
看護助手は、患者さんの日常生活をサポートし、看護師の業務をアシストする重要な役割を担っています。
しかし、具体的にどのような1日を過ごしているのかは、十分には知られていないのではないでしょうか。
本記事では、病棟における看護助手の日勤と夜勤における1日の流れを、具体的な仕事内容とともに詳しく紹介します。
環境整備から患者ケア、食事サポートまで、看護助手の多岐にわたる業務について、理解が深まるでしょう。
目次
看護助手の1日の流れ|日勤の例
看護助手の仕事は、患者さんの日常生活をサポートし、看護師の業務をアシストする重要な役割です。
ここでは、一般的な病棟における看護助手の1日の流れを、日勤の例を通じて紹介します。
具体的な仕事内容も含めて、看護助手の日々の業務をご覧ください。
8:30 出勤・申し送り
看護助手の1日は、勤務開始前の準備から始まります。
勤務時間に間に合うよう出勤し、制服に着替え、髪を整えます。
病棟に到着したら、まず行うのは手指消毒です。
病棟には、免疫力が低下している患者さんも多くいます。
業務を開始する前に、手指消毒して感染対策を行いましょう。
その後、看護記録を確認して当日の病棟の状況を把握します。
朝の看護師の申し送りにも参加し、夜間の患者さんの様子や当日のイベント、職員間での事務的な連絡事項なども確認します。
このように、勤務開始前にその日の業務をスムーズに進めるための準備を整えるのです。

9:00 環境整備
環境整備は、患者さんが安全かつ快適に過ごせるよう病室を清潔に保つ重要な仕事です。
具体的には、患者さんのベッド周りの消毒やゴミの片付けなどを行います。
同時に、転倒リスクにつながるような障害物の有無を確認したり、イヤホンなどのルート類などが絡まっていないかを確認して、患者さんが安全に療養できるような環境を整えていきます。
特に病棟では、患者さんの退院は朝が多いため、退院後のベッドのシーツ交換なども必要です。
次の患者さんが予定どおりに入院できるよう、丁寧に準備を整えておきます。
また、夜間に使用した医療器具があれば、洗浄・消毒も行います。
これらの作業を通じて、患者さんにとって清潔で安全な環境を維持するのです。
10:00 患者ケア
患者ケアの時間帯では、看護師の指示のもと、協力しながらさまざまな業務を行います。
入浴介助や排泄介助などの清潔ケアはもちろん、検査の付き添いなども看護助手の重要な役割です。
また、看護師が多忙なときには、ナースコールの対応を行うこともあるでしょう。
患者さんの様子を確認し、必要に応じて看護師に伝えるなど、病棟の状況に応じて臨機応変に対応することが求められます。
このように、看護助手は患者さんの日常生活を支えるさまざまなケアを提供し、看護師と連携しながら病棟全体の円滑な運営をサポートするのです。
11:30 昼食準備
昼食の時間帯になると、看護助手は配膳・下膳の準備を行います。
エプロンの着用やテーブルのセッティングなど、患者さんが食事をしやすい環境を整えます。
配膳の際は、患者さん一人ひとりの状態に注意を払うことが大切です。
例えば、誤嚥のリスクが高い患者さんには、看護師に確認してから配膳を行うなど、安全面にも配慮します。
このように、看護助手は単に食事を運ぶだけでなく、患者さんの状態を考慮しながら適切なサポートを提供します。
安全で快適な食事時間を確保することも、看護助手の重要な役割の一つです。
12:00 休憩
病棟の業務が落ち着いたら、1時間ほど昼休憩に入ります。
この時間は、食事を取ったり、リフレッシュしたりする大切な時間です。
休憩中も、緊急時には対応できるよう心構えをしておくことが必要です。
また、休憩後の業務に備えて、心身ともにリラックスすることを心がけましょう。
13:00 昼食片付け・口腔ケア
休憩後は、患者さんの昼食の片付けから再開するのが一般的です。
食べ終わった患者さんの下膳を行い、テーブルの位置やベッドの高さを戻したりなどあらためて環境を整えます。
洗面台に行くことが難しい患者さんには、歯ブラシをセットするなど口腔ケアの介助も必要です。
口腔ケアは感染予防や快適な生活維持に重要なため、患者さんが無理なく実施できるようサポートしていくことが求められます。
14:00 患者ケア・備品の管理
午後も引き続き、患者さんのケアや検査への付き添いなどを行います。
これらの業務を通じて、患者さんの状態を観察し、必要に応じて看護師に報告することも大切な役割です。
退勤時間が近づくにつれ、病棟の物品管理にも注力します。
使用期限が切れている物品はないか、補充が必要なものはないかを確認し、足りない物品があれば中央材料室から取り寄せます。
