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歯科衛生士の面接でよく聞かれることは?具体的な質問と回答例を紹介

この記事の監修者
Naomi
プロフィール
歯科医師 Naomi
歯科医師国家試験合格後、歯科医師臨床研修終了。
都内審美歯科医院や小児歯科医院勤務。
現在は歯科医師、歯科WEBライター・編集

歯科衛生士の面接では、面接官が応募者の人柄や適性、仕事への意欲などを知るために、さまざまな質問をします。
質問の意図を理解し、具体的な回答を用意しておくことで、面接をよりスムーズに進めることができるでしょう。

この記事では、歯科衛生士の面接でよく聞かれる質問と、その回答例を詳しく紹介します。歯科衛生士の面接対策として、マナーや持ち物についてもご紹介していますので、これから面接を控えている方は、ぜひ参考にしてください。

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歯科衛生士の面接で聞かれる質問と回答例

歯科衛生士の面接では、志望動機や自己PR、これまでの経験など、さまざまな質問をされることが想定されます。
ここでは、実際によく聞かれる質問とその回答例を見ていきましょう。

自己紹介をお願いします

面接で最初に聞かれるのが、自己紹介です。
面接官に自分の人となりを知ってもらうために、名前や経歴、志望動機などを簡単に伝えます。
あまり長くは話さず、1分程度を目安にまとめるのがおすすめです。

○○と申します。
□□大学附属歯科衛生士学校を卒業後、△△歯科医院で3年間、歯科衛生士として勤務しておりました。
患者さんとのコミュニケーションを通して、口腔内の健康を守るお手伝いをすることにやりがいを感じ、さらにスキルアップしたいと考えています。

御院の予防歯科への取り組みに共感し、ぜひ働かせていただきたいと思い応募しました。
どうぞよろしくお願いいたします。

なぜ当院を志望したのですか?

数ある歯科医院のなかから志望先を選んだ理由は、職場に対する理解度や志望度の高さを測るために聞かれる質問です。
実際に利用した際に感じたことや、ホームページに記載されている内容などを参考に、なぜその歯科医院で働きたいのかを答えられるようにしておきましょう。

ただし、「家が近い」「残業が少なそう」「時給が良い」「休みが多い」など、条件面だけを答えることは避けましょう。
条件のみを志望動機にすると、医院側から「他に良い条件があればそちらに移るだろう」とマイナスな評価を受けるおそれがあります。

私が貴院を志望した理由は、「地域の歯と笑顔を守るお手伝いを」という理念に共感したからです。

歯の健康は人々の笑顔にも直結します。
実際に私の友人が前歯にトラブルを抱えた際には、笑顔を見せるのが恥ずかしいと笑わなくなってしまい、悲しい思いをした経験があります。

私は人々の歯の健康を守ることで、地域の笑顔を増やしたいと思い志望しました。
また、前に患者として貴院を利用させていただいたときに、院長をはじめスタッフの方々が笑顔で楽しそうに患者さんとお話しをされる姿を見て、治療だけでなく接客対応などでも笑顔を増やす努力をされている姿勢に感銘を受けました。

歯科衛生士になったきっかけや理由を教えてください

歯科衛生士になったきっかけは、職種に対する理解度や志望度の高さを推し量るために聞かれる質問です。
具体的なエピソードを盛り込むと、内容に説得力が増し、他の候補者との差別化にもつながります。

「歯科衛生士に憧れがあった」など、具体的でない回答や誰でも言えるような回答は避けましょう。
職種に対する理解が深い人材は採用後に「こんなはずではなかった」となるリスクが低く、志望度の高い人材は長く働く傾向があります。
そのため理解度や志望度の高さは、いずれも採用担当者が特に重視するポイントです。

私が歯科衛生士になった理由は、地域の人が前向きに歯の健康に取り組むきっかけを作りたいと思ったからです。

私は昔から歯のトラブルが多く、よく歯医者さんのお世話になっていました。
最初は治療が怖く嫌で嫌で仕方がなかったのですが、そこで出会った歯科衛生士さんが毎回嫌がる私をなだめてくれ、とても励まされたことを記憶しています。

歯磨き指導もしてくれたおかげで、今では歯のトラブルに悩まされることはなくなりました。
毎回駄々をこねる私をなだめるのは大変だったと思いますが、今では心から感謝しています。

私も歯科衛生士として、患者さんや地域の歯の健康を守るお手伝いをしたいと思い、歯科衛生士をめざしました。

どのような歯科衛生士になりたいですか?

