
臨床検査技師は、医療現場で重要な役割を果たしており、患者さんの検体を検査し、医師の診断や治療方針の決定に貢献しています。
本コラムでは、そんな臨床検査技師の男女比を、全体・年齢別・施設別の観点から見ていきます。
目次
臨床検査技師の全体の男女比
臨床検査技師の男女比は、令和5年賃金構造基本統計調査の結果によれば、2対3で女性が多いことがわかります。
具体的な人数をいえば、男性3,301人に対して女性5,112人と女性のほうが1.5倍ほど多いのです。
臨床検査技師に女性が多い理由としては、心電図や超音波検査、採血など、直接患者さんの身体に触れる検査や、衣服を脱いで行う検査が多い点が挙げられます。もちろん、男性の臨床検査技師でもこれらの業務を行わないわけではありませんが、特に検査を受ける患者さんが女性の場合は、男性よりも女性の臨床検査技師のほうが抵抗は少なく感じるでしょう。
また、病院などで実施される検査のほとんどは日中に行われるものが多いことから、、子育てなどに支障が少ない日勤の時間帯で働けるのも、女性比率が高い理由だといえます。
年齢別|臨床検査技師の男女比
一般社団日本臨床衛生検査技師会の会員データをもとに、年齢別に男女比を見ると以下のとおりとなります。
世代 | 男 | 女 |
20歳~29歳 | 3,010人 | 8,896人 |
30歳~39歳 | 5,797人 | 13,241人 |
40歳~49歳 | 3,590人 | 11,542人 |
50歳~59歳 | 4,100人 | 10,180人 |
60歳~ | 4,266人 | 5,209人 |
60歳以上では大きな差はありませんが、それ以外のどの年代においても、男性よりも女性のほうが多いことがわかります。
施設別|臨床検査技師の男女比
施設規模によっても男女比に違いがあります。
令和5年賃金構造基本統計調査によると次のとおりです。
施設規模 | 男 | 女 |
10〜99人 | 1,920人 | 5,260人 |
100〜999人 | 10,840人 | 24,660人 |
1,000人以上 | 33,100人 | 51,120人 |
施設規模の視点から見ると、病院の規模が大きいほうが男女比の差が少ない傾向にあります。
臨床検査技師の男女比は女性が多め
臨床検査技師の男女比は、年齢別や施設の規模別など、全体的に見ても女性のほうが多く在籍していることがわかりました。
女性が多い理由としては、検査時の患者さんに対する身体的接触への抵抗感の少なさからくるニーズの高さや、日勤での勤務が可能で子育てなどの両立しやすい点などがあげられます。
臨床検査技師のニーズは、予防医療の発展から増加傾向にあるため、今後もこの女性が多く働く傾向は続くと予想されるでしょう。