要を参考に、生活相談員を含む介護に関わる職種の平均基本給を以下にまとめてみました。

  • 生活相談員/支援相談員  268,460円
  • 介護支援専門員  280,700円
  • 介護職員  240,790円
  • 看護職員  281,160円

※介護職員等ベースアップ等支援加算を取得(届出)している事業所における介護従事者(月給・常勤の者)の平均基本給等

出典:厚生労働省 令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要

生活相談員の基本給は看護職員より低い金額ですが、介護職よりは高くなっています。
しかし、生活相談員は日中のみの勤務であるため、夜勤手当がある介護職より総支給額では低くなる可能性があります。

業務範囲が広い仕事であるにも関わらず、給与水準は決して高いとはいえないため、給与に対して不満を感じることがあるかもしれません。

さらに、生活相談員は、介護職員処遇改善加算の対象外となっています。
介護職処遇改善加算とは、介護現場で働く介護職員の賃金改善を目的として、国が制定した制度です。
介護職員処遇改善加算を取得すると、介護職員の賃金が月平均1万円から3万数千円程度上がるとされています。
加算の対象は直接介護を行う者とされているため、残念ながら生活相談員は対象外です。

生活相談員が介護職を兼任している場合は、介護職処遇改善加算の対象となることもあります。

5. 職場によっては業務量が多すぎる

生活相談員の勤務先は、利用者が10人程度のデイサービスもあれば、100人超が入所している特別養護老人ホーム(特養)などもあり、施設形態も規模もさまざまです。
そのため、労働日数や残業の有無といった条件も、職場により異なります。

小規模の施設では、生活相談員が利用者の介助や雑用まで兼任しなければならなかったり、逆に大規模の施設では多数の利用者の相談対応に追われたりと、職場によって業務内容は異なりますが、概して業務量が多くなる傾向があります。

また、生活相談員は、デイサービスでは一人以上、特別養護老人ホーム(特養)では、利用者100人に対し一人以上の配置が義務付けられています。

施設によっては生活相談員が一人という場合もあり、多すぎる業務を人と分担することができない、相談する相手がいないという状況に悩むこともあるでしょう。

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介護の生活相談員の仕事が難しい・合わないときの対処法

介護の生活相談員の仕事が難しい・合わないときの対処法

生活相談員の辛さや大変さを知ると、不安が大きくなるばかりかもしれません。
ここでは、生活相談員の仕事が難しい、合わないと感じたときの対処法を解説します。
仕事に辛さを感じ、不安を解消したい人は参考にしてみてください。

自分だけの業務マニュアルをつくる

職場ごとに業務範囲が異なる生活相談員の仕事では、勤務先にあわせた自分だけの業務マニュアルをつくると良いでしょう。

勤務先で求められる業務内容にあわせ、基本的な生活相談員の仕事や、繰り返し行う必要がある業務の手順や注意点をまとめておくと効率的に仕事ができます。
仕事をスムーズに進めることができれば、辛さを感じることも少なくなるでしょう。

早期にこうしたマニュアルをつくることで、早く仕事を覚えることができるうえ、仕事内容についての理解が深まるのでおすすめです。

  • 利用者相談
  • 入退所の流れ
  • 書類作成
  • クレーム対応

上記のように、まずは主な業務のマニュアルを優先してつくると良いでしょう。

職場の上司に仕事内容などの改善案を提案・相談してみる

生活相談員として働くなかでは、仕事や利用者・ご家族との関係などに悩み、苦悩することもあるでしょう。

しかし、施設では、生活相談員一人で利用者を支えるのではありません。
管理者や介護職、看護師などのチームで一丸となって、利用者を支援しているはずです。
辛さや悩みを自分一人で抱え込まず、苦しいときは上司に相談してみましょう。

生活相談員が仕事に行き詰まると、最終的に影響を受けるのは利用者です。
ネガティブなことを相談するのが苦手だという人は、利用者の支援向上のために上司に相談するのだという、ポジティブな気持ちで臨んでみてはいかがでしょう。

しかし、業務の改善や相談をしても聞き入れてもらえず、仕事が辛すぎて身体的な影響が出てきたときには、無理をせず退職や転職を考えることも必要です。

職種や業種を変える

どうしても生活相談員の仕事が辛い、自分に合わないなどと感じることもあるかもしれません。
ご自身の性格や職場環境が合わないときには、職種や業種を変えてみるのも一つの方法です。

他の職場や職種を経験することで視野が広がり、新たな道が開けることもあります。
デイサービスから、特別養護老人ホーム(特養)へ職場を変えてみたり、生活相談員からケアマネージャーや社会福祉士をめざしてみたりといったことも検討してみましょう。

生活相談員は、幅広い仕事をこなすため、その経験は転職時のメリットになります。

生活相談員は大変だけどやりがいのある仕事

今回は生活相談員の大変さや苦悩と、その対処法についてご紹介しました。

生活相談員は簡単な仕事ではないかもしれませんが、利用者とそのご家族にとってなくてはならない存在です。
また、利用者を広く支え、深く関わることができるやりがいのある仕事です。

そして、生活相談員として幅広い仕事に挑戦することで、さまざまな経験を積むことができます。
大変な仕事かもしれませんが、その経験はキャリアアップにつながるメリットといえます。
興味がある人は、前向きに挑戦してみましょう。

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執筆者について

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