「歯科助手になるのに資格は必要?」
「歯科助手がキャリアアップできる資格は?」
歯科助手の資格について、上記のような疑問を持つ方も多いでしょう。
歯科助手は資格が必須な職業ではありませんが、特定の資格を取得することで、キャリアアップを図ることができます。
本記事では、歯科助手の資格や、取得のメリットについて解説したうえで、キャリアアップにつながる資格の具体例も紹介していきます。
目次
歯科助手に資格・免許は必要なのか
歯科助手は無資格でも働ける職業です。
しかし、歯科助手として働くには専門知識や技術を身につける必要があります。
資格があれば知識や技術を証明できるため、事前に取得しておいたほうが働きやすいでしょう。
歯科助手が資格を取るメリット
歯科助手が資格を取るメリットは以下の2つです。
- 必要な知識を事前に学べる
- 給料アップにつながりやすい
それぞれ見ていきましょう。
必要な知識を事前に学べる
直接診療に関わることはありませんが、ある程度の専門知識は必要な職場環境になるため、資格取得を通して学んでおくと就職後に有利です。
歯科助手の仕事内容をさらに知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
給料アップにつながりやすい
資格を取得すると、給料アップを狙いやすくなります。
資格を持っていると、職場によっては資格手当がもらえる場合もありますし、転職の際にもより良い条件で採用されやすいでしょう。
また、資格取得を通して身につく技術や知識も当然、給料を上げるために欠かせないものです。
歯科助手の資格取得は難しい?
歯科助手の資格は数多く存在し、難易度もさまざまです。
試験に合格して取得するものもあれば、講義を受講することで取得できるものもあります。
学べる内容や難易度を事前に確認したうえで、取得をめざす資格を決めると良いでしょう。
歯科助手の現場で役に立つ資格・検定
歯科助手の資格には、次のようなものがあります。
- 歯科助手資格認定制度
- 歯科 医療事務管理士
- 歯科助手(JADP認定)
- 歯科アシスタント検定
- 歯科医療事務検定
なお、いずれも民間資格であり、歯科助手として働く際に必須となるものではありません。
歯科助手資格認定制度
歯科助手資格認定制度は、日本歯科医師会が設けている認定制度です。
資格認定には甲種、乙種第一、乙種第二の3種類があり、それぞれ内容と訓練にかかる時間が異なります。
また、歯科助手資格認定制度には、筆記試験や実技試験はありません。
資格を取得するには、都道府県歯科医師会などで講習を受ける必要があります。
資格の種類と講習にかかる時間は、下記の表をご参照ください。
認定条件 | 講習にかかる時間 | 業務内容 | |
甲種 | ①甲種歯科助手訓練基準による訓練を修了した者 | 420時間以上 (120時間以上の実習が必須) |
診療室と事務の両方の知識・技能 |
②乙種第一歯科助手の資格を所持し、3年以上の実務経験があり、補充研修訓練基準による訓練を修了した者 | |||
乙種第一 | 乙種第一歯科助手訓練基準による訓練を修了した者 | 52時間以上 | 主に診療室内の業務に従事 |
乙種第二 | 乙種第二歯科助手訓練基準による訓練を修了した者 | 40時間 | 主に事務に従事 |
歯科 医療事務管理士
「歯科 医療事務管理士」は、技能認定振興協会(JSMA)が設けている資格です。
受付・電話応対、予約スケジュール確認などの接遇スキルと、レセプト作成や会計などの事務的スキルを証明します。
試験は2ヵ月に1回のペースで開催されています。
学科試験(マークシート形式10問)と実技試験(レセプト作成・点検計3問)があり、合格率は70%程度です。
学科試験では、法規、保険請求事務、医学一般の知識が問われます。
受験資格は特にありません。
出題範囲が広く設定されているので、時間に余裕を持って勉強しましょう。
歯科助手(JADP認定)
日本能力開発推進協会(JADP)が認定する「歯科助手」は、歯科医院での受付やレセプト作成、器具の清掃、歯科医師のサポートなどの知識があることを証明する資格です。
取得するためには、JADP認定校のカリキュラムをすべて修了し、1年以内に試験を受け、合格しなければなりません。
正答率70%以上で合格が認められます。
学習範囲は以下のとおりです。
・歯科助手業務の概要
・医療保険制度概論
・患者受診から治療の基礎知識
・歯科診療報酬請求事務の実技
試験は認定スクールの講座を修了したあとに、在宅にて受験できます。
JADP認定の歯科助手資格は、試験日の指定がないので仕事や家業の合間に試験を受けられます。
したがって、忙しい方でも取得しやすい資格といえるでしょう。
歯科アシスタント検定
歯科アシスタント検定は、全国医療技能検定協議会が認定する検定です。
受付業務やカルテ整理、レセプト作成などの事務的業務と、器材の準備・受け渡しや薬品の準備などの補助業務の能力を証明します。
検定試験は1級〜3級に分けられており、試験科目と合格基準、試験時間は以下のとおりです。
入職前に3級を取得し、実務経験を積みながら2級や1級を取得すると良いでしょう。
試験科目 | 合格基準 | 試験時間 | |
1級 | ● 歯科診療補助 ● 解剖・生理学 ● 歯科臨床概論 ● 薬学 ● 栄養 ● 口腔衛生 |
正当率80%以上 | ● 学科/60分 ● 実技/30分 |
2級 | ● 歯科診療補助 ● 歯科臨床概論 ● 口腔衛生 |
60分 | |
3級 | ● 歯科診療補助 ● 歯科診療概論 |
正答率70%以上 |
歯科医療事務検定
歯科医療事務検定は、全国医療技能検定協議会が主催する歯科医療事務の知識・スキルを証明する検定です。
試験で問われる内容は、受付業務やカルテ管理、会計業務、レセプト作成などの事務業務と、歯科医師や歯科衛生士の補助業務に関する専門知識です。
歯科医療事務検定も1級〜3級に分けられており、3級はカルテ2枚作成、2級はレセプト2枚作成、1級はレセプト2枚作成と学科試験を受験します。
試験は指定会場や受講しているスクールで毎月開催されています。
合格基準は1級〜3級ともに正答率80%以上です。
まずは比較的取得しやすい3級から挑戦することをおすすめします。
歯科助手は資格があると働きやすくなる
歯科助手は無資格・未経験からでも働ける職業です。
しかし、資格を取得すれば知識や技術の証明になるため、有利な条件で就職しやすく、就職後の仕事にも取り組みやすいでしょう。
歯科助手の資格は数多く存在します。
難易度や日程、取得に必要な条件も異なるため、自身にあった資格を選んでめざすと良いでしょう。