調剤薬局事務の仕事は、患者さんの対応や、調剤報酬の請求、会計など、多岐に渡ります。
患者さんの個人情報など、取り扱いに責任が求められる情報も多く取り扱うため、向き不向きのある仕事だといえるでしょう。
本記事は調剤事務薬局への転職を考えている方へ向けて「調剤薬局事務の向き不向き」を具体的に解説します。
自分が調剤薬局事務に向いているかどうかを知りたい方はぜひ参考にしてください。
目次
調剤薬局事務の向き不向きは?
それでは、調剤薬局事務に向いている人の特徴と、向いていない人の特徴を、それぞれ見ていきましょう。
向いている人の特徴
調剤薬局事務に向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 人と接するのが好き
- チームワークが得意
- 丁寧で几帳面
- 薬の知識を学びたい
- 無資格・未経験の方
- 将来性がある仕事をしたい
人と接するのが好き
調剤薬局には、老若男女さまざまな患者さんが訪れます。
そのなかには体調の悪さから不機嫌になっている方や、意思の疎通が困難な方も含まれるため、コミュニケーションに難しさを感じる場面は少なくないでしょう。
人と接することが好きで、難しいコミュニケーションにもやりがいを感じられる人であれば、調剤薬局事務の仕事に向いているといえます。
チームワークが得意
調剤薬局事務では、チームワークが得意であることも重要です。
薬剤師をはじめ、他のスタッフとの連携が必要な場面が多いため、チームワークが得意であればより円滑に業務を進められます。
丁寧で几帳面
調剤薬局事務の仕事は正確性が求められるため、丁寧さや几帳面さが必要です。
特に重要なのが、会計業務や、レセプトの作成、入金管理などお金に関する仕事です。
お金に関する業務はシビアで、小さなミスがクレームや患者さんからの信頼を落とす原因になります。
また、患者の個人情報の取り扱いや、薬剤師の補助で薬剤に関わる場面でも、正確な仕事が求められます。
薬の知識を学びたい
調剤薬局事務は、薬剤師と一緒に働き、実際の薬剤に接する機会が多くあります。
そのため、働いているうちに自然に薬の知識がつくでしょう。
こうした知識は日常生活でも活用できます。
また、医療職をめざす場合は、関連する知識が多いため将来的に役立てられるでしょう。
無資格・未経験の方
調剤薬局事務の仕事は、資格が必須ではありません。
有資格者が好まれる場合もありますが、調剤薬局によっては無資格、未経験でも就業できます。
調剤薬局事務向けの資格もいくつかあるため、無資格ではじめて働きながらスキルアップをめざすのも良いでしょう。
就業のハードルは比較的低いため、「手に職をつけたい」「専門性のある仕事をしたい」という人にも向いているといえます。
将来性がある仕事をしたい
将来性のある仕事をしたい人も、調剤薬局事務は向いているといえます。
調剤薬局事務の主な働き先は、調剤薬局や調剤薬局を併設するドラッグストアです。
調剤薬局の数は全国で6.1万店舗あり、スキルや経験を身につければ、ほかの調剤薬局やドラッグストアなど転職の選択肢も広がります。
また、2022年9月時点で、日本における高齢者(65歳以上)の割合は、29.1%と過去最高です。
特に、薬を必要とする高齢者は今後も増加することが予測されており、薬や調剤薬局の需要はなくならないと考えられます。
向いてない人の特徴
続いて、調剤薬局事務に向いていない人の特徴として、以下の4点を紹介します。
- 体を動かしたい
- 人との関わりが苦手
- 土日は働けない
- しっかり稼ぎたい
体を動かしたい
調剤薬局事務の仕事は多岐に渡りますが、メインの仕事は窓口での会計業務や、デスクワークとなるため、身体を動かす機会は多くありません。
「そもそもデスクワークが苦手」「現場仕事で体を動かしたい」と考えている場合は、根本的に向いていないといえるでしょう。
人との関わりが苦手
人との関わりが苦手な人は、調剤薬局事務が向いていません。
調剤薬局事務を訪れる患者さんは老若男女幅広く、いずれも少なからず病気やケガによる不安を抱えており、個々の事情に寄り添った関わり方をする必要があるためです。
また、薬剤師、事務スタッフとの連携、コミュニケーションも重要なので、最低限の対人スキルやマナーが求められます。
人と変わることが苦手な人は、調剤薬局事務の仕事のなかで大きなストレスを受けるおそれがあるでしょう。
土日は働けない
調剤薬局事務の主な職場は、調剤薬局や調剤薬局を併設するドラッグストアなどです。
営業形態は店舗ごとに異なりますが、土曜日や休日に仕事になるケースも考えられます。
子育てや介護など、家庭の事情により週末や祝日に働けない場合は、就業が難しいケースもあるため注意しましょう。
すぐに高収入を得たい
すぐに高収入を得たいのであれば、調剤薬局事務以外の仕事も検討したほうが良いでしょう。
厚生労働省が公開している情報によると、令和4年度の調剤薬局事務の平均年収は437万円です。
年齢別の年収では、年齢に比例して高くなっていき、ピークとなる55~59歳では約521万円となります。
堅実に稼いでいくことは可能ですが、「若いうちから高収入を得たい」「年収1,000万円をめざしたい」という人には不向きな選択肢といえるでしょう。
調剤薬局事務の仕事が向いていないと感じたときは
「自分は調剤薬局事務に向いていない」と感じた場合はどうすれば良いのでしょうか。
対策として、以下の2つを紹介します。
- 医療事務や一般事務として働く
- 資格を取り転職をめざす
医療事務や一般事務として働く
事務系の仕事に興味がある場合は、医療事務や一般事務などで働くと良いでしょう。
調剤薬局事務の経験がある場合、レセプト業務や保険請求に関する知識は、医療事務で活用できます。
薬の知識なども少なからず共通するでしょう。
患者さんの健康に関わる責任感や、受付でのコミュニケーションが難しいのであれば、一般事務で働くという選択肢もあります。
事務関連のパソコン操作や電話対応などのスキルは、他の事務関連の職種でも活用できるでしょう。
資格を取り転職をめざす
ニーズのある資格を取得して、転職に役立てるのも良いでしょう。
調剤薬局事務に関連した周辺資格は下記のとおりです。
- 登録販売者
- 調剤事務管理士
- 調剤事務実務士
- 調剤報酬請求事務専門士
特に登録販売者は、取得するとドラッグストアやホームセンター、コンビニエンスストアなどでも需要があるためおすすめです。
資格を取得することで、関連した職種のなかで仕事や転職の幅が広がります。
すでに調剤薬局事務で働いている場合は、仕事の知識をつけることで苦手意識の克服にもつながるケースがあるでしょう。
調剤薬局事務の向き不向きを知り、自身に合っているか考えてみよう
本記事では下記を解説しました。
- 調剤薬局事務が向いている人の特徴
- 調剤薬局事務が向いていない人の特徴
- 調剤薬局事務が向いていないと感じたら
調剤薬局事務は、無資格者でも就業可能な仕事です。
専門の資格もあり、社会的なニーズもあるため興味を持つ方も多いでしょう。
しかし、自分の適性と合っていない場合は、就業後に仕事がつらくなる可能性もあります。
本記事を参考に自分の性格を加味しながら、職業を選択しましょう。