
保険薬剤師として働きたい方は、地方厚生局へ登録手続きを行い、認定されると保険調剤薬局で勤務できます。
薬剤師免許を持っていても、地方厚生局への登録手続きができていなければ、保険調剤薬局で働くことはできません。
なかには「登録方法がわからない」と思っている方もいるのではないでしょうか?
この記事では、保険薬剤師が働く場所や地方厚生局への登録手順、登録内容変更時の申請方法を紹介しています。
初めて登録手続きをする方や、保険薬剤師に興味がある方は参考にしてください。
目次
保険薬剤師は保険調剤薬局で働く
保険薬剤師は保険調剤薬局で働く薬剤師の名称です。
保険調剤薬局では、患者さんは健康保険を利用でき、自己負担割合は1~3割となります。
そのため、保険薬剤師は保険調剤のルールを守って調剤しなければいけません。
日本の薬局の多くは保険調剤薬局ですが、保険を取り扱っていない薬局も存在します。
薬剤師について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。

保険薬剤師で働くためには地方厚生局への登録が必要
保険薬剤師として働くためには、薬剤師国家試験に合格後、地方厚生局にて新規登録手続きが必要です。
申請の際には「保険医・保険薬剤師登録申請書」、「薬剤師免許証の写し」を準備しましょう。
保険医・保険薬剤師登録申請書は、以下の各地方厚生局のホームページより印刷できます。
保険薬剤師として初めて働く際には、新規登録申請を提出し、登録証を紛失した・職場を異動した場合は変更申請が必要です。
次項から保険薬剤師の新規登録手順について説明していきます。
保険薬剤師の新規登録手順
保険薬剤師の新規登録手順は以下のとおりです。
- 新規登録の申請:勤務先の所在地を管轄する地方厚生局に保険医・保険薬剤師登録申請書と薬剤師免許証の写しを提出する
- 登録票の交付:提出書類に問題がなければ登録票が自宅または勤務先に送られる
- 新規指定時指導を受講:新規で保険薬剤師として登録したあとに必ず受講が必要
新規登録手順は上記の手順のみです。
新規指定時指導は保険薬剤師の登録手順に組み込まれており、受講が必須であるため忘れないようにしましょう。
保険薬剤師の変更時の申請方法
変更時の申請が必要なのは以下の場合です。
- 登録票を紛失・き損したとき
- 移転があったとき
- 氏名が変更になったとき
- 死亡または失踪したとき
- 登録を抹消するとき
変更時の手続きには手数料がかかりません。
申請方法について順番に説明していきます。
登録票を紛失・き損したとき
登録票を紛失・き損したときは再交付の申請が必要です。
「保険医・保険薬剤師 登録票再交付申請書」に記載要領に沿って記入します。
紛失した場合の申請に必要なのは再交付申請書だけで、き損した場合はき損した登録票を添付してください。
再交付までの流れを説明します。
- 再交付の申請:「保険医・保険薬剤師 登録票再交付申請書」を管轄の地方厚生局へ提出する
- 書類確認・申請内容の審査:提出した書類に不備がないか確認し、場合により地方厚生局事務所から確認の連絡がある
- 勤務先へ登録票の再交付:地方厚生局事務所から登録票が再交付される
再交付を受けたのちに登録票が見つかった場合は、見つかった登録票を返納します。
移転があったとき
令和3年2月より、登録している地方厚生局の管轄内で移転した場合は届出不要になりました。
令和5年4月より、登録している地方厚生局の管轄を超えて移転した場合は、登録を行った地方厚生局の都道府県事務所に加え、移転前に働いていた保険調剤薬局の所在地を管轄する都道府県事務所でも届出が可能です。
「保険医・保険薬剤師 届出事項変更(該当)届」に記載例を参考に記入します。
書類提出時には登録票を添付してください。
移転があったときの手続きの流れを紹介します。
- 変更の届け出の申請:「保険医・保険薬剤師 届出事項変更(該当)届」を住所変更前の地方厚生局都道府県事務所または保険薬剤師の登録をしていた地方厚生局都道府県事務所に提出する
- 書類の確認、届出内容の審査:提出先にて書類の不備がないか確認、場合によっては地方厚生局より記載内容の確認がある
- 勤務先へ登録票が交付される:変更後の登録票が勤務先へ送られる
移転があった際の変更は、管轄を超えなければ届け出不要になり、管轄を超えた場合も各都道府県事務所への提出が可能になりました。
氏名が変更になったとき
結婚などにより氏名が変更になったときは、「保険医・保険薬剤師 届出事項変更(該当)届」に記載例を参考に記入します。
申請書類と一緒に戸籍抄本を添付してください。
登録票の名前の書き換えを希望する場合は、登録票も提出します。
名前の書き換えを希望しない場合は、提出する必要はありません。
氏名が変更になったときの手続きの流れを紹介します。
- 変更の届け出の申請:「保険医・保険薬剤師 届出事項変更(該当)届」を保険薬剤師の登録をしている地方厚生局都道府県事務所に提出する
- 書類の確認、届出内容の審査:提出先にて書類の不備がないか確認、場合によっては地方厚生局より記載内容の確認がある
- 勤務先へ登録票が交付される:氏名変更後の登録票が勤務先へ送られる
死亡または失踪したとき
保険薬剤師として登録していた人が、死亡または失踪したときは「保険医・保険薬剤師 届出事項変更(該当)届」に記載例を参考に記入します。
申請書類と一緒に登録票と死亡診断書の写し、または戸籍抄本を添付します。
登録を受けていた保険薬剤師が死亡または失踪したときの手続きの流れは以下のとおりです。
- 変更の届け出の申請:「保険医・保険薬剤師 届出事項変更(該当)届」を保険薬剤師の登録をしている地方厚生局の都道府県事務所に提出する
- 書類の確認、届出内容の審査:提出先にて書類の不備がないか確認、場合によっては地方厚生局より記載内容の確認がある
死亡または失踪した保険薬剤師が、保険医療機関や保険薬局を個人開設していた場合は、別途「保険医療機関・保険薬局 廃止・休止・再開届」の提出が必要です。
登録を抹消するとき
登録を抹消するときは「保険医・保険薬剤師 登録抹消申出書」に記載例を参考に記入してください。
申請の際には登録票の添付が必要です。
登録抹消の手続きの流れを紹介します。
- 変更の届け出の申請:「保険医・保険薬剤師 登録抹消申出書」を保険薬剤師の登録をしている地方厚生局の都道府県事務所に提出する
- 書類の確認、届出内容の審査:提出先にて書類の不備がないか確認、場合によっては地方厚生局より記載内容の確認がある
- 登録抹消日から10日以内に登録票を地方厚生局へ返納する
保険薬剤師の登録抹消の際には申請の翌日から1ヵ月以上の予告期間が設けられます。
予告期間が終了後10日以内に登録票を返納しなければならないので気を付けましょう。
保険薬剤師で働きたい方は地方厚生局への登録を忘れずに
保険薬剤師として働きたい方は、地方厚生局への登録手続きが必要です。
勤務先の管轄の地方厚生局へ「保険医・保険薬剤師登録申請書」を送り、登録手続きを行いましょう。
登録後、以下の内容が生じた場合は変更手続きが必要です。
- 登録票を紛失・き損したとき
- 移転があったとき
- 氏名が変更になったとき
- 死亡または失踪したとき
- 登録を抹消するとき
各ケースにおける手続き方法は、記事内で紹介しているので参考にしてください。
保険薬剤師として働く際は、地方厚生局への登録を忘れずに行いましょう。