総合トップ 情報かる・ける歯科衛生士歯科衛生士とは?役割や収入、働く場所などを解説
情報 かる・ける

歯科衛生士とは?役割や収入、働く場所などを解説

「歯科衛生士って、どうやってなるの?」
「仕事内容や収入は?」

歯科医院を中心に働く歯科衛生士について、上記のような疑問を持ったことのある方も多いでしょう。
この記事では、歯科衛生士の役割や資格取得の方法、収入、働く場所などを紹介します。

歯科衛生士の求人を探す

歯科衛生士とは

歯科衛生士とは人々の歯や口腔の健康をサポートする仕事で、従事するためには国家資格を取得する必要があります。
歯や口腔の健康は全身の健康とつながっているといわれており、最近では歯科疾患の予防が注目されていることから、需要が高まっている職業です。

令和2年の厚生労働省の統計調査によると、歯科衛生士は全国で約14万人おり、年々右肩上がりに増えています。
そのうちの90%以上が診療所で働いており、それ以外の勤務先は病院、市区町村、保健所などです。

また、歯科衛生士と似ている職業で歯科助手があります。
歯科助手は歯科衛生士と異なり、資格がなくても働くことができますが、患者さんの口に手を入れて処置をすることはできません。

歯科衛生士の役割

歯科衛生士の役割

歯科衛生士の仕事は、歯科衛生士法第2条において、次の3つが定められています。

  • 歯科予防処置
  • 歯科診療の補助
  • 歯科保健指導

ここでは順番に説明していきます。

歯科予防処置

歯科予防処置とは、虫歯や歯周病を予防する処置のことです。
虫歯や歯周病になってしまうと歯を失うリスクが高くなり、食生活にも影響してきます。

歯科予防処置の具体的な内容としては、歯にフッ素を塗る「フッ素化物塗布」、プラークや歯石など口腔内の汚れを除去する「機械的歯面清掃」などがあります。
これらの予防処置は、歯科医師と歯科衛生士のみが行える歯科医行為です。

歯科診療の補助

歯科医師の補助とは、歯科医師の指示を受けて診療の一部を行ったり、治療器具の消毒や準備、保管などを行うことです。

また、患者さんが治療に対して不安を抱えていた場合、それを歯科衛生士が和らげることで、その後の歯科医師の治療が円滑に進められることもあります。
歯科医師を中心としたチーム医療のなかで、歯科衛生士が果たす役割は大きいのです。

歯科保健指導

歯科保健指導とは、一人ひとりの患者さんが自身の生活において歯や口腔の健康を保てるよう、それぞれの患者さんに適した歯の磨き方や食べ物の食べ方、噛み方などの指導を行うことです。

例えば、定期的に行われる乳児や幼児検診での歯科検診では、両親に正しい歯磨きの方法を指導したり、子どものお口に関する知識や食生活で気をつけることを伝えたりすることも、歯科衛生士の仕事となっています。

最近では、高齢者や嚥下機能が低下した要介護者などに対しても、口腔内を清潔にする、義歯の必要性を確認する、開口訓練や咀嚼訓練などを行うなど、歯科衛生士の専門性を活かした関わりが期待されています。

歯科衛生士になるには

歯科衛生士になるためには、受験資格を満たしたうえで国家資格を受験し、合格しなければなりません。

受験資格を満たすには、所定の養成校を卒業する必要があります。
養成校は大学、短期大学、専門学校のいずれかです。
また、歯科衛生士の養成校は、いずれも3年制以上のカリキュラムとなっています。

国家試験は、合格率こそ90%以上と高いですが、逆にいえば養成校で3年以上学んだ人であっても1割弱は不合格となっているため、しっかりと対策して望む必要があります。
直近の令和5年は受験者数が7,470名、合格者数は6,950名で、合格率は93.0%でした。

国家試験に合格すると歯科衛生士の資格が得られ、歯科衛生士として働くことができます。

歯科衛生士の求人を探す

歯科衛生士の収入

令和4年度の賃金構造基本統計調査によると、歯科衛生士の年収は約383万円でした。
これは、同年の日本の平均年収である約497万円と比較すると高くない額です。

その要因としては、歯科衛生士は非常勤(パート・アルバイト)で働く人の割合が39%と多いことなどが挙げられます。

歯科衛生士の働く場所はさまざま

歯科衛生士の働く場所はさまざま

続いて、歯科衛生士の働く場所として、診療所、病院、介護・福祉施設の3つを紹介します。

診療所

歯科衛生士の勤務場所として最も多いのが、診療所(歯科クリニック)です。
ただし診療所は規模もさまざまで、院長の専門分野によって力を入れている治療も異なるため、職場によって仕事内容が異なる場合があります。
どの診療所でも共通している仕事としては、前述した予防処置、診療の補助、歯科保健指導の3つですが、それらに加え、歯周病治療のサポートやインプラント埋入手術の診療補助、矯正治療の補助などを行う診療所もあります。

病院

大学病院や総合病院で活躍する歯科衛生士の基本的な仕事内容は、診療所で働くケースと大きく変わりません。

病院には歯科口腔外科の診療科があり、手術を受ける患者さんや、特殊外来に来る患者さん、ICUに入院中で全身管理を必要とする患者さんなどの対応をすることが特徴です。

また、総合病院には医師や看護師以外にも、専門領域が異なるさまざまな医療職がチーム医療で患者さんの診療にあたります。
歯科衛生士が所属するチームとして、栄養サポートチーム、呼吸ケアサポートチームなどがあります。

介護・福祉施設

介護施設や福祉施設に勤める歯科衛生士は、利用者さんの口腔ケアや咀嚼・嚥下訓練などを主に行います。

これらの施設の利用者さんは、寝たきりの方や要介護の方など、診療所に通うことが難しい方も少なくありません。

こういった施設における歯科衛生士の需要は、これから先、社会の高齢化が進むに連れてますます増えていくことが予想されます。

歯科衛生士は人々の口の健康を守る仕事

歯科衛生士の仕事内容や働く場所などについて解説してきました。
歯科衛生士の主な役割は、歯科予防処置、歯科診療の補助、歯科保健指導の3つです。
就業するためには、所定の学校で3年以上学んだあと、国家試験に合格して資格を取得する必要があります。

歯科衛生士の主な職場は診療所(歯科クリニック)ですが、病院や介護・福祉施設にも活躍の場があります。
特に介護・福祉施設における歯科衛生士の需要は、この先、社会の高齢化が進むことでますます増えていくでしょう。

歯科衛生士の求人を探す

執筆者について

情報かる・けるは、医療・介護従事者として働いている方や、これから目指す方の「知りたい」に応えるメディア。 全国80,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

いいねと思ったらシェア
見つかる・見つける かる・けるとは?

かる・けるは、医療介護の仕事を探せる求人情報サイト。あなたに合った医療介護求人が見つかります。すべてのお仕事情報は、勤務地、年収や月収などの給与、正社員、契約社員、パート・アルバイト、業務委託などの雇用形態、施設のサービス形態といった条件で検索でき、希望に合う求人を簡単に探しやすいのが魅力です。就きたいお仕事が見つかったら、そのまま応募も可能。応募はダイレクトに求人掲載事業者に届くので、スピーディかつスムーズに進みます。医療介護分野での就職はもちろん、転職、復職の際にも活躍するサイトです。