どのような歯科衛生士になりたいかについての質問は、長期的なキャリアプランの有無を確認するために聞かれる場合があります。
「患者さんのために頑張る歯科衛生士になりたいです」「できることから少しずつ覚えていきたいです」など、漠然とした内容や消極的な内容は避けましょう。

キャリアプランが明確にある人材は、入社してから困難にぶつかっても、辞めずに乗り越えられる可能性が高いと判断され、採用されやすい傾向にあります。
また、キャリアプランを伝える際は、患者さんや周りのスタッフに対してどのような人間でありたいかという視点も大切です。

私は、老若男女を問わずに信頼される歯科衛生士になりたいです。

口腔内のトラブルは年齢とともに変わってくるものなので、それぞれにとって必要な対応も変わります。
年齢に合わせた対応方法を身につけることで、チーム内で小児歯科について詳しくないスタッフがいた場合に助けられるなど、中心的な存在として活躍できると考えています。
最終的には後進の育成などにも力を入れられるよう、専門知識を貪欲に学んでいきたいです。

自分の長所や短所はどこだと思いますか?

自分の長所や短所についての質問は、自分のことを客観的に見れているのかを確認したり、歯科医院の求める人物像と応募者が合致しているかを確認するために行われます。

長所については、自分の強みのうち、志望先のニーズに沿ったものを、具体例を交えながら答えることが重要です。
短所については、自分の短所を理解したうえで、それをどのようにカバーしているのかまで伝えることができれば、好印象を与えやすいでしょう。
「誰とでも仲良くなれます」「短所はありません」など、具体的ではない回答や自分自身を客観的に見れていないと判断されるような回答は避けましょう。

例文(長所)
私の長所は年齢に関係なく、さまざまな人とコミュニケーションが取れる点です。
学生時代はボランティアサークルに所属して、児童福祉施設や介護施設などで、さまざまな年齢層の方と過ごしてきました。

そのなかで毎回「〇〇さんは安心して話せる」など、コミュニケーション能力を褒められる場面が多くありました。
私はこのコミュニケーション能力を活かして、患者さんの気持ちをくみ取れる歯科衛生士になりたいと思っています。

例文(短所)
私の短所は、相手の意見に合わせすぎてしまう点です。
相手の気持ちに寄り添ったり話を聞いたりするのは得意なのですが、そこから自分の気持ちを正直に伝えようとすると、傷つけてしまったらどうしようと悩んでしまうことも多いです。

最近はそんな自分を変えようと、自分の気持ちを言うときはフォローを欠かさずに伝えるなど、ルールを決めて伝えるようにしています。

転職理由について教えてください

転職の場合は、転職理由について聞かれる可能性が高いでしょう。
転職理由は、長期的に働ける人材かどうかを確認するために聞かれます。

この質問に対しては、たとえ実際の理由が「長時間労働がつらかった」「人間関係がこじれた」などのネガティブなものであっても、できる限りポジティブな表現に変換して前向きな転職理由を伝えることがポイントです。
ネガティブな理由をそのまま伝えると、「転職しても、嫌なことがあったらまたすぐに辞めてしまうのではないか」と疑われるおそれがあります。

転職理由は、より地域に密着したクリニックで働きたいと考えたからです。

現在は都心の大学病院で働き、診療補助や歯磨き指導などにあたっており、やりがいも感じています。
しかし、一人ひとりに寄り添うホスピタリティよりも、効率良く患者さんの治療を進めることに重きをおいているため、より地域の方々に寄り添った治療をしたいと考え転職を決意しました。

効率的に仕事を進めることは重要だと思いますし、その経験を積ませていただいた現職には大変感謝しております。
現職で学んだ効率良く仕事を進める点を活かしつつ、ホスピタリティある対応も学んでいきたいです。

当院以外で受けているところはありますか?

