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言語聴覚士の給料は?年収や月収、手取りを解説

言語聴覚士の平均給料額は、調査機関によって異なります。
労働者の賃金の実態を明らかにするため、全国の企業や機関などを対象に、厚生労働省が正式な調査を行っているのはご存じでしょうか。

本記事では、厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査を参考にして、言語聴覚士の男女別や経験年数別の給料を紹介し、関連職種とも比較します。
税引き後の手取り額や給料アップ方法も合わせて解説していますので、参考にしてみてください。

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言語聴覚士の平均給料はどれくらい?

言語聴覚士の平均給料はどれくらい?

ここでは、言語聴覚士の給料を次の項目に分けて解説します。

  • 【男女別】平均年収・月収・賞与
  • 【経験年数別】平均年収・月収・賞与
  • 【職業別】他職種との給与比較
  • 【手取り】税引き後の給料

言語聴覚士をめざそうとしている方は、ぜひ参考にしてください。

【男女別】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、残業代や手当なども含めた男女別の言語聴覚士の収入額は、次のとおりです。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

性別 平均年収 平均月収 平均賞与 平均年齢
男性 443万円 30.7万円 74.5万円 35歳
女性 407万円 28.3万円 67.1万円 35歳

言語聴覚士の男女別の給料では、女性の年収が36万円ほど低い結果となりました。

とはいえ、国税庁の令和3年分民間給与実態統計調査結果を参考にすると、全国民間事業所で働く女性の平均年収は302万円です。
全国平均と比較すると、女性でも言語聴覚士の給料水準は高いといえます。

出典:民間給与実態統計調査結果の概要|令和3年分民間給与実態統計調査結果|国税庁

【経験年数別】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、経験年数別の言語聴覚士の給料は次のとおりです。
なお、経験年数別の令和3年賃金構造基本統計調査には総月収の記載がなく、残業代などは含みません。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

経験年数 性別 平均年収 平均月収 平均賞与
0年 男性 292万円 23.7万円 7.3万円
女性 279万円 23.1万円 1.8万円
1年〜4年 男性 363万円 25.2万円 60.5万円
女性 354万円 24.7万円 57.4万円
5年〜9年 男性 405万円 27.5万円 75.2万円
女性 373万円 26万円 60.6万円
10年〜14年 男性 444万円 30万円 84.4万円
女性 403万円 28万円 67万円
15年 男性 542万円 37万円 98.3万円
女性 481万円 32万円 97.4万円

以上の結果を見ると、経験年数を重ねれば、男性も女性も着実に給料が上がっていくことがわかります。

【職業別】他職種との給与比較

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査を参考に、言語聴覚士と他の医療系職種の給料を比較すると次の結果となります。
なお、作業療法士・理学療法士・視能訓練士は、言語聴覚士と同区分で調査されているため、比較表には記載してありません。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

職業(男女計) 平均年収 平均月収 平均賞与 平均年齢
1.薬剤師 581万円 40.4万円 96.2万円 41歳
2.助産師 554万円 38.8万円 88.8万円 37歳
3.診療放射線技師 546万円 37.2万円 99.8万円 42歳
4.看護師 498万円 34.4万円 85.5万円 41歳
5.臨床検査技師 497万円 33.8万円 91.1万円 42歳
6.保健師 481万円 32.4万円 92.1万円 42歳
7.言語聴覚士 427万円 29.6万円 71.3万円 35歳
8.歯科技工士 428万円 31.4万円 50.9万円 39歳
9.准看護師 407万円 28.7万円 62.7万円 50歳
10歯科衛生士 387万円 27.9万円 52.3万円 35歳

上表によると、言語聴覚士の給料は上から7番目の結果となり低いように感じられます。

とはいえ、国税庁の令和3年分民間給与実態統計調査結果を参考にすると、全国民間事業所で働く労働者全体の平均年収は443万円です。
言語聴覚士と労働者全体の平均年収の差は、わずか16万円となっています。

言語聴覚士の平均年収は、全国平均と同水準であるといえ、給料水準は決して低くないと判断できるでしょう。
しかし、言語聴覚士の給料は全国平均水準ではありますが、給料が安いという声もあります。

出典:民間給与実態統計調査結果の概要|令和3年分民間給与実態統計調査結果|国税庁

【手取り】税引き後の給料

言語聴覚士の平均年収から、所得税、住民税、社会保険額を差し引くと、手取り額は約335万円、月額にすると約28万円となります。
年齢や住まいなどは次の状況を想定して手取りの計算しています。

