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チーム医療における薬剤師の役割とは?職場ごとの具体事例を紹介

この記事の監修者
牧野泰尚
【資格】
薬剤師

【プロフィール】
薬剤師の資格を持ち、製薬企業で約20年勤務。本社・営業・支援スタッフの経験あり。
2024年4月からフリライターとして医療系記事を執筆。

チーム医療における薬剤師の役割とは、どのようなものでしょうか。
チーム医療とは、専門性の異なるさまざまな医療スタッフが、それぞれの専門的役割を担い、患者さんに最適な医療を提供することを指します。

本記事では、薬の専門家である薬剤師のチーム医療での役割を、病院に勤務する場合と調剤薬局に勤務する場合にわけて解説します。
就職先を病院か調剤薬局かで悩んでいる薬学生の方は、参考にしてみてください。

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チーム医療における薬剤師の役割

チーム医療における薬剤師の役割

チーム医療における薬剤師の役割は、医師や看護師をはじめとするさまざまな医療スタッフと連携を取りながら、薬の専門家として適切な薬物療法を行うことです。
具体的には、より効果的で安全に使用できる薬の選択および投与設計、適正使用の促進、副作用モニタリングなどを行います。
医薬品は日々新しいものが登場しているため、最新の知識を有している薬剤師の役割は重要です。

病院薬剤師のチーム医療での役割【各チームごとに紹介】

病院薬剤師は、院内のさまざまなチームに参加しています。
具体的には、以下のとおりです。

  • 栄養サポートチーム
  • 感染制御チーム
  • 褥瘡対策チーム
  • 周術期管理チーム
  • 精神科リエゾンチーム
  • 緩和ケアチーム

それぞれのチームの役割や活動を紹介します。

栄養サポートチーム

栄養サポートチーム(NST:Nutrition Support Team)は、薬剤師や医師、看護師、栄養士、臨床検査技師などで構成されています。
NSTは、主治医から介入依頼のあった患者さんの栄養管理を行うチームです。

栄養管理には、以下のような方法があります。

栄養管理の方法 詳細
経口摂取 口から栄養を摂取する
経腸栄養法(EN) 経口摂取ができない場合には、経管チューブで栄養剤を注入する
抹消静脈栄養(PPN) 消化管が使用できない、使用すべきでないと医師が判断した、使用できても不十分で、栄養管理の期間が7〜14日以内の場合に行う
中心静脈栄養(TPN) 消化管が使用できない、使用すべきでないと医師が判断した、使用できても不十分で、栄養管理の期間が7〜14日以上の長期間になると予想される場合に行う

NSTの薬剤師の役割は、投与する医薬品の熱量やたんぱく質量の計算に加えて、医薬品の処方提案、副作用マネジメントなどであり、重要な役割を担っています。

感染制御チーム

感染制御チーム(ICT:Infection Control Team)は、薬剤師や医師、臨床検査技師、事務職員などで構成されています。
ICTの主な役割は、院内感染の発生状況をタイムリーに把握し適切な処置を行うこと、定期的に院内を巡回し、感染対策の実施状況の確認と指導を行うことです。
薬剤師は、薬の専門家としての立場から、抗菌薬や消毒薬の適正使用の指導、感染対策マニュアルの作成、手指衛生や環境衛生を院内スタッフへ教育・啓発する役割を担います。

褥瘡対策チーム

褥瘡対策チームは、薬剤師や医師、看護師、栄養士などで構成されています。
薬剤師の役割は、褥瘡対策チームの病棟ラウンドや病棟薬剤業務をとおして、患者さんの薬歴や禁忌、相互作用の確認、使用する薬の処方提案などです。
また、褥瘡に使用する外用薬の使用方法を、病棟看護師へ説明することもあります。

周術期管理チーム

周術期管理チームは、薬剤師や医師、看護師、歯科医師、歯科衛生士、理学療法士、言語療法士、栄養士など多くの職種で構成されています。
チームの役割は、患者さんの手術を安全に実行することです。

薬剤師は、周術期薬剤管理では以下の役割を担っています。

  • 周術期薬剤管理に関するプロトコルの整備と見直し
  • 薬剤師間での情報共有
  • 薬剤の安全使用に関するマニュアルの整備と見直し
  • 術前・術後における、休薬や再開などの基準作成

精神科リエゾンチーム

精神科リエゾンチームは、薬剤師や医師、看護師、臨床心理士、精神保健福祉士などで構成されています。
チームの役割は、入院患者さんのせん妄や不眠、抑うつなどの精神症状や心理的な問題に介入し、原疾患の治療が円滑に施されるように支援することです。

薬剤師は、患者さんの服薬状況や薬物相互作用の確認、副作用のモニタリングを実施し、適切な処方提案を行います。
また、患者さんやご家族に服用方法とあわせて、効果・安全性の説明を行うことも大切な役割です。

緩和ケアチーム

緩和ケアチーム(PCT:Palliative Care Team)は、薬剤師や医師、看護師、歯科医師、栄養士、ソーシャルワーカーなどで構成されています。
PCTの役割は、主にがん患者さんに対して、痛みや倦怠感などに対する身体的ケアと、落ち込みや悲しみなどに対する精神的ケアです。

薬剤師は、患者さんの症状をアセスメントし、治療計画を立てます。
治療計画を立てる際には、患者さんの臓器別機能を把握したうえで、薬の特性や相互作用、保険適用などにも配慮することが大切です。

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調剤薬局薬剤師のチーム医療での役割

調剤薬局薬剤師のチーム医療での役割

調剤薬局薬剤師は、地域包括ケアシステムへの参画が求められています。
地域包括ケアシステムとは、高齢化が進むなかで、高齢者が住み慣れた地域で自分らしく生きられるよう、地域で包括的に支援やサービスを行うことです。

薬剤師が地域でチーム医療に参画する例として、在宅医療があります。
在宅医療における薬剤師の主な役割は、以下のとおりです。

  • 処方箋に基づき患者さんの状態に合わせた調剤
  • 患者さん宅へ訪問し、服薬指導や服薬状況の確認、残薬管理
  • 薬歴管理
  • 副作用のモニタリング
  • 在宅担当医師へのフィードバック
  • ケアマネジャーなどとの情報共有

つまり、患者さんに適した薬物療法の提供が主な役割となります。

チーム医療における薬剤師の役割を理解して就職先を選ぼう

チーム医療における薬剤師の役割は、薬の専門家として患者さんに最善の薬物治療を行うことです。
また、病院薬剤師と調剤薬局薬剤師では、役割が大きく異なります。

病院薬剤師は、医師や看護師をはじめとするさまざまな医療スタッフとチームを組み、入院患者さんをサポートすることが主な役割です。
一方、調剤薬局薬剤師は、地域包括ケアシステムに参画し、在宅の患者さんをサポートする役割が求められます。

これから薬剤師として働くことを考えている人は、チーム医療での薬剤師の役割を理解したうえで、自分がどのように医療貢献したいのかを考え、就職先を選びましょう。

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執筆者について

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