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言語聴覚士の給料は?年収や月収、手取りを解説

言語聴覚士の平均給料額は、調査機関によって異なります。
労働者の賃金の実態を明らかにするため、全国の企業や機関などを対象に、厚生労働省が正式な調査を行っているのはご存じでしょうか。
本記事で紹介する言語聴覚士の給料は、厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査を参考にしています。

言語聴覚士の男女別や経験年数別、年齢別、就職先の規模別、職業別の給料を紹介し、関連職種とも比較しています。
税引き後の手取り額や給料アップ方法も合わせて解説していますので、参考にしてみてください。

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言語聴覚士の平均給料はどれくらい?

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、言語聴覚士を含むリハビリ職の平均給料は430万円でした。
ここからは、言語聴覚士の平均給料を以下の7つの観点から紹介します。

  • 【男女別】平均年収・月収・賞与
  • 【新卒】平均年収・月収・賞与
  • 【経験年数別】平均年収・月収・賞与
  • 【年齢別】平均年収・月収・賞与
  •  【就職先の規模別】平均年収・月収・賞与
  • 【職業別】他職種との給与比較
  • 【手取り】税引き後の給料

【男女別】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、残業代や手当なども含めた男女別の言語聴覚士の収入額は、次のとおりです。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

性別 平均年収 平均月収 平均賞与 平均年齢
男性 447万円 31.3万円 71.3万円 35.4歳
女性 411万円 28.6万円 68.2万円 34.0歳

言語聴覚士の男女別の給料では、女性の年収が36万円ほど低い結果となりました。

【新卒】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、新卒の言語聴覚士の給料は次のとおりです。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

平均年収 平均月収 平均賞与
男性 367万円 24.0万円 79.3万円
女性 324万円 23.8万円 38.5万円

以上の結果を見ると、新卒の給与では男性のほうが平均賞与が多いため、年収も高いことがわかります。

【経験年数別】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、経験年数別の言語聴覚士の給料は次のとおりです。
なお、経験年数別の令和4年賃金構造基本統計調査には総月収の記載がなく、残業代などは含みません。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

経験年数 性別 平均年収 平均月収 平均賞与
新卒 男性 367万円 24.0万円 79.3万円
女性 324万円 23.8万円 38.5万円
1年〜4年 男性 374万円 26.1万円 61.6万円
女性 369万円 25.8万円 59.5万円
5年〜9年 男性 412万円 28.6万円 68.9万円
女性 386万円 26.3万円 71.3万円
10年〜14年 男性 471万円 32.8万円 78.0万円
女性 405万円 27.6万円 74.6万円
15年 男性 527万円 35.7万円 98.6万円
女性 482万円 32.2万円 96.4万円

以上の結果を見ると、経験年数を重ねれば、男性も女性も着実に給料が上がっていくことがわかります。

【年齢別】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、年齢別の言語聴覚士の給料は次のとおりです。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

平均年収 平均月収 平均賞与
20~24歳 324万円 24.3万円 33.0万円
25~29歳 378万円 26.1万円 65.7万円
30~34歳 405万円 28.0万円 69.9万円
35~39歳 439万円 30.4万円 74.6万円
40~44歳 481万円 32.8万円 88.1万円
45~49歳 499万円 33.9万円 92.7万円
50~54歳 503万円 33.7万円 99.3万円
55~59歳 555万円 37.6万円 104.4万円

以上の結果を見ると、20代は300万円ですが30代には400万円、40代には500万円を超えることがわかります。
経験年数を重ねることで着実に給料が上がっているといえるでしょう。

【就職先の規模別】平均年収・月収・賞与

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、残業代や手当なども含めた就職先の規模別の言語聴覚士の給料は次のとおりです。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

平均年収 平均月収 平均賞与
10~99人 431万円 31.7万円 50.7万円
100~999人 416万円 29万円 68.1万円
1,000人以上 472万円 31.9万円 90.0万円

【職業別】他職種との給与比較

厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査を参考に、言語聴覚士と他の医療系職種の給料を比較すると次の結果となります。
なお、作業療法士・理学療法士・視能訓練士は、言語聴覚士と同区分で調査されているため、比較表には記載してありません。

※言語聴覚士、理学療法士、作業療法士、視能訓練士を合わせた平均収入額

職業(男女計) 平均年収 平均月収 平均賞与 平均年齢
1.助産師 583万円 39.8万円 105.7万円 43歳
2.薬剤師 582万円 41.4万円 85.8万円 41歳
3.診療放射線技師 542万円 36.8万円 101.3万円 41歳
4.看護師 507万円 35.1万円 86.2万円 40歳
4.臨床検査技師 508万円 34.7万円 92.1万円 39歳
6.保健師 480万円 33.3万円 80.7万円 42歳
7.言語聴覚士 430万円 30.0万円 69.8万円 34歳
8.歯科技工士 429万円 32.8万円 35.4万円 42歳
9.准看護師 417万円 29.6万円 62.7万円 51歳
10.歯科衛生士 381万円 28.2万円 43.2万円 36歳

上表によると、言語聴覚士の給料は上から7番目の結果となり低いように感じられます。

とはいえ、国税庁の令和4年分民間給与実態統計調査結果を参考にすると、全国民間事業所で働く労働者全体の平均年収は458万円です。
言語聴覚士と労働者全体の平均年収の差は、わずか28万円となっています。