他の応募先についての質問には、志望度の高さを測る意図があります。
複数の求人に同時に応募することは珍しくありません。
そのため、第一志望でない医院を受ける際は第一志望でないことをそのまま伝えるのではなく、他の医院も受けていると正直に答えたうえで、その医院で働きたい意欲や志望度の高さをアピールしましょう。

どのような軸で応募先を選んでいるのかを告げたうえで、応募先への志望度の高さをアピールすると良いでしょう。
志望している医院に一貫性があることを示せれば、志望度の高さに説得力を持たせられるでしょう。

小児歯科に力を入れている医院を、貴院含めて3院ほど受けております。
なかでも貴院は小児歯科の虫歯予防や歯磨き指導に力を入れており、より地域の子どもたちの歯の健康に寄与できると思い、第一志望に考えています。

当院に入ったら取り組みたいことはありますか?

「当院に入ったら取り組みたいこと」についての質問は、その医院でどのように貢献したいと考えているのか、長期的に働いてくれるのかを確認するための質問です。
事前に自分自身の強みやこれまでの経験を、どのように仕事に活かせるのかを考えておくことがポイントです。
また、めざしたいキャリアや身につけたいスキルなどを伝えられると良いでしょう。
「とりあえずいろいろな仕事を経験してみたいです」といった、漠然とした回答は避けるべきです。

私は歯科衛生士として、予防歯科の分野で経験を積んでいきたいと考えています。
前職では予防歯科にも力を入れており、特に小児の予防歯科では保護者の方への歯磨き指導なども行ってきました。
その経験を活かして、御院でも予防歯科の推進に尽力したいと思います。

また、ブラッシング指導の技術を磨くことで、より効果的な指導ができるようになりたいです。
将来的には予防歯科のスペシャリストとして、患者さんの口腔内の健康を長期的に守れるような存在になりたいと考えています。

仕事のなかで特に心がけていることは何ですか?

仕事のなかで心がけていることについての質問は、応募者が大切にしていることを聞き、医院の方針と合っているかを確認するために聞かれます。
事前に志望する医院の方針を調べ、その医院の特色に沿った回答をすると好印象です。

例えば、予防歯科を重視する医院では、じっくりと患者さんと向き合いながら予防指導に力を入れていると話すことで、医院の方針と自分の理念が合致していることを伝えられます。
「とにかくたくさん治療していきたいです」といった予防指導を軽視していると思われる回答は避けましょう。

仕事をするうえで最も大切にしていることは、患者さんとのコミュニケーションです。
歯科は患者さんにとって怖いイメージがあると思うので、リラックスして治療を受けていただけるよう、明るく丁寧な対応を心がけています。

また、予防歯科の大切さをお伝えし、セルフケアの習慣づけをサポートすることも重視しています。
患者さんそれぞれに合わせたブラッシング指導や、ライフスタイルに応じたアドバイスができるよう、日々勉強を欠かしていません。
予防指導を通して患者さんに寄り添い、生涯にわたって歯の健康を守るパートナーでありたいと思っています。

状況によって残業が発生することがあるのですが、可能ですか?

残業できるのかについての質問は、臨機応変に対応できるのかを確認し、採用後のミスマッチを防ぐ意図があります。
「残業は一切できません」や「そのときになってみないとわかりません」といった協調性がない回答や曖昧な回答は避けるべきです。

「可能な限り対応します」や「チームで助け合う必要があるときは協力したいと考えています」など、協調性と柔軟性のある回答をすると好印象を与えられます。
万が一、家庭の事情などで残業が難しい場合は、正直に伝えましょう。

残業につきましては、基本的には可能な限り対応させていただきたいと思います。
歯科医院は患者さんあっての職場なので、患者さんのために臨機応変に対応することは大切だと考えています。

ただ現在、介護が必要な家族がいるため、あまり急な残業だと対応が難しい場合もあるかもしれません。
もしそのような事情で、どうしても対応できないときには事前にご相談させていただければと思います。
できる限りチームに迷惑をかけないよう努めますので、ご理解いただけますと幸いです。

治療に非協力的な患者さんにどう対応しますか?

治療に非協力的な患者さんを想定した質問は、臨機応変な対応力やコミュニケーション能力の高さを確認するための質問です。
患者さんの意図や気持ちに寄り添いつつ、治療の懸念点を前向きにとらえて調整できる点をアピールしましょう。

患者さんの治療に関する懸念点をひととおり伺い、可能であれば別の治療方法を提案させていただき、納得してもらいます。
もしそれでもご納得いただけない場合は、患者さんの気持ちの整理を図りながら、粘り強く治療の有効性をお伝えしていきたいです。

結婚の予定はありますか?

