
歯科医師の男女比は、2020年の時点で、男性約8万人に対し、女性は約2万7,000人です。
男性歯科医師が多く、女性歯科医師が少ないので、これから歯科医師をめざす女性のなかには、「女性には働きにくい職種なのでは」と悩んでしまう人もいるかもしれません。
この記事では、女性歯科医師の働き方の現状や将来性、メリット、やりがいなどを紹介します。
歯科医師をめざす女性や現役の女性歯科医師は、ぜひ参考にしてください。
目次
歯科医師の女性の働き方事情
ここではまず、歯科医師として働いている女性の現状として、以下の2点を見ていきましょう。
- 歯科医師の女性は増えている
- 歯科医師女性の開業状況
歯科医師の女性は増えている
女性歯科医師の人数は、男性歯科医師に比べるとまだ少ないものの、増加傾向にあります。
厚生労働省の令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況によると、2020年の女性歯科医師の人数は26,913人でした。
1968年には4,028人でしたが、1990年には初めて1万人を超え、2020年まで右肩上がりに増え続けています。
男女の差で見ても、1990年は男性63,822人に対して女性10,206人と、6倍以上の開きがありましたが、2020年は男性80,530人に対して女性26,913人となっており、その差は3倍以下まで小さくなっています。
年齢が若いほど男女の人数差が少ないため、将来的には現在よりも女性歯科医師が増えていく可能性があるでしょう。
歯科医師女性の開業状況
歯科医師は開業する人が多い職種ですが、女性歯科医師の場合は開業せず、勤務医として働き続ける人が多い傾向にあります。
理由は人それぞれですが、女性のほうが結婚や妊娠、出産などのライフイベントがあり、家庭と育児の両立を考えていることも関係しているでしょう。
次の記事では歯科医師の年収について詳しく紹介しています。
興味のある方は、ぜひ参考にしてください。

女性が歯科医師として働くメリット
前述したように、男性に比べて女性の歯科医師は少なく、開業する人も少ない傾向です。
しかし、女性が歯科医師として働く場合、以下の5つのメリットがあります。
- 同性や小児、高齢者から支持されやすい
- 母子の気持ちが理解できる
- 採用に性別があまり関係ない
- 勤務時間が決まっている
- 産休や育休が取得しやすい
女性歯科医師には男性では相談しづらいことも打ち明けやすいため、同性から人気が高い傾向にあります。
また、小児や高齢者からも親しまれやすく、小児歯科や高齢者の訪問診療でも活躍が期待できます。
また、勤務時間が決まっていたり、産休や育休が取りやすかったりすることから、家事や育児との両立がしやすい点もメリットです。
歯科医師として働く女性のやりがい
女性歯科医師のなかには、男性歯科医師とは異なるやりがいを感じている人も少なくありません。
例えば、小児歯科や矯正歯科、審美歯科など、育児や美容のサポートができる分野では、女性ならではの強みを活かしやすく、やりがいも感じやすいでしょう。
また、医師とは違って夜勤がなく、家事と育児と両立しやすいため、キャリアアップが図りやすい点も魅力です。
さらに、歯科医師の年収は他の職種と比べて男女差が少ない傾向にあることも、やりがいを感じやすい要素の一つでしょう。
仕事をしっかりと評価してもらっている実感を得やすいことも、やりがいを感じやすい要素の一つです。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、令和4年の平均年収に関しては、男性が約794万円に対し、女性は約878万円と、女性のほうが多い結果になっていました。

歯科医師の女性は今後も活躍が期待できる
女性歯科医師は年々増えており、若い年齢ほど男女間での人数差が狭くなっています。
開業をする人数は少ない傾向ですが、小児歯科や審美歯科など女性ならではの活躍できる場所も多いため、女性歯科医師の活躍の場は今後ますます広がることが予想できます。