
整体師とは、手技により体の歪みや筋肉の調整をし、腰痛や肩こりなどの改善を手伝う仕事です。
健康をサポートする素晴らしい職業ですが、給料や体力などきついイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、整体師の仕事は実際きついのかについて解説していきたいと思います。
整体師の職業に興味を持っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
整体師の仕事できついことは?
整体師が「きつい」といわれる理由はさまざまです。
まずは具体的に何がきついと言われているのか、整体師の仕事の本音を見ていきましょう。
体力の消耗
整体師は基本的に立ちっぱなしで仕事をするため、かなり体力を使います。
施術も指だけでなく、ときには整体師の体全体を使って患者さんの体をほぐすこともあり、身体への負担が大きいです。
予約がいっぱいのときには座る時間もなく、食事がとれない場合もあります。
また、拘束時間が長いことも体力を消耗する原因の一つです。
ミーティングや店の準備などを含めると、12時間以上拘束される日もあります。
自分の時間や休みをまとめてとれないため、消耗した体力を回復することも難しくなってしまいます。
体の不調
整体師の仕事では、施術中は中腰のような体勢になることが多いため、腰に負担がかかります。
手技には指の力も使うため、腱鞘炎や慢性的な腰痛を患ってしまう可能性があるでしょう。
整体師は患者さんの疲れや体の不調を治すのが仕事ですが、自分の体のメンテナンスもしなければ体がもたず、なかには体の不調をきっかけに転職や離職を考える人もいます。
クレーム対応
整体師は、クレーム対応も多くこなさなければなりません。
というのも、整骨院などで整体を受ける方は、病院の治療で治らなかったり、原因不明と診断された症状を抱えたりしている場合が多いのです。
保険適用ではなく自由診療の扱いになるため自己負担額も高くなり、患者さんに少しでも不満を感じさせてしまうとクレームに発展しやすくなってしまいます。
整体師は国家試験を持たない職業のため、国家資格を持つ医療従事者よりクレームを言いやすいという一面もあると考えられます。
患者さんとのコミュニケーション
整体師は、基本的に施術中は一対一で患者さんと接します。
そのとき、患者さんとのコミュニケーションで気を遣いすぎたり、無理に会話を盛り上げようとしたりしてストレスを感じる整体師もいます。
患者さんのなかには年配の方や気難しい方もいるため、自分の発言や対応に常に気を付けなければいけません。
集客のための営業
開業した整体師に多い悩みに、集客するための営業のつらさが挙げられます。
開業した当初は、キャンペーンや施術の価格設定、ホームページの作成といった業務も一人でこなさなければならず、マルチタスクに陥りやすいです。
開業したがうまく集客できず、3ヵ月たっても予約がまったくないという状況も珍しくなく、開業には営業力や人脈など、技術だけでなく多様なスキルが必要となります。
初任給が安い
整体師の初任給は、他の医療職の給料相場と比較するとやや低めとなっており、募集状況を見るとおおむね20万前後です。
特に、整体師は技術職となるため、技術を習得するまでは下積み時代が長くなります。
経験年数が増えれば年収も増えていきますが、この期間で離職してしまう方もいるでしょう。
また、自分で開業している整体師では年収1,000万円以上を超える場合がありますが、集客の営業力など技術と異なる能力も必要となってきます。
整体師がきついならどうする?転職も視野に
整体師の仕事がきついと感じても、キャリアアップの方法はあります。
以下では、整体師が年収アップさせる方法や転職、開業についてまとめました。
長く勤務して年収アップに期待
整体師は、基本的に長く働けば働くほど年収が徐々に上がっていきます。
勤続年数が長くなれば役職にも就ける可能性があるため、更なる収入アップが見込めるでしょう。
また、整体院のなかには患者さんからの口コミや対応が良いとインセンティブや特別報酬がでる整体院があります。
自分の接客や技術を積極的に磨いて年収アップにつなげたい方は、このような整骨院に務めるのも一つの手です。
また、働きながら国家資格を取得してスキルアップをめざすことも可能です。
整体師が取得しやすい国家資格には以下のようなものがあります。
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
- 鍼師
- 灸師
これらの資格を取得すれば、さらなる収入アップや転職の幅を広げることへの可能性も高まります。
整体師の年収のより詳しい情報を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

転職も視野に入れる
整体師は国家資格ではないため、転職が難しいのではと考える人も多いと思います。
しかし、整体師は近年、働き口が広がり需要が高まってきているのです。
厚生労働省の調査によると、あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師の人数は徐々に増加してきています。
特に昨今では美容ブームで女性客が増加しているため、美容施術や女性施術者へのニーズは高まってきていると考えられます。
さらに、高齢社会の影響で整体師の職場が整骨院だけではなく、介護施設や訪問リハビリテーションなどにも拡大してきているのです。
自分のキャリアや将来を考慮し、新たに自分に合った職場を探してみるのも良いでしょう。
独立開業で大幅な年収増も可能
独立開業をして、自分の整骨院を持つのもキャリアアップの一つです。
下記のグラフは、整体師と似た職業である柔道整復師の統計です。
これをみると、約8割の方が開業しています。
参考:柔道整復師 – 職業詳細 _ job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
開業には、技術だけでなく営業力やコミュニケーション力、人脈などさまざまなスキルが必要です。
成功した場合は大幅な年収アップが見込めるでしょう。
整体師のなかには、実際に年収1,000万円以上を稼いでいる方もいます。
また、開業には自宅開業など低コストから始められる方法もあるため、自分が実現できそうな方法を模索してみると良いでしょう。
整体師の仕事がきついと感じても進める道はさまざま
整体師の仕事は、体力を多く消費したり、クレーム対応が多かったりと、きついと感じる場面がたくさんあります。
しかし、技術や接客力を高めれば、徐々に年収アップすることも可能です。
年々需要も高まっているため、転職や開業など将来性も期待できます。
自分のライフプランや希望を考慮して、より自分に合った職場を探すことが大切です。