結婚の予定についての質問は、結婚してすぐに辞めてしまわないか、ある程度の期間勤務するつもりがあるのかを確認するために聞かれる場合があります。
プライベートに踏み込んだ質問ですが、女性が多く活躍する職場なので質問されることがあります。
もし聞かれた場合は、現状どうする予定なのかを正直に伝えると良いでしょう。

現在のところ、結婚の予定はありません。
ただ、将来的には結婚して家庭を持ちたいという希望はあります。
仕事と家庭を両立できるよう、計画的にキャリアを積んでいきたいと考えています。

結婚後も働き続けたいという意欲はありますし、御院で長く働かせていただきたいです。
そのため、ご採用いただいた場合は、ライフステージの変化に応じて、働き方を調整させていただくことがあるかもしれません。
その際はしっかりとコミュニケーションを取らせていただき、チームに貢献できる働き方を模索したいと思います。

何か質問はありますか?【逆質問】

面接の最後には、必ずといって良いほど「何か質問はありますか?」と逆質問されます。
逆質問は、入社意欲がどのくらいあるのかの確認に加えて、疑問点を払拭しお互いの認識のずれをなくすことが狙いです。

1日の仕事のスケジュールや内定をもらった場合の入社までに学んでおいたほうが良いことを質問することで、仕事への意欲や真剣さをアピールできます。
「特にありません」と答えると意欲が低いと判断されてしまうため、積極的に質問することを心がけましょう。
また、ホームページを見たらすぐにわかる内容や、すでに説明された内容、給与や待遇についての質問はNGです。
質問の答えが面接時に説明された場合は「お聞きしたいことがありましたが、先程の丁寧な説明で解決しました」などと伝えると良いでしょう。

御院で働く歯科衛生士の1日のスケジュールを教えていただけますでしょうか。
私はこれまで診療補助と予防処置が中心でしたが、御院では歯科衛生士の業務の範囲がどのようになっているのか知りたいです。

また、内定をいただいた場合の入職までの期間で、特に準備しておいたほうが良いことはありますでしょうか。
研修などで事前に学んでおくべきことがあれば、教えていただけるとうれしいです。

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歯科衛生士の面接対策

ここまで見てきたように、歯科衛生士の面接ではさまざまな質問をされることが想定されます。
最後に面接時のマナーや持ち物など、面接対策のポイントを確認しておきましょう。

面接時のマナー

面接時のマナーは、第一印象を左右します。
面接に臨む際は、以下の点に気をつけましょう。

  • 面接場所には余裕を持って5〜10分前には到着する
  • 面接中は携帯電話の電源を切る
  • 面接官には明るく元気にあいさつをする
  • 相手の目を見て、丁寧な言葉遣いでハキハキと話す
  • 身だしなみを整え、清潔感を出す

特に遅刻だけは絶対にNGです。
万が一、面接の時間に間に合わない場合は、必ず連絡を入れるようにしましょう。

また、歯科医院をはじめとする医療機関では、清潔感のある服装が求められます。
面接では、特に指定がなければスーツを着用するのが無難です。

面接時の持ち物

面接では、以下のものを持参しましょう。

  • 履歴書、職務経歴書
  • 歯科衛生士免許証とそのコピー
  • 筆記用具、メモ帳
  • 医院から指定されたもの(白衣や院内履きなど)

履歴書や職務経歴書は、事前によく目を通し、誤字脱字がないかチェックしておくことが大切です。
また、歯科衛生士免許証は資格保持者であることの証明になるので、必ず持参しましょう。

面接中のメモは手帳やメモ帳を使うのがマナーです。
携帯電話を開いてメモを取るのは、相手にあまり良い印象を与えません。
今後の予定や、入職後に準備すべきことなど、重要な事柄はメモを取っておくと安心です。

歯科衛生士の面接は対策をしっかりして臨もう

歯科衛生士の面接でよく聞かれる質問と回答例を紹介しました。
面接の際は、それぞれの質問の意図を理解し、具体的な回答を用意しておくことが欠かせません。
また面接時のマナーや持ち物にも気を配り、歯科医院で働く人物としてふさわしい第一印象を与えられるよう努めましょう。

事前の対策を怠らず、堂々と面接に臨めば、あなたの魅力を存分にアピールできるはずです。
この記事を参考に、歯科衛生士の面接に向けて、しっかりと準備を進めていきましょう。

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執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国80,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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