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歯科医院のコンサルティングとは?受けるメリットや注意点を解説

歯科医院・クリニッㇰを経営するなかで、「集患がうまくいかない」「歯科材料の高騰で利益が出にくい」といった悩みを抱く方は少なくないでしょう。
このような経営上の課題は、コンサルティングを導入することで解決できるかもしれません。
本記事では、歯科コンサルの概要や、注目を集めている背景、受けるメリット、注意点などを紹介します。

歯科コンサルとは?

歯科コンサルとは?

歯科コンサルとは、歯科医院・クリニックに関する課題の解決やサポートを行うことです。
歯科経営の悩みを解消するために、近年注目が集まっています。

コンサルティングと聞くと、一般企業向けと感じるかもしれません。
しかし、歯科医院を専門として、サービスを提供しているコンサルタント会社もあります。

歯科医院の経営コンサルティングが注目される背景

歯科医院の経営コンサルティングが注目される背景として、以下の3つが挙げられます。

  • 医院の増加による競争の激化
  • コストの増加で利益が出にくい
  • スタッフが定着しにくい

それぞれ解説します。

なお、歯科医院の経営については以下の記事で詳しく解説しているため、あわせてご参照ください。

医院の増加による競争の激化

「歯科医院の数はコンビニよりも多い」と聞いたことがある方もいるでしょう。
過去5年間で歯科診療所は、以下のように推移しています。

   施設数 対前年
平成30年 68,613 4
令和元年 68,500 △113
令和2年 67,874 △626
令和3年 67,899 25
令和4年 67,755 △144

出典:厚生労働省「医療施設調査・病院報告

コンビニは全国に約5万6,000件ですので、歯科診療所のほうが多いことがわかります。

ちなみに、「歯科医療の専門性をとりまく現状について」によると、平成2年(1990年)の歯科診療所の数は52,216施設でした。
つまり、32年間で約1万5,000施設増加しています。

しかし件数が増えれば、それだけ競争が激しくなるため、廃業する歯科診療所も多いのが実情です。
競争を勝ち抜くために、コンサルティングを活用するのも一つの方法です。

歯医者の経営は厳しいのかは、下記の記事で解説しています。
気になる方は、ぜひご覧ください。

コストの増加で利益が出にくい

歯材コストの増加で、歯科経営は数年前と比べて利益が出にくい状況となっています。
厚生労働省の「医療経済実態調査」によると、歯科診療所の医薬品費と歯科材料費は、5年前よりも増加しています。

   医薬品費(千円) 歯科材料費(千円)
平成30年 712 4,920
令和元年 635 5,447
令和2年 674 5,659
令和3年 889 5,573
令和4年 864 5,487

出典:厚生労働省「医療経済実態調査

特に、金銀パラジウムが高騰しているため、収益面で悩む歯科医院・クリニックも増えているでしょう。

スタッフが定着しにくい

スタッフが定着せずに悩む歯科医院も少なくありません。
特に歯科衛生士は有効求人倍率が3.39倍と、売り手市場です。

また、公益社団法人日本歯科衛生士会の「歯科衛生士の勤務実態調査報告書」によると、職場を変えた経験がない人の割合は22.2%です。
つまり、歯科衛生士のおよそ8割は転職経験があることを表します。

また、女性の割合が多いため、結婚や育児を機に職場を離れるケースもあります。
人手が確保しにくい状況も、歯科コンサルティングが注目される要因の一つです。

歯科医院がコンサルティングを受けるメリット

歯科医院がコンサルティングを受けるメリット

歯科医院がコンサルティングを受けるメリットは、主に4つです。

  • 専門家からアドバイスを受けられる
  • 集患方法を提案してもらえる
  • 業績アップを期待できる
  • 人材採用・育成をサポートしてもらえる

上記のいずれかに関心がある場合は、歯科コンサルティングを検討しても良いでしょう。
それぞれ詳しく解説します。

専門家からアドバイスを受けられる

コンサルティングを利用すると、経営の専門家からアドバイスをもらえます。
第三者の意見を吸収できるため、内部の人間だけでは気付けなかった問題も浮かび上がるでしょう。

また、問題点を分析して解決策を提案してもらい、経営改善に役立てることができます。
診察業務で忙しく経営分析に時間を取れない場合でも、状況を把握しやすい点がメリットです。

集患方法を提案してもらえる

コンサルティングでは、集患方法の改善・提案をしてもらえます。
歯科医院・クリニックの数は増加傾向にあるため、差別化を図るためにはマーケティングも重要な要素です。

いくら技術があっても、患者さんが来院しなければ経営は成り立ちません。
集患がうまくいかない場合は、コンサルティング会社に依頼する価値はあるでしょう。

業績アップを期待できる

業績アップを期待できるのも、コンサルティングを受けるメリットの一つです。
例えば、自由診療や物販の提案など、業績を向上させる方法を提案してもらえます。

また、コストや人件費の削減に関する意見ももらえるため、キャッシュフロー改善にも有効です。
その他、設備やシステムを導入するか悩ましいときも相談できます。

しかし、すべてのアドバイスを鵜呑みにするのは適切ではありません。
自院に必要かどうかは見極める必要があるでしょう。

人材採用・育成をサポートしてもらえる

経営以外に、人材採用や育成のサポートも提供してもらえます。
採用時のミスマッチを軽減させたり、スタッフの定着率が高まったりする効果が期待できるでしょう。

また、スタッフのモチベーションを高めるための、研修を実施しているケースもあります。
人材を確保できずに悩む場合は、歯科コンサルを受けても良いでしょう。

歯科医院がコンサルティングを受けるときの注意点

歯科医院がコンサルティングを受けるときの注意点

歯科コンサルを受ける際には、以下の2点に注意する必要があります。

  • 費用がかかる
  • 成果が出ない可能性もある

メリットと注意点の双方を理解したうえで、導入するかどうかを判断しましょう。

費用がかかる

コンサルティングを受けるためには費用がかかります。
料金はコンサルティング会社によりさまざまですが、歯科コンサルは月十万円程度が相場です。

料金形態は大きく分けて、以下の3つです。

  • 時間契約型:稼働時間に応じて報酬を支払う
  • 顧問契約型:毎月定額を支払う
  • 成果報酬型:成果の度合いで支払う

長期間の契約であれば改善効果も期待できますが、その分高額な費用が発生します。
決して安くない金額ですので、十分に検討してから決断しましょう。

成果が出ない可能性もある

歯科医院に限った話ではありませんが、コンサルティングを受ければ必ず成果が出るわけではありません。
一般的な改善案しか提案してもらえなかったり、担当コンサルタントが歯科経営に詳しくなかったりすると、成果が出ない場合もあります。
コンサルティング会社を選択する際は、実績や口コミを調べ、歯科経営の実績が豊富な会社を選ぶようにすると良いでしょう。

歯科コンサルについて理解して必要かどうか慎重に検討しよう

歯科コンサルを導入すれば、歯科医院・クリニックの経営課題を解決するためのサポートが受けられます。
スタッフ不足や集患などの悩みがある場合、コンサルティングを受けることで解決できるかもしれません。

しかし、コンサルティング料金がかかるだけでなく、期待していた成果が出ない可能性もあります。
歯科コンサルが自院に必要かどうか、慎重に検討しましょう。

執筆者について

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