
心理学やカウンセリングに興味があり、「公認心理師にはどうやってなるんだろう?」と思っている人もいるでしょう。
また、すでにカウンセラーとして活動しており、公認心理師の資格の取り方を知りたい人もいるかもしれません。
今回は、公認心理師になるためにはどうしたら良いのかや、なるための方法をわかりやすく解説します。
公認心理師に興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
目次
公認心理師のなり方
公認心理師は、2017年にできた新しい国家資格です。
国民の心の健康を保持増進するため、心理専門職の資格として誕生しました。
国家試験を受けるためには、受験資格が必要です。
公認心理師の国家資格を取るために、どのような手順が必要か知りたい人もいるでしょう。
ここからは、公認心理師のなり方の、以下の3つを解説します。
- 公認心理師資格の受験資格を得る
- 公認心理師試験を受験し資格を取得する
- 補足:通信制大学でもめざせる
なお、資格新設後、2017年からの5年間認められていた、実務経験が5年以上かつ週1以上あり、現任講習会を受講した場合の特例措置ルートは2022年で終了しています。〈ルートG〉

公認心理師資格の受験資格を得る
公認心理師になるには、公認心理師国家試験に合格して公認心理師資格を取得しなければなりません。
公認心理師試験の受験資格は、最短で6年で取得できます。
受験資格を取得するための3つのルートを見ていきましょう。
- ①4年制の大学または専門学校で所定の科目を修了したあと、大学院で必要科目を修了する〈ルートA〉②大学で必要科目を修了後、指定施設で2年以上の実務経験を積む〈ルートB〉
- ①や②と同等かそれ以上の知識・技能があると認定される〈ルートC〉
大学と大学院で必要科目を修了する
公認心理師になるルートの一つに、4年制の大学または専門学校で所定の科目を修了したあと、大学院で学ぶルートがあります。
このルートでは、まず4年制の大学または専門学校で所定の科目を学ばなければなりません。
必要科目は以下の25科目です。
- 公認心理師の職責
- 心理学概論
- 臨床心理学概論
- 心理学研究法
- 心理学統計法
- 心理学実験
- 知覚・認知心理学
- 学習・言語心理学
- 感情・人格心理学
- 神経・生理心理学
- 社会・集団・家族心理学
- 発達心理学
- 障がい者(児)心理学
- 心理的アセスメント
- 心理学的支援法
- 健康・医療心理学
- 福祉心理学
- 教育・学校心理学
- 司法・犯罪心理学
- 産業・組織心理学
- 人体の構造と機能及び疾病
- 精神疾患とその治療
- 関係行政論
- 心理演習
- 心理実習
また、大学卒業後に進学した大学院では、以下の10科目を学ぶ必要があります。
- 保健医療分野に関する理論と支援の展開
- 福祉分野に関する理論と支援の展開
- 教育分野に関する理論と支援の展開
- 司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開
- 産業・労働分野に関する理論と支援の展開
- 心理的アセスメントに関する理論と実践
- 心理支援に関する理論と実践
- 家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践
- 心の健康教育に関する理論と実践
- 心理実践実習
なお、公認心理師受験資格では特例措置が設けられており、以下の3つの条件を満たした人も受験が可能となっています。
- 公認心理師法施行前に大学院に入学し、所定の科目を修了している〈ルートD〉公認心理師法施行前に大学にて所定の科目を修了しし、公認心理師法施行以降に大学院で所定の科目を修了している〈ルートE〉
- 公認心理師法施行前に大学にて所定の科目を修了し、2年以上の実務経験がある〈ルートF〉
大学で必要科目を修了後、指定施設で2年以上の実務経験を積む
公認心理師になるための2つ目のルートは、大学で必要科目を修了後に指定施設で2年以上の実務経験を積む方法です。
現時点での指定施設は、以下の9施設となっています。
- 少年鑑別所および刑事施設
- 一般財団法人愛成会 弘前愛成会病院
- 裁判所職員総合研修所および家庭裁判所
- 医療法人社団至空会 メンタルクリニック・ダダ
- 医療法人社団心劇会 さっぽろ駅前クリニック
- 学校法人川崎学園 川崎医科大学附属病院
- 学校法人川崎学園 川崎医科大学総合医療センター
- 社会福祉法人風と虹 筑後いずみ園
- 社会福祉法人楡の会
大学と大学院で必要科目を修了する
「①や②と同等かそれ以上の知識・技能がある」とは、海外の大学において心理に関する科目を修了したあと、海外の大学院において心理に関する科目を修了した人(文部科学大臣および厚生労働大臣の認定が必要)が該当します。

公認心理師試験を受験し資格を取得する
受験資格を得たら、文部科学大臣および厚生労働大臣の指定を受けた指定試験機関・指定登録機関として、文部科学大臣および厚生労働大臣に代わって日本心理研修センターが実施に関する事務および公認心理師の登録の実施に関する事務を行う公認心理師試験を受験して合格し、資格を取得する必要があります。
試験は年に1回実施されており、2023年は5月に行われ、2024年は3月に行われる予定です。
年度によって試験時期が異なる可能性があるため、日本心理研修センターのホームページで確認するようにしましょう。
なお、受験手数料は28,700円です。
また、合格基準は総得点の60%程度以上となっています。
補足:通信制大学でもめざせる
公認心理師に必要な科目は、通信制大学でも学べます。
しかし、通信制大学では大学院の勉強はできないため、通信制大学修了後に大学院に進学する、または実務経験2年以上のルートを選ぶ必要があります。
通信制での勉強だけでは受験資格を得られないことを覚えておきましょう。
とはいえ、働きながら公認心理師をめざすなら、通信制大学が選択できるのは魅力です。
次のページでは、働きながら公認心理師をめざす方法が紹介されています。
ぜひご確認ください。

公認心理師になるには国家資格を取得しよう
公認心理師になるには、国家資格を取得しなければなりません。
また、公認心理師試験を受けるためには、受験要件を満たすことが必須です。
今回紹介したルートを参考にして、ぜひ公認心理師をめざしてください。