
薬剤師の仕事をするうえで、ワークライフバランスを重要視している人もいるのではないでしょうか。
趣味や家事、育児など、仕事以外にやりたいことをできる時間が確保できれば、その職場で長く働き続けやすくなります。
この記事では、「薬剤師として働きつつ、自分が理想としている暮らしが送れるのか」といった部分に焦点をあてて解説します。
薬剤師として実際に働いている人の働き方や生活スタイルを参考に、自分に合う勤務形態や勤務先を見つけてみてください。
目次
薬剤師の働き方【勤務形態別】
薬剤師は、正社員だけでなくパート・アルバイト、派遣社員としても勤務することが可能です。
また、フリーランスとして独立して働いている薬剤師もいます。
ここでは、薬剤師の働き方を勤務形態別に紹介します。
正社員
薬剤師として正社員で働く場合は、週5日、1日8時間程度のフルタイムで働くことになります。
正社員で働く場合のメリットは、以下のとおりです。
- 多くの就業先がある
- 福利厚生が充実している
- 収入が安定している
- キャリアアップが可能
正社員で働くことで、収入が安定しているだけでなく、社会保険や福利厚生、ボーナス・退職金、昇給など、待遇面も優遇されます。
努力次第でキャリアアップが可能で、定期的に勉強会に参加するなど、薬剤師としてスキルアップできる環境が整っていることも正社員の魅力です。
しかし、残業や休日出勤があったり、異動や転勤が発生したりする可能性があることが、正社員のデメリットといえるでしょう。
派遣社員
派遣会社の社員として就業先に派遣されて働く働き方が、派遣社員です。
薬剤師が派遣社員で働く場合のメリットは、以下のとおりです。
- 時給が高い
- プライベートの時間を確保しやすい
派遣社員は勤務する曜日や時間を比較的自由に選べるので、家事や育児とも両立させやすく、プライベートとのバランスを取りやすい点が魅力です。
また、薬剤師の場合は時給が2,000円~3,000円くらいに設定されているケースが多く、一般的なアルバイトよりも時給が高いこともメリットです。
しかし未経験の場合は、待遇の面で経験のある薬剤師と差があったり、管理職へのキャリアアップの道がなかったりすることなどが、派遣社員のデメリットといえます。
パート・アルバイト
薬剤師としてパート・アルバイトで働く場合は、シフト制になることが多いです。
時給制のため、勤務日数と勤務時間によって給料が変動します。
パート・アルバイトで働く場合のメリットは、以下のとおりです。
- プライベートの時間を確保しやすい
- 異動や転勤がない
- 時給が高い
プライベートの時間を確保しやすく、家事や育児、介護などと両立させやすいため、ライフワークバランスを保ちやすいことが、パート・アルバイトで働く魅力です。
また、正社員と違って異動や転勤がないことも、家庭と両立させながら働くパート・アルバイトの薬剤師のメリットの一つでしょう。
パート・アルバイトとして働く際に気を付けておくべきことは、退職金や福利厚生が正社員よりも充実していない可能性がある点です。
フリーランス
その日によって働く時間や働く場所を自由に選べる、フリーランスという働き方もあります。
フリーランスで働く場合のメリットは、以下のとおりです。
- 働く時間や場所を自由に選べる
- 頑張り次第で高収入も可能
- 人間関係の悩みが減る
- 休みが取りやすい
- 自分次第でスキルアップもめざせる
薬剤師がフリーランスとして働く場合は、ライターやブロガーなどが一般的で、薬や健康に関する記事を執筆したり、医療翻訳を行ったりします。
また、薬剤師国家試験対策のオンライン家庭教師や、調剤薬局と業務委託契約で働くケースもあります。
業務委託契約は、勤務先に雇用されるわけではないため、社会保障や有給休暇が対象外になる点に注意が必要です。
薬剤師の働き方【勤務先別】
ここまで、正社員やパート・アルバイトなど薬剤師の勤務形態を解説してきました。
ここからは、薬剤師の勤務先による働き方の違いを解説します。
以下の記事では、薬剤師の仕事内容について詳しく解説していますので、この記事とあわせて参考にしてください。
病院とクリニック
薬剤師が病院で働く場合は、小規模なクリニックと異なり夜間も患者さんの容態に合わせて働く必要があります。