  • 年収:427万円
  • 月収:29.6万円
  • ボーナス:71.3万円
  • 年齢:30代
  • 配偶者:独身 一人暮らし
  • 住まい:東京
  • 年金:厚生年金
  • 健康保険:全国健康保険協会
税・保険の種類 内訳
厚生年金保険料 39.5万円
健康保険料 21.2万円
雇用保険料 2.1万円
所得税 9.3万円
住民税 19.7万円
手取り 427−39.5−21.2−2.1−9.3−19.7=335.2万円

出典:令和4年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表|全国健康保険協会
出典:令和4年度雇用保険料率のご案内|厚生労働省
出典:No.2260 所得税の税率|国税庁
出典:個人住民税|東京都主税局

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言語聴覚士の給料をアップする5つの方法

言語聴覚士の給料をアップする方法は主に次の5つです。

  1. 勤続年数を重ねる
  2. 待遇の良い職場に転職する
  3. 資格を取得する
  4. 副業を行う
  5. 独立開業する

ここからは、言語聴覚士の給料をアップする方法を一つずつ詳細に解説します。

1.勤続年数を重ねる

勤続年数や経験年数を重ねれば、言語聴覚士の多くは着実に昇給します。
言語聴覚士に多い職場である病院や施設は、年功序列の傾向が強いためです。

前述した経験年数別の給料比較を参考にすると、0年目〜15年目の間に男女それぞれの平均年収で、以下の金額が上昇しています。

  • 男性:平均年収250万円上昇
  • 女性:平均年収202万円上昇

言語聴覚士は、勤続年数や経験年数を重ねることで、毎年の昇給や役職手当により、着実に給料アップを狙えるでしょう。

2.待遇の良い職場に転職する

待遇の良い病院や施設に転職するのも給料アップの方法の一つです。
病院や施設の経営状況、運営規模は異なり、給与・手当・福利厚生の方針も変わります。

待遇の良い職場を見つけるためには、複数の転職先を検討することが大切です。
転職先をピックアップする際は、次の項目を比較してください。

  • 月給
  • 月給の内訳(手当など)
  • 賞与額
  • 昇給回数
  • 福利厚生

現状の職場の待遇に不満がある場合は、転職も選択肢に入れましょう。

3.資格を取得する

言語聴覚士の専門性を高める資格を取得すれば、給料アップできる可能性があります。
職場により資格手当を受け取れるためです。

言語聴覚士の専門性を高められる資格には、次のようなものがあります。

  • 認定言語聴覚士
  • 栄養サポート専門療法士
  • 手話通訳士
  • 心理カウンセラー

言語聴覚士に関連する資格を取得すれば、昇給の審査や転職の際の給料査定で優遇されるだけでなく、キャリアを形成していくうえでも有利となるでしょう。

4.副業を行う

言語聴覚士の資格を活かした副業を行えば、確実に給料アップが可能です。
また、本業の職場とは異なる分野で副業を行うと、言語聴覚士としてのキャリアアップやキャリアビジョンの拡大にもつながるでしょう。

言語聴覚士の副業には次のような種類があります。

  • 介護施設・発達支援施設・訪問リハビリでのアルバイト
  • 急性期・回復期・慢性期病院でのアルバイト
  • 健康教室などでの講師

ただし、職場によっては副業を禁止している場合があります。
副業をする場合は、必ず現在勤めている職場の規定を確認しましょう。

5.独立開業する

言語聴覚士は、保険に頼らず費用の全額を患者負担とする、自費診療のリハビリ施設を開業できます。
ただし、行えるのは医師の指示が不要である言語訓練や構音訓練などのリハビリに限ります。

言語聴覚士が開業する施設の一例は次のとおりです。

  • リハビリ施設を利用していない方を対象にした訪問リハビリ
  • 認知症の予防を目的とする教室
  • 言葉の遅れなど発達支援を行う教室

人材管理や組織運営などさまざまな知識が必要になりますが、経営が軌道に乗れば収入を増やすことができるでしょう。

言語聴覚士の給料水準は低くない|収入アップも見込める仕事

言語聴覚士の年収は427万円であり、全国平均として比較しても決して低くありません。
さらに、言語聴覚士は一つの場所に勤め続けることはもちろん、さまざまな選択肢で収入アップを見込めます。

また、関連資格の取得や待遇の良い職場へ転職、副業などは、収入アップに加えてキャリアビジョンの拡大にもつながるでしょう。

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