
認定看護師は、各医療分野への専門性が証明できる資格であり、取得をめざそうと考えている人もいるでしょう。
しかし、いざ資格取得を考えるとデメリットがないかどうかが気になるものです。
この記事では、認定看護師のデメリットを紹介しています。
メリットも合わせて解説しているので、自分が本当に資格を取得すべきなのかを判断する際に役立つでしょう。
目次
認定看護師のメリット・デメリットは?
それでは、認定看護師のメリットとデメリットを、詳しく見ていきましょう。
認定看護師のメリット
まずは、認定看護師のメリットや強みを紹介します。
業務範囲が広がりキャリアアップに役立つ
認定看護師になると業務範囲が広がり、キャリアアップに役立ちます。
認定看護師の資格を取得することで、「糖尿病看護認定看護師」「認知症看護認定看護師」などと、各専門の分野名を名乗ることが可能です。
専門性が高い看護師であることの証明になり、担当の分野でより幅広く活躍できます。
専門知識を活かして患者さんの治療に役立てるだけでなく、周りを指導するリーダー的存在として頼られるでしょう。
認定看護師はマネジメントもできるようになるので、働いている病院にとっても戦力となるなど、メリットが大きい存在です。
夜勤免除なども期待できる
認定看護師になるメリットとして、夜勤免除が期待できる点も挙げられます。
認定看護師はさまざまな医師やスタッフから知見を求められることも多く、勤務スタッフが多い昼間の時間帯にいてほしいと依頼される可能性があります。
夜勤よりも日勤の割合が多くなることも期待でき、夜勤をなるべく避けたい人にもおすすめの資格です。
資格手当がもらえることもある
認定看護師は他の看護師に比べて知識の専門性が高く、責任のあるポジションを任されやすい傾向です。
また、資格取得により、資格手当がもらえることもあります。
実際に公益社団法人日本看護協会が2022年に行った調査によると、41.2%の病院で認定看護師に資格手当が出ている結果となっています。
認定看護師の資格手当の平均支給額は8,530円で、毎月手当を出している病院は全体の約9割です。
認定看護師になれば、年収が10万円程度アップする可能性があると考えて良いでしょう。
転職や復職の際に役立つ
認定看護師の経験があると、転職や復職の際に有利になることもあります。
認定看護師資格は高い専門性を有することの証明になるため、面接の際などに即戦力として力になれることをアピールしやすいでしょう。
資格を上手にアピールできれば、転職により今よりも良い待遇で働ける可能性もあります。
認定看護師のデメリット
次に、認定看護師のデメリットも見ていきましょう。
資格取得に時間がかかる
認定看護師のデメリットは、資格取得に時間がかかる点です。
認定看護師になるには通算5年以上の実務経験が求められ、そのうち3年以上は取得する認定看護分野で経験が必要になります。
さらに、認定看護師の教育機関で、800時間の座学講義と特定行為研修を受けなければいけません。
講義や研修は平日の昼間に行われるため、多くの看護師は休職扱いや長期出張という形で受けることになるでしょう。
分野によっては開校している教育機関に限りがあるため、一時的な引越しの検討も必要です。
資格取得のハードルが比較的高い点は、認定看護師のデメリットといえます。
以下の記事では認定看護師の必要性とともに、資格取得を解説しています。

給料に直接反映されにくい
認定看護師資格のデメリットとして、資格取得が給料に直接反映されにくい点も挙げられます。
認定看護師は高い専門性を有する貴重な人材である一方、資格取得によりただちに大幅な昇給が見込まれるわけではありません。
公益社団法人日本看護協会の2022年の調査では、認定看護師に資格手当を出している病院は全体の41.2%と半数以下です。
また出されている資格手当の平均も月に8,530円と、決して高いとはいえないでしょう。
専門性を高めてスキルアップするには便利な資格ですが、取得後すぐに大幅に昇給するわけではないので、昇給を目的に取得するのはおすすめできません。
ただし、転職などでは資格取得を高く評価して、給料ベースを上げてくれるケースもあるでしょう。
認定看護師は、自分のスキルを上げて市場価値を高めることができる資格といえます。
認定看護師はデメリットはあるがメリットも大きい
認定看護師はデメリットがある一方で、メリットも大きい資格です。
取得することで特定分野の専門知識を高め、より多くの患者さんの治療に役立てられます。
また、看護師のなかでもリーダー的存在として、医療チーム内で頼られる存在にもなるでしょう。
転職や復職の際には給料ベースを高くしてもらうことも期待できるので、自分の市場価値を高めるのにも役立てられる資格です。