言語聴覚士の平均年収は、全国平均と同水準であるといえ、給料水準は決して低くないと判断できるでしょう。
しかし、言語聴覚士の給料は全国平均水準ではありますが、給料が安いという声もあります。

【手取り】税引き後の給料

月収30万円、ボーナス70万円とした場合、言語聴覚士の年収から所得税や住民税、社会保険額などを差し引くと、手取り額は約337万円、月額では約23.5万円となります。

年齢や住まいなどは次の状況を想定して手取りの計算しています。

  • 月収:30.0万円
  • ボーナス:70.0万円
  • 年齢:35代
  • 住まい:東京

<内訳>

  • 健康保険:21.5万円
  • 厚生年金:39.3万円
  • 雇用保険:2.6万円
  • 所得税:9.4万円
  • 住民税:19.9万円

手取り:年収約337万円(月給約23.5万円)

税引き後の給料は、扶養家族の有無や住んでいる地域、その年の保険料率などによって変わるため、目安としてご参考ください。

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言語聴覚士の給料をアップする5つの方法

言語聴覚士の給料をアップする方法は主に次の5つです。

  1. 勤続年数を重ねる
  2. 待遇の良い職場に転職する
  3. 資格を取得する
  4. 副業を行う
  5. 独立開業する

ここからは、言語聴覚士の給料をアップする方法を一つずつ詳細に解説します。

1.勤続年数を重ねる

勤続年数や経験年数を重ねれば、言語聴覚士の多くは着実に昇給します。
言語聴覚士に多い職場である病院や施設は、年功序列の傾向が強いためです。

前述した経験年数別の給料比較を参考にすると、0年目〜15年目の間に男女それぞれの平均年収で、以下の金額が上昇しています。

男性:平均年収160万円上昇
女性:平均年収158万円上昇

言語聴覚士は、勤続年数や経験年数を重ねることで、毎年の昇給や役職手当により、着実に給料アップを狙えるでしょう。

2.待遇の良い職場に転職する

待遇の良い病院や施設に転職するのも給料アップの方法の一つです。
病院や施設の経営状況、運営規模は異なり、給与・手当・福利厚生の方針も変わります。

待遇の良い職場を見つけるためには、複数の転職先を検討することが大切です。
転職先をピックアップする際は、次の項目を比較してください。

  • 月給
  • 月給の内訳(手当など)
  • 賞与額
  • 昇給回数
  • 福利厚生

現状の職場の待遇に不満がある場合は、転職も選択肢に入れましょう。

3.資格を取得する

言語聴覚士の専門性を高める資格を取得すれば、給料アップできる可能性があります。
職場により資格手当を受け取れるためです。

言語聴覚士の専門性を高められる資格には、次のようなものがあります。

  • 認定言語聴覚士
  • 栄養サポート専門療法士
  • 手話通訳士
  • 心理カウンセラー

言語聴覚士に関連する資格を取得すれば、昇給の審査や転職の際の給料査定で優遇されるだけでなく、キャリアを形成していくうえでも有利となるでしょう。

4.副業を行う

言語聴覚士の資格を活かした副業を行えば、確実に給料アップが可能です。
また、本業の職場とは異なる分野で副業を行うと、言語聴覚士としてのキャリアアップやキャリアビジョンの拡大にもつながるでしょう。

言語聴覚士の副業には次のような種類があります。

  • 介護施設・発達支援施設・訪問リハビリでのアルバイト
  • 急性期・回復期・慢性期病院でのアルバイト
  • 健康教室などでの講師

ただし、職場によっては副業を禁止している場合があります。
副業をする場合は、必ず現在勤めている職場の規定を確認しましょう。

5.独立開業する

言語聴覚士は、保険に頼らず費用の全額を患者負担とする、自費診療のリハビリ施設を開業できます。
ただし、行えるのは医師の指示が不要である言語訓練や構音訓練などのリハビリに限ります。

言語聴覚士が開業する施設の一例は次のとおりです。

  • リハビリ施設を利用していない方を対象にした訪問リハビリ
  • 認知症の予防を目的とする教室
  • 言葉の遅れなど発達支援を行う教室

人材管理や組織運営などさまざまな知識が必要になりますが、経営が軌道に乗れば収入を増やすことができるでしょう。

言語聴覚士の給料水準は低くない|収入アップも見込める仕事

言語聴覚士を含むリハビリ職の平均年収は430万円であり、全国平均と比較しても決して低くありません。
言語聴覚士は一つの職場に勤め続けることはもちろん、さまざまな選択肢をとることで、収入アップを見込めます。
関連資格の取得や待遇の良い職場への転職、副業などは、収入アップに加えてキャリアビジョンの拡大にもつながるでしょう。

ぜひ言語聴覚士の仕事をめざしてみましょう。

また、言語聴覚士の需要・将来性については以下のページで詳しく解説しています。

言語聴覚士の給与水準は決して低くなく、収入アップをめざすことも可能です。
しかし、なかには仕事内容に対して給料が安いと感じたり、やめたほうが良いと考えたりする人もいるでしょう。
その場合は、以下の記事をぜひ参考にしてください。

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執筆者について

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