よって、夜勤や当直の可能性もありますが、施設によっては夜勤なしのところもあります。
クリニックは、病院と比較して業務量が比較的落ち着いているため、比較的プライベートの時間を確保しやすいです。
しかし、総合病院など大きな病院のほうが、給料面や福利厚生がしっかりしています。
以下の記事では、薬剤師の夜勤について詳しく解説していますので、この記事とあわせて参考にしてください。

調剤薬局
調剤薬局の多くは病院やクリニックの近くにあるため、近隣の病院やクリニックの規模、診療科目によって、客層や忙しさが異なります。
調剤薬局の薬剤師は医師の処方に合わせて調剤するほか、患者さんの症状を確認して服薬指導を行ったり、過去に服薬していた薬の確認をしたりします。
調剤薬局は、土日にしっかりと休みを取れる職場が多いことがメリットの一つです。
また、全国に展開している調剤薬局チェーンであれば、ご家族の都合に合わせて自分も異動希望を出すことができます。
勤務先によっては、勤務終了後に勉強会に参加するケースもあります。
企業
薬に関する知識を活かして、化学メーカーや化粧品メーカー、食品メーカーなどで製品開発に携わることも可能です。
開発業務だけでなく、研究や品質管理業務を担ったり、毒物劇物取扱責任者などとしても活躍できます。
企業で働く場合は、勤務先によって携わる業務が異なります。
また、薬剤師の求人は比較的少ない状況で、就職が難しいことがデメリットです。
ドラッグストア
ドラッグストアで働く場合は、正社員、パート・アルバイト、派遣社員など、他の勤務先よりも多様な働き方がある点が魅力です。
ドラッグストアは数が多いため、自宅の近くなど好立地の勤務先を選ぶことも可能です。
ドラッグストアで働く場合は、OTC医薬品の販売業務のほかに、店舗で取り扱う生活用品などの品出しやレジ打ちに携わることもあります。
また、調剤薬局を併設しているドラッグストアの場合は、調剤業務を行う場合もあります。
また、正社員や派遣社員などとして企業に勤める以外に、公務員薬剤師として働く方法もあります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。

薬剤師の女性に人気の働き方
女性の薬剤師に人気の働き方は、パート・アルバイトや派遣社員です。
女性の場合、結婚や出産など生活環境の変化にともなって、正社員としてフルタイムで勤務することが難しくなる場合があります。
フルタイムで勤務することが難しい場合でも、1日数時間から働けたり、平日だけ勤務できたりと、勤務時間に融通が効くのがパート・アルバイトのメリットです。
派遣社員で働く場合のメリットとしては、契約期間更新のタイミングで育児などが落ち着いていれば、そのまま正社員へ雇用形態を変えられる可能性があることと、働く曜日や時間を選べることです。
派遣社員から正社員への道を考えている場合は、「紹介予定派遣」を狙うと良いでしょう。
また、薬剤師は専門性の高い職業であり、パート・アルバイトや派遣社員でも時給が良い点も魅力といえます。
薬剤師の休日
薬剤師の休日は勤務先によって違いますが、変則週休2日制となることが多いです。
調剤薬局やクリニックの場合は、週休2日のうち日曜日と祝日が固定休となり、その他はシフトによって決まります。
調剤薬局に隣接しているクリニックや病院が、土曜日の午前中に診療をしている場合は、土曜日が半日出勤となる可能性もあり、隣接する医療機関によって勤務時間が左右されるでしょう。
また、病院やドラッグストアで年中無休で稼働している場合は、固定休がなくシフト制で休日が決まる可能性が高いです。
病院によっては、薬剤師も夜勤を求められる場合があります。
薬剤師として自分にあった働き方を選ぼう
薬剤師の働き方は、正社員だけでなく、パート・アルバイトや派遣社員、フリーランスなどさまざまです。
また、薬剤師の勤務する場所によっても、勤務時間や業務内容、休日などが変わってきます。
「どのような薬剤師になりたいのか」、自分の理想とするキャリアやプライベートとのバランスを考え、自分に合った働き方を選ぶことが大切です。
以下の記事では、薬剤師のやりがいについて詳しく紹介していますので、この記事とあわせて参考にしてください。