夜勤帯は少ない人数で病棟を回すため、スムーズに業務ができるよう病棟の環境を整えておくことが重要です。
この細やかな準備が、夜間の安全な患者ケアにつながります。
17:00 夜勤者への申し送り
1日の業務の締めくくりとして、夜勤担当者への引き継ぎを行います。
日中の患者さんの状態や特記事項、残っている業務などを漏れなく伝えましょう。
また、残務がある場合は、その日のリーダー看護師に報告して指示を仰ぎます。
これにより、夜勤帯への円滑な引き継ぎが可能となり、24時間切れ目のない患者ケアが実現します。
看護助手の1日の流れ|夜勤の例
看護助手の夜勤は、日中とは異なる独特の流れがあります。
患者さんの安全と快適な睡眠をサポートしながら、夜間の病棟運営を支える重要な役割を担います。
ここでは、看護助手の夜勤における1日の流れを詳しく見ていきましょう。
16:30 出勤・申し送り
夜勤の看護助手の出勤時間は、通常16:30頃です。
まず、日勤の看護助手から残っている業務の引き継ぎを受け、病棟の状況を確認します。
また、職場によっては看護師の申し送りにも参加し、患者さんの状態や注意事項などを把握します。
この情報共有により、夜間の円滑な業務遂行が可能となるのです。
17:00 夕食配膳・下膳
夕食が病棟に運ばれてきたら、患者さんのもとに配膳します。
この際、患者さんの机を清潔に拭いたり、ベッドの高さを調節したりと、食事をしやすい環境を整えることも重要です。
配膳後は、患者さんの食事状況を見守りながら、適切なタイミングで下膳を行います。
食事の摂取状況や患者さんの様子に変化があれば、看護師に報告することも大切な役割です。
このように、夕食の時間帯は患者さんの栄養摂取をサポートしながら、同時に健康状態の観察も行う重要な時間となります。
19:00 口腔ケア・排泄介助
消灯前の時間帯には、患者さんの就寝準備をサポートします。
具体的には、歯ブラシをセットするなどの口腔ケアの準備や、排泄介助を行います。
患者さんが消灯時間までに寝る準備を整えられるよう時間配分に気をつけつつ、看護師と協力しながらケアを行っていくことが大切です。
これらの作業を通じて、患者さんが快適に眠れるよう環境を整えていきます。
21:00 消灯
21時になると、病棟の消灯作業を行います。
まず、すべての患者さんがベッドにいることを確認し、安全を確保しましょう。
その後、順次消灯していきます。
ただし、状態の悪い患者さんや特別な配慮が必要な方がいる場合は、看護師と相談しながら対応を決めていきます。
患者さんの安眠と安全のバランスを取ることが大切です。
2:00 仮眠休憩
夜間の業務の合間を見て、適宜2時間程度の仮眠休憩を取ります。
ただし、病棟の状況によっては休憩時間が変動することもあるため、看護師と相談しながら休憩時間を調整していくこともあるでしょう。
仮眠休憩に入っていない時間は、患者さんの体位変換を適宜行ったり、備品の整理を行ったりします。
夜間でも患者さんの安全と快適さを確保することが、看護助手の重要な役割です。
7:00 朝食配膳
朝になると、患者さんの朝食準備を開始します。
夕食時と同様に食事環境を整え、患者さんの状態に合わせて配膳していきます。
この時間帯は、患者さんの1日の始まりをサポートする大切な時間です。
明るく丁寧な対応を心がけましょう。
9:00 日勤者への申し送り
夜勤の締めくくりとして、日勤の看護助手に夜間の患者さんの状態や業務状況を共有します。
特に注意が必要な点や、継続して観察が必要な事項は漏れなく伝えることが重要です。
申し送りが終了したら、夜勤の業務は終了となります。
1日の振り返りを行い、次の勤務に向けて心身をリフレッシュさせましょう。
看護助手の1日の流れを知って働く姿をイメージしよう
ここまで、看護助手の1日の流れを日勤と夜勤の例を通じて詳しく見てきました。
看護助手は、患者さんの日常生活を支え、看護師の業務をサポートする重要な役割を担っています。
環境整備や患者ケア、食事の配膳など、多岐にわたる業務を通じて、病院全体の円滑な運営に貢献しているのです。
ここで紹介した1日の流れは、あくまで一般的な病棟における一例です。
実際の看護助手の業務内容や1日の流れは、勤務先によって異なる場合があります。
具体的な仕事内容や勤務体制については、面接時や転職エージェントを通じて直接確認することをおすすめします。
看護助手として働くことをイメージする際は、この記事で紹介した1日の流れを参考にしつつ、自分自身がどのように患者さんや医療スタッフと関わっていきたいか、具体的にイメージしてみましょう。
看護助手の仕事は、やりがいと責任が共存する素晴らしい職業です。
あなたの思いやりと献身が、多くの患者さんの支えとなることでしょう。